めんどくさい本屋―100年先まで続ける道 (ミライのパスポ)

著者 :
  • 本の種出版
3.50
  • (4)
  • (8)
  • (6)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 191
感想 : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784907582210

作品紹介・あらすじ

混沌としたミライを渡っていくための、本という名のチケット。レーベル『ミライのパスポ』第2弾!
本屋をやるのは、誰かのため? 自分のため? 本のため? 答えは出なくても、もし100年後に本屋という場所そのものがなくなってしまっているかもしれないのなら、どんな手段を使ってでも、ぼくは自分の本屋を生き残らせる。
青臭くて遠回りで、やることばかり増やしてしまって右往左往。それでも本屋のためになることなら、どんなことにでもトライし続ける。東京・赤坂の選書専門書店『双子のライオン堂』から本と本屋の未来を築く、たいそう「めんどくさい」店主のこれまでとこれから。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「街灯りとしての本屋」を手がけた「双子のライオン堂」の竹田信弥さんの本。
    「街灯り~」は店つくりのハウツー本で共著だったが、こちらは竹田さんの単著で半自伝的な奮闘記。・・さて、「めんどくさい」とは何か?

    東京・赤坂にある「双子のライオン堂」は、選書専門の書店。
    独自の選書のみを扱う店で、作家さんや評論家・研究者など様々な方に選書してもらった本が並んでいる。よくあるオールジャンルの本を扱う店ではない。
    他にも、読書会を頻繁に開き、年間で60回にも及ぶらしい。
    内容も工夫されていて、半年でドストエフスキーの長編小説5冊を読むなどというもの。単発の読書会にならないように、前後の読書会でとりあげた本の話も出来るようにという発想らしい。
    その他のイヴェントも数多く、出版まで手がけている。
    本好きさん以外にも、付加価値の部分に惹かれて集うひとも多そうだ。

    竹田さんの一週間の過ごし方が最初に登場する。
    一体いつ寝ているのかと心配するほどの多忙ぶりだ。
    清掃・コールセンター・営業訪問等で都内を何か所も移動していく。
    経済的な部分を補完するためのアルバイトなのだが、その原動力はどこにあるのだろう。
    全ては「双子のライオン堂」を100年先まで残したいという夢があるからだ。
    「まだまだ、どうしたら100年も生き残れるか分からない。
    でも、生き残ることを目標にして、がむしゃらに努力していく。
    それが今のぼくにとっての生きがいだ」

    並々ならぬ決意だが、開業前から支えてくれているメンバー3人との座談会の記事を読んで納得の思いだった。
    メンバーに、ご本尊タイプとかマスコットキャラなどと呼ばれている竹田さん。
    人柄の良さで周囲に愛されているのが良くわかるからだ。
    プラスメンバーの力が、そのまま本と人への繋がりになっているのだろう。

    思考錯誤ばかり多くてなかなか腰を上げない部分があり、奥様から何度もアドヴァイスを受ける竹田さん。でもそれを素直に受け入れる人でもある。
    「人と違ったことはやりたくない。はみ出し者も嫌。でも面白そうなことを思いついちゃう。
    でも目立つと注意される。けど明日死ぬかもしれない。
    小さい声で何か目立たないように、思いついたことをやってみよう」
    ・・そんな思考回路の、すごくめんどくさいタイプだ。
    タイトルにある「めんどくさい」のは、外ならぬ竹田さん本人。
    それでこの行動力と決意である。応援しないわけにはいかない。

    本書の中に店内の棚の写真もあるが、?と思うほど雑多な並べ方だ。
    しかしそれは「他人が入る余地をつくりたい」という計算の上でのことだ。
    本を売ることも大事だけど、読んでもらうことも大事にしたい。
    たとえ背表紙を見ただけでも、開いて一行だけ読んだとしても、読書と認めてあげたいという、そんな言葉がある。

    ネットの書店では決して出会えない、様々な本との出会い。
    新たな扉を開けるチャンスがある本屋。
    本好きさんが読んだらきっと楽しい一冊だ。
    いつか「双子のライオン堂」さんにも足を運んでみたいと思っている。

