- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784907542276
作品紹介・あらすじ
「ALS はじめて耳に するその名 医師の宣告 余命三年」
不治の難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)の身でありながら常に前向きに生きる男・舩後靖彦が、その生き様を短歌に謳う!
「治療法がない」「全身麻痺」「呼吸停止」「余命3年」
過酷な宣告に絶望し、どん底に落ちた船後は、同病の共を支える「ピアサポート」をきっかけに大きく立ち直る。
人を支えることは、自分を勇気づけること!人生どんな状況でも楽しめる!
全身麻痺の身で講演やコンサートをこなし、創作活動を続ける「しあわせの王様」の生き方とは。
感想・レビュー・書評
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難病で屍【かばね】のごとき俺だから「人につくす」で生きてる意味を
舩後靖彦
作者は、れいわ新選組所属の国会議員である。その半生を描いた「増補新装版しあわせの王様」は、サブタイトルが「全身麻痺のALSを生きる舩後靖彦の挑戦」。40代で筋萎縮性側索【そくさく】硬化症(ALS)と診断され、その後、さまざまな「挑戦」を続けてきたことの記録の書だ。
1957年、岐阜市生まれ。学生時代は作詞作曲やバンド活動に励んでいた。
休日もダイヤ見たさに会社へとはやる気持ちは初恋のごと
起業を経て、商社に就職。ダイヤモンドを扱い、数億の売り上げを記録する充実の日々を送っていた。そんな中、2000年に病名を宣告され、しばらくは自死を思うほどの動揺の日々であったという。
「不治」という単語ばかりが聞こえくる病名告げる医師の唇
呼吸筋が衰え、声を失い、栄養はチューブから補給。うちひしがれた病床で生きがいとなったのは、同病の人々をメールなどで励ますピアサポートの仕事だった。
死を望む我に生きよと告ぐる声廊下に響く呼吸器の音
長く拒否してきた人工呼吸器を、生き続けるために装着し、コンピューターの意思伝達装置を使って病友の相談にのる。
当初は「余命三年」と伝えられたが、他者につくすことを決意し、講演なども積極的に行うようになったそうだ。堂々と「しあわせの王様」として生きるその姿は、短歌ブログでも公開されている。
(2019年11月10日掲載)詳細をみるコメント0件をすべて表示