- Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
- / ISBN・EAN: 9784907582210
作品紹介・あらすじ
混沌としたミライを渡っていくための、本という名のチケット。レーベル『ミライのパスポ』第2弾!
本屋をやるのは、誰かのため? 自分のため? 本のため? 答えは出なくても、もし100年後に本屋という場所そのものがなくなってしまっているかもしれないのなら、どんな手段を使ってでも、ぼくは自分の本屋を生き残らせる。
青臭くて遠回りで、やることばかり増やしてしまって右往左往。それでも本屋のためになることなら、どんなことにでもトライし続ける。東京・赤坂の選書専門書店『双子のライオン堂』から本と本屋の未来を築く、たいそう「めんどくさい」店主のこれまでとこれから。
感想・レビュー・書評
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「街灯りとしての本屋」を手がけた「双子のライオン堂」の竹田信弥さんの本。
「街灯り~」は店つくりのハウツー本で共著だったが、こちらは竹田さんの単著で半自伝的な奮闘記。・・さて、「めんどくさい」とは何か?
東京・赤坂にある「双子のライオン堂」は、選書専門の書店。
独自の選書のみを扱う店で、作家さんや評論家・研究者など様々な方に選書してもらった本が並んでいる。よくあるオールジャンルの本を扱う店ではない。
他にも、読書会を頻繁に開き、年間で60回にも及ぶらしい。
内容も工夫されていて、半年でドストエフスキーの長編小説5冊を読むなどというもの。単発の読書会にならないように、前後の読書会でとりあげた本の話も出来るようにという発想らしい。
その他のイヴェントも数多く、出版まで手がけている。
本好きさん以外にも、付加価値の部分に惹かれて集うひとも多そうだ。
竹田さんの一週間の過ごし方が最初に登場する。
一体いつ寝ているのかと心配するほどの多忙ぶりだ。
清掃・コールセンター・営業訪問等で都内を何か所も移動していく。
経済的な部分を補完するためのアルバイトなのだが、その原動力はどこにあるのだろう。
全ては「双子のライオン堂」を100年先まで残したいという夢があるからだ。
「まだまだ、どうしたら100年も生き残れるか分からない。
でも、生き残ることを目標にして、がむしゃらに努力していく。
それが今のぼくにとっての生きがいだ」
並々ならぬ決意だが、開業前から支えてくれているメンバー3人との座談会の記事を読んで納得の思いだった。
メンバーに、ご本尊タイプとかマスコットキャラなどと呼ばれている竹田さん。
人柄の良さで周囲に愛されているのが良くわかるからだ。
プラスメンバーの力が、そのまま本と人への繋がりになっているのだろう。
思考錯誤ばかり多くてなかなか腰を上げない部分があり、奥様から何度もアドヴァイスを受ける竹田さん。でもそれを素直に受け入れる人でもある。
「人と違ったことはやりたくない。はみ出し者も嫌。でも面白そうなことを思いついちゃう。
でも目立つと注意される。けど明日死ぬかもしれない。
小さい声で何か目立たないように、思いついたことをやってみよう」
・・そんな思考回路の、すごくめんどくさいタイプだ。
タイトルにある「めんどくさい」のは、外ならぬ竹田さん本人。
それでこの行動力と決意である。応援しないわけにはいかない。
本書の中に店内の棚の写真もあるが、?と思うほど雑多な並べ方だ。
しかしそれは「他人が入る余地をつくりたい」という計算の上でのことだ。
本を売ることも大事だけど、読んでもらうことも大事にしたい。
たとえ背表紙を見ただけでも、開いて一行だけ読んだとしても、読書と認めてあげたいという、そんな言葉がある。
ネットの書店では決して出会えない、様々な本との出会い。
新たな扉を開けるチャンスがある本屋。
本好きさんが読んだらきっと楽しい一冊だ。
いつか「双子のライオン堂」さんにも足を運んでみたいと思っている。 -
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りまのさん
もしお疲れのようでしたら、眠るのが一番。でも、もう起きる時刻なんでしょうね、、、無理されませんように。りまのさん
もしお疲れのようでしたら、眠るのが一番。でも、もう起きる時刻なんでしょうね、、、無理されませんように。2020/07/31 -
ありがとうございます。やはりコーヒーやめて、ホットミルクにしました。アボカド食べて、ナッツ囓ってるところです。ありがとうございます。やはりコーヒーやめて、ホットミルクにしました。アボカド食べて、ナッツ囓ってるところです。2020/07/31
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りまのさん
そうそう、暑いと冷たい飲み物が欲しくなるけど、ホットミルクは良いかも。りまのさん
そうそう、暑いと冷たい飲み物が欲しくなるけど、ホットミルクは良いかも。2020/07/31
