- Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
- / ISBN・EAN: 9784907188177
作品紹介・あらすじ
【特集:脱戦後日本美術】
もう悪い場所論や地域アート論はうんざりだ!
美術批評の日本特殊論を打ち破るため、巻頭に来るのはまずは東浩紀と黒瀬陽平による韓国リアルDMZプロジェクトの徹底取材。グラビアとインタビューでダークツーリズムと現代美術の新展開に迫る。
同国を代表するアーティスト、パク・チャンキョン氏の特別寄稿も獲得。
続く座談会では、会田誠・椹木野衣・安藤礼二3氏を迎え、戦後日本美術の問題を徹底討議。
特集後半では流行の「世界美術史」論を徹底解剖。ベルティングとクラークの必読文献初訳を収録したほか、稲賀繁美・新藤淳・土屋誠一らの論考が新しい美術批評の地平を開く。
【国境を越えた批評へ】
特集と連動し、韓国の新世代批評家、若干29歳のパク・カブンを本邦初紹介。ゲンロンの活動は日本を越え外へ。
井出明の評論、海猫沢めろんの連載小説、タイ文学が加わりますます国際色豊かなコラム。
前号比さらに50頁増の超特大号!!!!
感想・レビュー・書評
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馬定延さんのsiafのイベントでのアーティスト・トークで、三原聡一郎さんの「土の日記」という作品に触れられ、そこから、リアルDMZプロジェクトに興味を持ち、キム・ソンジョンさんの「博物館から庭へ-リアルDMZプロジェクトの哲学」「国際性と地域性の並行関係ーリアルDMZプロジェクト」にたどり着き、読了。DMZに着目したイベント、というのが異色で着眼点が鋭く、興味が惹かれた。自然環境をどうやってプロジェクトの中に生かしていくか。様々な場所から植物を引き抜いて並べる、歴史的な「庭」ではなく、新しい「庭」の概念を提示したい。DMZの「過去性」を強調するとモニュメントの制作に陥り忘却に寄与する。「現在性」を強調すると北朝鮮の脅威を煽る政府のイデオロギーに近づく、という罠を乗り越える必要。日本の美術会は、東日本大震災以前は、総じて内面的な美意識の追求が強いように思ったが、以後は政治的社会的な問題に関心を持ち、考える作家が増えたといった指摘。ナム・ジュン・パイクが提示したネットワーク作りの重要性、韓国の美術家を世界に繋げる機会を提供したこと。地域ごとのビエンナーレは、潤沢な予算を得て展覧会をするよりは、特定のテーマを扱い、長期的に調査と制作を行うことが良いのでは、という提案。プロジェクトは、武装された「非武装地帯」と言う皮肉に向けられたもので、DMZの現実の非武装化や平和に関する議論を促し、韓国と北朝鮮の交流推進を模索している、という思想。といったあたりが興味深かった。
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