    • nejidonさん
      夜型さん、こんにちは(^^♪
      わわ!キュレーターさんだけでこんなに!
      内田洋子さんと金原瑞人さん、若松英輔さんをしっかり確認しました。
      ...
      夜型さん、こんにちは(^^♪
      わわ!キュレーターさんだけでこんなに!
      内田洋子さんと金原瑞人さん、若松英輔さんをしっかり確認しました。
      自粛期間中はすごく便利だと思いますよ。
      そうですね、触れて見て探せるっていうのはやはり大きいです。
      思いがけない出会いというのが一番の贈り物かも。
      しかしまぁ、コロナ禍のおかげで楽しい書店巡りとは程遠い毎日ですね。。
      図書館が開いてくれているのがせめてもの喜びです。
      2020/08/16
    • 夜型さん
      改めまして、nejidonさん、こんにちは。
      この頃は、お邪魔するときに、ご挨拶を落としてしまって。申し訳ない。

      こちらはキュレータ...
      改めまして、nejidonさん、こんにちは。
      この頃は、お邪魔するときに、ご挨拶を落としてしまって。申し訳ない。

      こちらはキュレーターではないですが、おもしろいお話が読めますよ。
      https://www.bookscan.co.jp/index

      今年は、こちらで雰囲気だけでも味わいますか。。
      http://jimbou.info/

      あなたの言葉の力を受けて、図書館行ってこようかなと思います。笑。

      これ、参加してみたいですね。
      https://www.libraryfair.jp/
      2020/08/16
    • nejidonさん
      夜型さん、ご挨拶は「シード権確保」してますのでご安心を・笑
      長いお付き合いですもの。全く気にしておりません(*^-^*)
      いやもう、リン...
      夜型さん、ご挨拶は「シード権確保」してますのでご安心を・笑
      長いお付き合いですもの。全く気にしておりません(*^-^*)
      いやもう、リンク先が刺激的で行ったきり行方不明になりそうでした。
      BOOKSCANには私の好きなリンボー先生がいらっしゃるではありませんか!
      はい、確かに保存しました。すごくすごく楽しみです。
      JINBOUは全く知りませんでした。
      オフィシャルサイトがあったのですねぇ。
      書店逍遙の喜びを、しばし味わえそうです。
      図書館総合展は行ってみたいです!無事開催されるのなら、ですが。
      図書館は7時まで開いていますよね。
      滞在時間2時間までという制限付きでも、夕方5時頃入れば閉館までいられます。
      夕方からは多少混みあいますが、以前ほどではありません。
      なかなか良い時間を過ごせますよ。

      先日のコメントで「シフォンケーキ」の言葉を聞き、幸せな思いがまだ広がっています。
      今の医療状況ではおちおち入院も出来ませんものね。
      まずは、良かったです
      2020/08/16
  • 今週の本棚・話題の本:『めんどくさい本屋 100年先まで続ける道』=仲俣暁生 - 毎日新聞
    https://mainichi.jp/articles/20200711/ddm/015/070/009000c

    本の種レーベル『ミライのパスポ』第2弾! 双子のライオン堂 店主・竹田信弥さんの単著『めんどくさい本屋―100年先まで続ける道』4月20日に刊行 | 本の種出版
    http://honnotane.com/?p=2569

    双子のライオン堂
    https://liondo.jp/

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      りまのさん
      もしお疲れのようでしたら、眠るのが一番。でも、もう起きる時刻なんでしょうね、、、無理されませんように。
      りまのさん
      もしお疲れのようでしたら、眠るのが一番。でも、もう起きる時刻なんでしょうね、、、無理されませんように。
      2020/07/31
    • りまのさん
      ありがとうございます。やはりコーヒーやめて、ホットミルクにしました。アボカド食べて、ナッツ囓ってるところです。
      ありがとうございます。やはりコーヒーやめて、ホットミルクにしました。アボカド食べて、ナッツ囓ってるところです。
      2020/07/31
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      りまのさん
      そうそう、暑いと冷たい飲み物が欲しくなるけど、ホットミルクは良いかも。
      りまのさん
      そうそう、暑いと冷たい飲み物が欲しくなるけど、ホットミルクは良いかも。
      2020/07/31
  • 本屋を100年続けるために二足以上のわらじを履く生活を送る著者に共感する。掛け持つからこそ見えてくる視点もあるし、経済的な余裕があるとチャレンジもしやすい。生き残った方が正しいという考え方もアリかと。いろんな街に魅力的な本屋ができてお店が長く続く未来がみたい。

