ピエールとリュース (鉄筆文庫 ろ 1-1)

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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784907580063

作品紹介・あらすじ

18歳だったあなたへ――戦時下のパリ。ノーベル文学賞作家が紡いだ、100年読み継がれる「悲恋」の物語。1958年刊行の角川文庫版を復刻。第一次大戦下に執筆され、1920年に発表された「悲恋」の物語。パリに暮らす汚れを知らぬ若い男女の清純な恋愛が、醜く恐ろしい戦争の現実と、あざやかなコントラストをもって描かれます。私(渡辺浩章)は中学生の時にこの小説を角川文庫版で読み、不眠に陥るほどのショックを受けました。『翼』の岳志と里江子の恋にも通底する、傑作恋愛小説です。

感想・レビュー・書評

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  • 偶然だけどこの時期に読み終えたことがまた、平和に対しての思いを強くさせる。

    この終わり方は想定外だったな。いい意味で。

    戦争が暮らしを蝕んでいく様子は、文章からも映像からも目にするけど、もうこんなことは二度と繰り返しちゃいけない。

    あとがきも、角川文庫創刊の辞も、全部がこの本の素晴らしいところ。
    創刊の辞はこうして読むとまた違ったふうに読めてよかったな。


    そしてカバー&帯のデザインは、toconoma石橋さん。
    内容の儚さにもぴたっとくる美しさ。
    何年も本棚に置いておきたくなる、飾っておきたくなる本に仕上げてくれて、ありがとうございます。
    夏空に合って、ほんとにいいデザインだなあ。
    無駄がなくて整っていて、、こういう雰囲気大好きだ。

  • 「悲恋」と書かれた帯を見て買ったのでピエールとリュースの恋の行く先は想像できたはずなのにこの終わりの訪れ方は…。
    恋愛小説で、戦争小説。

  • ロマン・ロランの悲恋小説。青年たちの恋愛を通して、平和や戦争について考えさせる小説。愛の表現がとにかく美しい。最後は涙が出る。

  • 高尚なのだろうか。
    愛と同じく、この小説を理解しようとしてはいけないのだろうか。

  • 当然だ、こんなことになるのはみんな。この世界は古くなりすぎてたんだ。この世界は滅びるべきだったんだ。滅びなくちゃならないんだ

  • 私の初ロマン・ロランはとても可愛らしい恋人たちの悲しい恋の物語、穢れなき無垢なハートを粉々に砕く汚い戦争の物語。崇高なユマニストであるロランが思いのたけをピエールとリュースに託したことは本文から十分過ぎるほど伝わってくるけれど、1958年に書かれた訳者の解説によりもっと強まる。更に同じ訳者による新版の為のあとがきは昨年2015年9月の忌わしき安保法案断行に及び、更に版元の鉄筆文庫社主の復刻への想い、更に旧版である角川文庫の角川源義の発刊表明文の転載と続き、ロランから連綿と続く平和への強い意志が間断なく迸る。

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著者プロフィール

1866年、フランスの中部クラムシーに生まれ、1944年に没する。作家、音楽史家。第一次世界大戦中は反戦論を唱え、第二次世界大戦中も反ファシズムをアピールした。文学や芸術の領域で活動するだけでなく、現代社会の不正と戦い、人権擁護と自由を獲得するために政治的・社会的論争を起こし行動した。1915年、ノーベル文学賞受賞。主な作品に、大河小説『ジャン・クリストフ』、『魅せられたる魂』をはじめ、『ベートーヴェンの生涯』や『戦いを超えて』、『インド研究』などがあり、そのほか、小説、戯曲、伝記、自伝、評論、日記、書簡などの膨大な著作がある。

「2023年 『ジャン・クリストフ物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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