具体と抽象 ―世界が変わって見える知性のしくみ

著者 :
  • dZERO
4.23
  • (31)
  • (36)
  • (11)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 638
レビュー : 44
  • Amazon.co.jp ・本 (133ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784907623104

作品紹介・あらすじ

永遠にかみ合わない議論、罵(ののし)り合う人と人。
その根底にあるのは「具体=わかりやすさ」の弊害と、「抽象=知性」の危機。
動物にはない人間の知性を支える頭脳的活動を「具体」と「抽象」という視点から読み解きます。

具体的言説と抽象的言説のズレを新進気鋭の漫画家・一秒さんの四コマ漫画で表現しています。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 京都アニメーションの事件とか、日本全体の風潮とか、選挙のこととか…考えると、まったくこの本のおっしゃるとおりで。

    この「具体と抽象」では「なぜ抽象化が必要なのか」ということを繰り返し説明されます。
    かわいいにゃんこのマンガで繰り返し説明される「抽象化」、そう、このにゃんこのマンガもそれを「抽象化」してから「具体化」して説明しているんですよね。

     目の前に起きたこと、これをすぐに自分なりの目線で短絡的に判断するのではなく、一段高い位置に置いて、抽象化してから、そこに想像力と創造力をプラスすることで、可能性が無限に広がるのです。
     
     カズオ・イシグロや村上春樹さんは、まさに「具体化→抽象化→具体化」の神で、
    みんな同じ小説を読んでいるのに、なぜかそれぞれが自分のことのように、
    高い次元から、なぜか自分の個人的な胸の傷みに切り替わる。
     良質の小説というのは、まさにその切替作業なんですよね。
     
     この本の中のマンガで「フィンランドの森」として紹介されているのが、笑えます!!
     

  • 『メモの魔力』を読んでから、ずっと気になっていた本。

    思ったよりずっと分かりやすくて、感動的なまとまり方!
    抽象化難しそうだな、と思っていたのに、こんなに身近だったとは。

    誰にでも勧めたいし、自分でも2回3回と読んで、腹落ちさせたい本です。

  • 【概略】
    「お客さんの言うことを聞いてたら、良いものはできない」などと言われることもあれば「お客さんの声が商品開発の肝である」と言われることもあり、「リーダーたるもの、ブレてはいけない」と諭されることがあるかと思えば「リーダーに必要なものは臨機応変さだ」と指導を受けることもある。「一体、どちらが正しいの?!」という疑問、頭の中に飛び回っている・・・そんな方に朗報。正解・不正解の問題ではなく、抽象度・具象度(本書では具体度)の濃淡の違いだった。本書では、そんな抽象・具象という概念を学ぶことで、日常に転がる様々な衝突や、モノの見方に、新しい風を与えてくれる。


    2016年10月22日 読了
    時期不明        読了
    時期不明        読了
    時期不明        読了
    2018年11月28日 読了
    【書評】
     2018年11月時点での「人生のバイブル10冊(和書)」の一冊。ホント、何度読んでも新しい気づきがある。
     元々の出会いは、トーストマスターズクラブのテーブルトピックス(クラブのプログラムの一つ。即興スピーチ)コンテスト対策。勝ち上がるためには、舞台上で準備なく投げかけられる質問に対し、話を膨らませる必要があって。勿論、沢山の「想定質問」を受けて練習するのもアリだったのだけど、「想定してない質問が来たら、困るよなぁ」と思っていて。そこで「投げかけられた質問の本質というか、一つ、抽象的な連想とかできたら、大丈夫なんじゃない?擬人化とか、比喩とか、例えば話とかも、似たようなもんでしょう?」なんて思ってね。それでネット検索してこの本を見つけて。
     それ以来、お世話になりっぱなし。会社経営者が集う会などで、経営理念を作る時なども、この本の概念をもとに作り上げることができたし、スピーチのテーマについても、そう。論評(トーストマスターズクラブのプログラムの一つ。発表されるスピーチへのフィードバック)を向上させる大きな要因の一つになってる。
     現在、新しいクラブの立ち上げで、発起人として他のメンバーとやりとりする際も、「今はコンセプトを語っている。今は幹(より抽象度が高い)ではなく枝葉(具象度が高い)の話をしている」などという「概念という世界における地図の見方」のような感じになってる。
     書き方も、専門用語にあふれることなく、且つ、各章ごとに個別事例(まさしく具象度を上げて読者に理解させやすく)を設け、理解しやすい形になっているのも、素敵。
     「人生のバイブル10冊」は、時折入れ替わることがあるのだけど、この本が入れ替わるのは、なかなか難しいのではないかなぁ。

  • 具体と抽象について、わかりやすく説明している。
    抽象度を上げるためでなく、他人の考え方、モノの捉え方を理解するためにも重要なエッセンスである。
    まずは具体と抽象を意識して考えようと思う。

  • 学生時代に具体と抽象の往復運動の重要性を理解出来ていれば良かったなと思いながら読みました。子供に読ませたい本です。

  • 前田裕二さんの「メモの魔力」を読んで、自己分析を進めるために読みました。
    前田さんの考えている具体と抽象をさらに一歩理解出来たような気がします!

