- 本 ・本 (112ページ)
- / ISBN・EAN: 9784907435141
感想・レビュー・書評
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タイトル通り、鉱物を何かに「見タテ」たお洒落な鉱物図鑑。
様々な色、形を持つ鉱物をシンプル且つスタイリッシュな背景に巧みに配置し、美しくライティングしてある。
写真に物語性を強めるタイトルをつけ、解説にその鉱物の来歴、硬度、名の由来や、鉱物を愛した文学者、芸術家などの文章が載っている。
よく名が出てくるのが宮沢賢治。
そうとうな「石っ子」だったらしく、数多くの鉱物をモチーフに作品を書いたらしい。
どの写真も美しく、ため息が出そうなのだが、ベストオブベストは蛍石にブラックライトを当て、まるで家の光が無数にあるように光らせた「天空都市」。
無機質な鉱物が温かみを帯びて見える。
あと驚いたのが美味しそうに見える鉱物がたくさんあること。ゼリーや葡萄、チョコレートまで。
見立ての妙もあるけれど、レモン色と透明色のツートンカラーの方解石なんかうっかり口に運んでしまいそう。
学術的なところはそんなに詳しく載っていない。
パワーストーン的な観点からの説明は無い。
綺麗なものが好きな理系音痴の文系ドリーマーの方にどうぞ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
食べ物、植物、生き物、物、風景。
鉱物をさまざまなものに見立てた、写真図鑑。
ゼリーのような、方解石。
柔らかな綿毛のようなオーケン石。
山を中に閉じ込めたような、山入水晶。
虹のような、リチア電気石。
タンポポの綿毛のような、中沸石。
ジュレのような、オレゴンオパール。
ミルフィーユのような、苦灰石。
「こんな鉱石が!」と驚く写真がいっぱいで、見ていて楽しかった。
名前の由来、登場する小説の引用、性質など、鉱物の解説文も、読んでいておもしろい。
長野まゆみの作品を、読み返したくなった。 -
鉱物を、様々なものに見タテた図鑑。薔薇の花や、ジュレ、蝶ネクタイなど写真で見ると柔らかく見える、すごく素敵。山入水晶や蛍石など元の名前もその形状をよくあらわしていて。綺麗な鉱物をずっと眺めていたくなる。
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鉱物を眺めていると、まるで氷砂糖を眺めているときのような甘い気分になってきたり、まるで透明なゼリーのように見えてきたり。ただそこにあるだけで美しく、そして「まるで〜のようだ」と想像力をかきたてられ、その魅力的をひとりこっそりと自分の鉱物コレクションで楽しんできた私ですが、フジイキョウコさんが「見立て」として、このことをこんなに美しく豊かにこの本で表現されていることに感動しました。
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なんて美しい本だろう.著者の鉱物への愛が感じられるし,ところどころ引用されている文章も好きな作家さんのものばかり.渋澤龍彦,足穂,宮沢賢治など.どれも素敵な石たち,特にオレゴンオパールに心惹かれた.
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これももう、あれです、宮澤賢治的世界から派生した、趣味
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コラのような、遊んでる。かわいい