自閉っ子、こういう風にできてます!

  • 花風社
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感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784907725631

感想・レビュー・書評

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  • 世に出ている「自閉症スペクトラム」に関する多くの本は、自閉症でない人が傍から見て、「社会性や対人関係」についての問題を分析したようなものが多いが、そこには、当事者達が本当に困っている部分が語られていなかったことが、この本を読んでよくわかった。彼らの優れた感性や能力を生かし、活躍してもらうためには、まず、彼らの鋭すぎたり鈍すぎたりする身体感覚を周囲が理解して、サポートしたり環境を整えてあげることが大切だと思った。
    先日、ろう協会の講演で「ろうは、障害ではない。文化である。」と語られていたが、本当に「障害」とは、多数派の社会習慣の型に押し込めようとするから「障害」になるのであって、彼らをきちんと理解・尊重するならば、それは独自の文化を持っているのにすぎないのではないか、と改めて感じた。

  • ≪図書館≫
    まさに、異文化。目からウロコ。自閉症の人たちからみえる世界が垣間見れた。
    今までは、自閉症、ときくと、なんだか障害があって大変で、一種の病気という捉え方をしていた。
    でも、それはちがう。
    ちっとも病気なんかじゃない。
    かわいそう、っていうのもちがう。
    異文化なだけなのだ。
    そのことに気付かせてもらえた。
    他者理解のささやかなる1歩を踏み出せました。
    読んでよかった。

  • 兎も角ウソも遠慮もなくあけすけで、構えずに読めて面白い。
    自閉症の症状を見る角度によって、まるで違うモノに見えてくる様を見ることができる。
    自閉症度の高い人を多数派の常識に当てはめて矯正しようとすれば、無理が大きすぎてお互いを傷付け合うことになるけれども、もし取り巻く環境が自在性と対等性を高めれば水平思考の面白さを満喫できると思う。
    この二人の例え話や現象を説明する表現は遠慮会釈なく壺を突いている上に、発想がユニークで思わぬ納得にたどり着けて面白い。
    いささか「本当かよ!」と、オバーに思えるほど直球の言葉を選んで発信したり受取り方も鵜呑みで、情にまみれた言葉の持つ隙間や陰やウソや裏返しの表現を意に返せないらしい。疑うことや推測することを苦手とするらしい。

    現状の多数派支配の世の中がいかに歪んでいるかを見せてくれる面白い会話であるし、どうすれば皆が楽しく暮らせる世界を創れるかを暗示してくれているようにも思える。

  • 非常に読みやすい一冊。
    また、内容も当事者が語っているということもあり、非常に分かりやすいというか、イメージしやすい。対談形式で、当事者でない人も徐々に理解が深まっていく過程が見えて、一般的な誤解までつかめる。
    体への配慮をもっと注意深くしなければと勉強になった。

  •  自閉症の視点から書かれているので、何がわからないとか、どういう風に感じるとか、どういえば伝わりやすいとか、いろいろ考えさせられ勉強になりました。
     自閉症について、勉強したい方は、まず入門編として読まれるといいと思います。読みやすく、わかりやすいです。
     また、知識のある人も、時々読み返すことで、また、新たな発見や忘れていたことを思い出させてくれます。

  • 自閉スペクトラムについてとてもわかりやすく、明るく書かれている。言葉を持つアスペルガーの人は自閉という世界と定型発達の世界との懸け橋であり、語り部である。異文化コミュニケーションという表現がとても納得できる。すべてがマニュアルで動かさなければならない自閉スペクトラムの人の苦労は定型発達でオートマッチである人に想像もつかないような苦労があるだろう。その文化の違いも「ちょっとした配慮」で理解しあう関係が出来ると感じる。しかし、「ちょっとした配慮」は自閉スペクトラムと定型発達の世界の間だけに存在するのではなく、定型発達同士の関係にも存在する。異文化とコミュニケーションをとることも、同じ文化を持つ者とのコミュニケーションでも「ちょっとした配慮」は必要であり、相手を理解するところは変わらないと感じる。

  • 自閉症スペクトラムの人すべてがこうじゃないというのはもちろん念頭に置かなくてはならないけど、なんて感性豊かな人たちなんだろうって思った。

    見えているものや感じているものがこんなにも違う人たちがいるんだって、知ることが出来るだけで、世界が広がる気がします。

  • 対談本 目から鱗の話が色々あった

  •  自閉症の翻訳家と作家、そして「定型発達」の編集者による対談。
     そう紹介すると、なんとも深刻な本か、あるいはそういった勉強をするための本ってイメージを持つかもしれない。

     が、実際はとても楽しく、センス・オブ・ワンダーに満ちた本である。なんというか、将に目から鱗である。そしてすごく当たり前なんだけど祐樹をくれる言葉、「みんな違ってみんないい」って言葉をしみじみと思い浮かべる。

     ただ至極明るく普通に語られる会話の後ろに、考えなければいけないことがたくさん含まれていて、そういう意味でも、読んでいる自分自身について様々なことを発見する。

     うん。読んでよかったな、と心から思える本である。
    2007/8/27

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著者プロフィール

ニキ リンコ
 翻訳者。訳書にジェフ・ワイズ『奇跡の生還を科学する』(青土社)、キャスリン・アースキン『モッキンバード』(明石書店)、モリー・バーンバウム『アノスミア』(勁草書房)、アーヴィング・ケネス・ゾラ『ミッシング・ピーシズ』(生活書院)など。

「2023年 『塩とコインと元カノと シャドウライフ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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