  • さらっと読めるけど、とっても深い本でした。

    具体的なほうがわかりやすいと思われているけど、実はそうでもないことも多いとか、抽象レベルが違うと話がかみ合わないとか納得できることも多かったです。

    物事の本質をしっかりとらえられる人でいたい。

  • 【気になった場所】

    人間は具体性(わかりやすさ)を求めがち
    →連続的な変化を起こす
    →組織の成熟期に入ると求められがち

    抽象概念を扱うことの意義
    →発想力や理解力が向上
    →不連続な変化を起こす
    →破壊的にそれまでの弊害をリセットする
    →組織の衰退に備えて必要な能力

    人間の知性はほぼ抽象化によって成り立つ
    →複数のものをまとめて、一つのものとして扱う
    →言葉や数も抽象化によって生まれた

    例)
    「リンゴ3個」は、複数のリンゴをまとめて同じものとして扱っている

    具体と抽象の行き来を意識することが重要

    具体
    ・直接的に見える
    ・実態と直結
    ・一つ一つ個別対応
    ・解釈の自由度が低い
    ・応用が利かない
    ・実務家の世界

    抽象
    ・直接目に見えない
    ・実態とは一見乖離
    ・分類してまとめて対応
    ・解釈の自由度が高い
    ・応用が利く
    ・学者の世界

    抽象化とは
    =枝葉を切り捨てて幹を見ること
    =特徴を抽出すること
    →どんな特徴を抽出するかは目的次第
    →その他の特徴は切り捨てる
    →本質を捉えること

    言葉の物理せかと精神世界
    ・物理 目に見える世界で用いられる場合
    ・精神 比喩として用いられる場合

    例)
    諦めるという行為も抽象化した表現
    →実際にその人が諦めているか、周りの人の目には見えないため

    抽出化=パターン認識の能力
    →パターンを認識して、法則として活用
    例)一を聞いて十を知る

    関係性と個別の観点
    ・具体 一つ一つの事象をすべて個別に扱う
    ・抽象 それらをまとめて関係性や構造として扱う

    上手いたとえ話の条件
    ・だれにでもわかりやすい身近なテーマ
    ・説明しようとする対象とそのテーマとの共通項が抽象化され、過不足なく表現

    具体と抽象の線引きは、互いの関係性で成り立つ

    具体と抽象は、上下の階層構造を築いている

    例)
    斬新な商品や革新的な仕組みをつくるなら、多数の意見を聞くな
    →意見は多くは、目に見える具体的な部分しか見ておらず、表層的なものになりがち
    →イノベーションが生まれない
    →多数の意見は、改善点の吸い上げとして有効

    例)
    仕事の上流→下流は、抽象→具体の変換作業
    ・上流 個性や質を重視、抽象度が高い
    ・下流 組織や量を重視、具体性が高い

    斬新なアイデアの生み出す方法
    →アナロジー(類推)を応用する
    →関係性や構造の共通性の着目が重要

    抽象と具体の往復の重要性
    →一度具体を抽象化すると、固定観念となりがち
    →抽象化した概念を現在の具体に当てはめる

    例)
    ・抽象度が高ければ志が高い目標
    ・具体性が高ければ現実的な目標
    →具体レベルと抽象レベルを階層化し、つながった目標にすることが重要

    抽象レベルの鍛え方
    ・多種多様な経験を積む
    ・実際に経験してないことを疑似体験する
    例)
    本を読む、映画を観る、芸術に触れる

  • 読みやすく理解しやすい。短いのでさくっと読める。

    具体と抽象の往復。

    動物が、「学校教育」に血道をあげる人間を見たら、
    「そんな暇があるならエサを獲る実戦訓練をすればいいのに」と思うだろう。

    これはなかなかシニカルな言い回しで、現実のビジネスフィールドでも似たようなことを言ってしまう人は多いんではないだろうか。

  • 具体化、抽象化を学ぶための基礎を理解できる。

全44件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

細谷 功(ホソヤ イサオ)
ビジネスコンサルタント、著述家
1964年、神奈川県生まれ。東京大学工学部卒業後、東芝を経てアーンスト&ヤング・コンサルティング(クニエの前身)に入社。2009年よりクニエのマネージングディレクター、2012年より同社コンサルティングフェローとなる。問題解決や思考に関する講演やセミナーを国内外の大学や企業などに対して実施している。
著書に『地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」』『まんがでわかる 地頭力を鍛える』(共著)、『アナロジー思考 「構造」と「関係性」を見抜く』『問題解決のジレンマ イグノランスマネジメント:無知の力』(以上、東洋経済新報社)、『メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問』(PHPビジネス新書)、『考える練習帳』(ダイヤモンド社)、『具体と抽象 世界が変わって見える知性のしくみ』『「無理」の構造 この世の理不尽さを可視化する』『自己矛盾劇場 「知ってる・見えてる・正しいつもり」を考察する』(以上、dZERO)などがある。

「2019年 『入門『地頭力を鍛える』 32のキーワードで学ぶ思考法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

具体と抽象 ―世界が変わって見える知性のしくみのその他の作品

具体と抽象 単行本(ソフトカバー) 具体と抽象 細谷功
具体と抽象 Kindle版 具体と抽象 細谷功

細谷功の作品

具体と抽象 ―世界が変わって見える知性のしくみを本棚に登録しているひと

ツイートする