  • 「どんな手段を使ってでもぼくの本屋を生き残らせる」、と帯に書いてあったので、逆風吹く書店経営の孤独な闘い、みたいな内容を想像していたら違いました。もっとゆるっと読める内容でした。

    アルバイト掛け持ちしながら本屋を続けていくなんて大変だな、と著者の一週間のスケジュールを眺めていて思いましたが、著者自身はそこにメリットも見出して敢えてそうしている部分もあり、器用ではなくても、柔軟性と逞しさを感じました。

    共感できた箇所をいくつか挙げると

    「本を読むというのは、最初から最後まで読み通すことが全てなのでしょうか」
    「新規軸を誤配する」
    「本を読むためには、本が視界に入らないと読み始めない」
    「自分で選んでほしいんです、それはレコメンドされたものじゃなくて」
    「本は物じゃなくて行為」
    「もっと何も考えずに行ける場所であるべき」
    「文学は時空を超えたコミュニケーション」

    どこかで聞いた覚えのある話もありましたが、「新刊書店は必要か」問題にひとつの答えを提示してくれているように思います。

    私自身紙の本を選ぶという行為が好きなので、問答無用で生きてる限り本屋さんはあちこちにあって欲しいですが、その「なぜ本屋があってほしいか」を私の代わりに言語化してくれたような本でした。

  • めんどくさい本屋というタイトルがなんとも言えない魅力を感じて読んでみた

    著者の竹田さんと自分の性格の共通点がいくつも感じられる上に本が好きということもあり、強い共感できた

    共感し過ぎて私も本屋を作りたくなってしまった(笑)

    最後に語られていたことが最も印象的で心に響きました

    『人生において大事なことは、負けないことだと思っている。勝つことではなく、負けないこと。
    生き残ることを目標に、本屋をやっている。』

    自分が思っていたことを言葉にしてくれた感じです

  • 双子のライオン堂の店主、竹田さんの子供のこと、お店を開けるまで、今、これから。
    優しい言葉の裏にある100年続けると言う強い思い。

  • 経緯や事情はよくわかったが、正直あんまり響かなかったというのが本音です。

  • 兼業本屋というスタイル。

    まぁ、金銭的なものもあるけれど
    ポジティブに、外の世界にも触れながら
    長く本屋を続けていきたいという
    店長さんのお人柄が…。

    なんとなくね。
    座談会のパートを読んでいると
    不思議とまわりが手を貸したくなる
    雰囲気の人なのかなぁと。

    頑張って続けてくれたら嬉しいです。

  • 本屋と文房具屋は飽きない場所だ。
    だから著者を応援したい。
    この著者は人間関係に恵まれているようなので、100年続けられるかもとも思ったりもする。
    ただ、自分はこの本屋には行かないだろうなとは思う。本屋で語り合いたいとは思わないので。

  • 一気に読んでしまった。「100年本屋を残す」のように、想いを言葉にして体の外へ出すってことは必要で、大事なんだな。
    『草獅子』『しししし』を読んでみたくなった。

全11件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1986年東京都生まれ。双子のライオン堂・店主。高校2年時にネット古書店を開業し、2004年5月に双子のライオン堂へリニューアル。大学卒業後はベンチャー企業勤務などを経て、2013年4月、東京都文京区白山にリアル店舗をオープン。2015年10月に東京都港区赤坂に移転した。「ほんとの出合い」「100年残る本と本屋」を同店のコンセプトに掲げ、店舗運営のかたわら、読書推進活動などにも携わっている。2019年、雷鳥社より刊行された『街灯りとしての本屋』の構成を担当。

「2020年 『めんどくさい本屋―100年先まで続ける道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

竹田信弥の作品

ツイートする
×