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「どんな手段を使ってでもぼくの本屋を生き残らせる」、と帯に書いてあったので、逆風吹く書店経営の孤独な闘い、みたいな内容を想像していたら違いました。もっとゆるっと読める内容でした。
アルバイト掛け持ちしながら本屋を続けていくなんて大変だな、と著者の一週間のスケジュールを眺めていて思いましたが、著者自身はそこにメリットも見出して敢えてそうしている部分もあり、器用ではなくても、柔軟性と逞しさを感じました。
共感できた箇所をいくつか挙げると
「本を読むというのは、最初から最後まで読み通すことが全てなのでしょうか」
「新規軸を誤配する」
「本を読むためには、本が視界に入らないと読み始めない」
「自分で選んでほしいんです、それはレコメンドされたものじゃなくて」
「本は物じゃなくて行為」
「もっと何も考えずに行ける場所であるべき」
「文学は時空を超えたコミュニケーション」
どこかで聞いた覚えのある話もありましたが、「新刊書店は必要か」問題にひとつの答えを提示してくれているように思います。
私自身紙の本を選ぶという行為が好きなので、問答無用で生きてる限り本屋さんはあちこちにあって欲しいですが、その「なぜ本屋があってほしいか」を私の代わりに言語化してくれたような本でした。 -
めんどくさい本屋というタイトルがなんとも言えない魅力を感じて読んでみた
著者の竹田さんと自分の性格の共通点がいくつも感じられる上に本が好きということもあり、強い共感できた
共感し過ぎて私も本屋を作りたくなってしまった(笑)
最後に語られていたことが最も印象的で心に響きました
『人生において大事なことは、負けないことだと思っている。勝つことではなく、負けないこと。
生き残ることを目標に、本屋をやっている。』
自分が思っていたことを言葉にしてくれた感じです -
双子のライオン堂の店主、竹田さんの子供のこと、お店を開けるまで、今、これから。
優しい言葉の裏にある100年続けると言う強い思い。 -
本屋をはじめるってどういうこと?がチラチラと見える。チラチラと。地道であるということは美しいんだなぁと思う。
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生き方は色々あるということを改めて確認することができた。
自分は「やりたいこと」がやれているか。
それを意識して生きていこうと思います -
東京赤坂の双子のライオン堂店主の著。なかなか変わった方向性の本屋。本というものを残すために奮闘中。でも一般的な本屋さんとは違う形。さて、今後どうなっていきますか。
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2022年7月10日読了。
著者プロフィール
竹田信弥の作品
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わわ!キュレーターさんだけでこんなに!
内田洋子さんと金原瑞人さん、若松英輔さんをしっかり確認しました。
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わわ!キュレーターさんだけでこんなに!
内田洋子さんと金原瑞人さん、若松英輔さんをしっかり確認しました。
自粛期間中はすごく便利だと思いますよ。
そうですね、触れて見て探せるっていうのはやはり大きいです。
思いがけない出会いというのが一番の贈り物かも。
しかしまぁ、コロナ禍のおかげで楽しい書店巡りとは程遠い毎日ですね。。
図書館が開いてくれているのがせめてもの喜びです。
この頃は、お邪魔するときに、ご挨拶を落としてしまって。申し訳ない。
こちらはキュレータ...
この頃は、お邪魔するときに、ご挨拶を落としてしまって。申し訳ない。
こちらはキュレーターではないですが、おもしろいお話が読めますよ。
https://www.bookscan.co.jp/index
今年は、こちらで雰囲気だけでも味わいますか。。
http://jimbou.info/
あなたの言葉の力を受けて、図書館行ってこようかなと思います。笑。
これ、参加してみたいですね。
https://www.libraryfair.jp/
長いお付き合いですもの。全く気にしておりません(*^-^*)
いやもう、リン...
長いお付き合いですもの。全く気にしておりません(*^-^*)
いやもう、リンク先が刺激的で行ったきり行方不明になりそうでした。
BOOKSCANには私の好きなリンボー先生がいらっしゃるではありませんか!
はい、確かに保存しました。すごくすごく楽しみです。
JINBOUは全く知りませんでした。
オフィシャルサイトがあったのですねぇ。
書店逍遙の喜びを、しばし味わえそうです。
図書館総合展は行ってみたいです!無事開催されるのなら、ですが。
図書館は7時まで開いていますよね。
滞在時間2時間までという制限付きでも、夕方5時頃入れば閉館までいられます。
夕方からは多少混みあいますが、以前ほどではありません。
なかなか良い時間を過ごせますよ。
先日のコメントで「シフォンケーキ」の言葉を聞き、幸せな思いがまだ広がっています。
今の医療状況ではおちおち入院も出来ませんものね。
まずは、良かったです