病と障害と、傍らにあった本。

  • 里山社
4.14
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本棚登録 : 429
感想 : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784907497125

作品紹介・あらすじ

病名や障害の名前ではひとくくりにできない、その実情。それゆえにその只中にいる人は、心身のつらさのみならず、誰とも分かち合えない想いに孤独に陥りがちになる。そんな時、外の世界と自分の内とを繋ぐ「窓」となる本は、あったのか。12人12様の病や障害の体験と本との関わりについて綴る本書は、固有な体験としての病や障害の実情と、生きることの「意志」の現れでもある「読む」ことの力を伝える一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • 病気や障害を持つ当事者、またその人たちを介護したり身近に目の当たりにする当事者たちと本のはなし。
    書き手に結構著書を存じ上げてる方が多くておお、と思いながら読み進めた。
    私は元々子供の頃から読書が大好きだが、一度疎遠になってからまたよく本を読むようになったのは、病気で一般的な日常生活を送れなくなってからだった。
    この本に寄せてる書き手の方達は、こうして活字にしていろいろなことを教えてくださる。では内にこもって何も発していない自分はなんだろうと、ふと思ってしまう。発さなければならないものでも、ないんだろうけどね。
    本を傍らに置いて、私のための本、私のための読書ってなんだろうとぼんやり考える。
    そして本が読めることを嬉しく思う。この本の中で気になる本が見つかったので、いずれ読みたい。

  • 病と障害と、傍にあった本。(里山社) - NENOi
    http://nenoi.jp/2020/10/31/post-5476/

    病と障害と、傍らにあった本。 | 里山社
    http://satoyamasha.com/books/2586

    • まことさん
      猫丸さん

      確かに三角さんのお名前がありますね。
      この本、気になってきたけど、今、図書館にリクエストすると、届くのは真冬なので、行くの...
      猫丸さん

      確かに三角さんのお名前がありますね。
      この本、気になってきたけど、今、図書館にリクエストすると、届くのは真冬なので、行くのが大変そう。
      春になったらリクエストしてみようかな。
      2020/11/06
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      まことさん
      それが宜しいかと、、、
      まことさん
      それが宜しいかと、、、
      2020/11/06
  • とてもいい本だった・・・。病の当事者10人と、介護者2人のエッセイ。

    幸い今のところ大病にも障害にもなっていない私は、病気を抱える人の気持ちを想像するのが難しい――と、ことあるごとに痛感している。寄り添いたい、と思っても、どうしても心からの言葉や行動にならない気がする。それはカゼをひいた人が相手でも同じことで、いたわりの気持ちが欠けているなぁ、と自分についてよく思う。

    闘病記はたくさん世に出ているけれど、これはアンソロジーの形で、本というテーマがついているのが特徴的。難聴、うつ病、膠原病、脳梗塞・・・どんな症状があり、そこで「本」はどんな役割を果たしてくれたのか。
    エッセイ、詩、写真など著者はみな表現者としての仕事をしている人なので、文章は整理され読みやすい。ある人は客観的に淡々と、ある人は物語のように――それぞれ違った味わいがある。絶望や辛さも書いていながら、過度に悲劇的ではなく、読み手を怖がらせることがない。
    私にとっては"趣味"で、ときに"エンターテインメント"である読書が、病と向き合うよすがであったり、回復するための手段であったり、気持ちを整える薬であったり・・・。自分が本好きであるためにいっそう、その無限の可能性に驚かされ、感銘を受けた。また、本という道具を介したことで病を抱える人の気持ちを、いくらか想像しやすくなったような気がする。
    カゼをひいた人がそばにいたら、怖がらずに寄り添えるようになりたい。まずはそこから。

  • 考えさせられてしまいました。
    それも 深く

    「ただ生きている」
    そのことが嬉しいと思わせられる
    人たちの傍らにある
    それぞれの「一冊」が
    語られる

    「病」「障害」
    それも「死」と隣り合わせにある
    「生」を営む人たちを
    支えている「一冊」が
    語られる

    その「本」が
    どんな状況の時に
    どんな風に
    読まれているのか

    「生」と「死」の
    ぎりぎりのところで
    読まれている
    「本」が持っている力を
    考えさせられました

  • 何人か知ってるな〜
    と思って手に取った本。
    何が起こるか分からない以上、「読む機能」もいつまで保てるのか分からないんだな。高次機能障害の「読めない」症状…。書籍も色々と紹介されていて、読んでみたいと思った。

  • 今年の7月に亡くなられた装丁家の桂川潤さんが、3月にラジオで印象に残っている本として本書をあげられていた。ご自身も双極性障害をお持ちだったということだが、本書でも多くの同じ病気の方が書かれている。病気の種類や症状、向き合い方はそれぞれ違っていても文章を読むことが日々をなんとか乗り越えていく力になっている。同じ思いの私も親しい友人の話を聞くように読ませてもらった。

  • 障害や病は、自分にもいつでも舞い込んでくるテーマで、これからの自分の人生にとって、とても参考になる捉え方と歩みが力強い。12人の寄稿の其々に頷きながら読み終え、また本をなぜ読むのか。原点に立ち返る。
    執筆者の選書も是非手に取りたい。
    2021年のスタートに輝かしい一冊でした。

  • みんな、意外と病んでいる。

    いや、長く生きていたら、当たり前だ。それでもみんな、生きているし、何かを考えて、探求し、本を書いたり、仕事をしたり、それぞれの生業を立てている。

    その傍らに、本がある。

    本は、病の痛みを和らげたり、仕事を片付けたりはしてくれないけれど、長く人を生きさせる力を持っている気がする。病や障害で心が折れそうになった時、折れた時、間違った方向に走ろうとしたとき、傍らに本があることが救いになることがある。

    そのそれぞれの本を、また手に取ってみたい。
    誰かを救ってくれた本は、きっと良本だから。

  •  この本は図書館で借りて読んだ。12人の作者がそれぞれの病と、患っている間に読んでいた本について語っている。12人のうち知っていた作家は2人、特に三角みづ紀のエピソードが読みたかった。東京造形大学在学中に膠原病の全身性エリテマートデスを発症した三角は、もともと美大に所属していたこともあり、入院中にできる創作活動を考え、詩を書くようになった。その詩を現代詩手帖に投稿しているうちに、現代詩手帖賞、第一詩集で、詩人の直木・芥川賞と言われる中原中也賞を受賞した。受賞作『オウバアキル』は闘病中の不安定な精神状態がダイレクトに伝わってくるところがインパクトがあって強烈だった。同作家の本をまた手に取りたい。

  • 還暦を迎えたが、人生100年時代というからあと少なくとも20~30年は生きることになるだろう。飛蚊症や白内障の症状がでたり、遠視メガネが合わなくなったりと、私自身、加齢の影響は否応なしにやってくる。この本はさまざまな困難を抱える人が本とどう向き合っているのかを教えてくれる。どん底から救ってくれた本、困りごとを抱えたからスイスイ読めた本などなど。そうか、私もこれからいろいろあるだろうが、そのときに応じた本がきっとある、本に頼って生きていけばいいや、と思えた。図書館や本屋には私が一生かかっても読めないだけの本があり、本がなくて困ることはなさそうだ。

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著者プロフィール

写真家

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

齋藤陽道の作品

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