俺ルール!: 自閉は急に止まれない

  • 花風社
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感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784907725655

作品紹介・あらすじ

自閉っ子のフシギな振舞いにはリッパな理由があった!自閉脳の奥深さに迫る爆笑エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 職場で先輩から貸していただいた一冊。
    自閉症の当事者である作者だからこそ日常をどのように過ごしているのか、どう感じているのかが分かりやすく描かれている。
    笑えるような失敗談も出てくるが、当事者の方からすれば笑えないような出来事である。

    「自閉は急には止まれない」

    何事に対しても全力以上に取り組める自閉症のことをさらに知りたいと思うことができた。

    本日、4/2は世界自閉症啓発デー
    この日にこの本を読むことができたことが何より大きい出来事だと感じた。

  • 自閉症スペクトラムについて興味のある人は、まずここから読んでもいいかもしれない。この本は自閉症スペクトラム当事者が作家に助けを借りながら書いた本。自閉症の人にとって世界はどのようなものなのかが非常によくわかる。ただし、自閉症といってもいろいろあって、この人は広義の自閉症のなかのアスペルガー症候群という分類に入る症候(知的障害を伴わないタイプの自閉症)の人なので、この人の書いていることがすべての自閉症の人に当てはまるわけではないって事には注意をしなければならない。私は何十人もの自閉症の人に会ったことがあるけれども、やっぱり人それぞれである。しかしながら、共通することも多い。なので、何が個性で何が共通項かを考えて読まなくてはならない。

  • 発達障害診断が出てからのひざびさの再読。
    関連書、特に当事者が書いた本は「私はここまで強くない」から「私は性格が悪いだけ、努力がたりないだけ」って思って、悲しかった。けど、これこそが想像力のたりなさだったかも。
    今は、程度の差はあれど根っこは同じなんだ、と思って。
    だから、あるあるー!って、共感したりぐすりと笑ったり。

    『スルーできない脳』と同じく、ニキさん「だけ」が書いてる本だから、それもまた楽しいし読みやすい。

    文章力のある人に、自分のことを説明してもらって、それを目からインプットして、自分の理解をさらに深める、ユーモア交じりで。
    そういう本の一つ。

  • なるほどな~の世界。
    「都民だけど、区民じゃない」
    アスペルガーと自閉症をこんなふうに考えるのね。。
    確かに~。
    そして、発達障害特性を持つ人のことを、わかりやすく
    私たちに伝えてくれる。

  • 幼い頃から、周囲に馴染めない感覚を持ちながら生きていた翻訳家のニキ・リンコさん。
    30代になってはじめて、知的遅れをともなわない自閉症「アスペルガー症候群」と診断されます。

    ニキさんは、自分の過去を振り返り、周囲の人たちに言われたことを自分なりに解釈し、「俺ルール」を作って思考行動していたことに気づきます。
    これまでに経験した事例のひとつひとつからどうやって「俺ルール」が生成されていくかを事細かに検証したのが、この本です。
    アスペルガーや自閉症の人の頭の中で、どんなことが起きているのかを、教えてくれます。

    「なるほど、そう説明されると、よくわかる」と思ったのが、一度に視野に入る部分が狭いために、つねに少ない情報量をもとに、判断をしなければならないということ。

     こんな想像をしてみてほしい。
     硬めの紙を切り抜いて、活字六文字分の穴をあける。活字といっても大きさがいろいろだが、たとえば、横三ミリx縦一八ミリにしようか。
     今日は一日、新聞も雑誌もこの紙を通して見なければならないとしよう。
     ただし、紙は自分で動かしていいし、縦横を自分で変えてもいい。

    全体が見渡せないことを想像すると、気持ちが不安定になりそうです。
    まして、他の人には全体が見えているのに、自分には見えていないという自覚があると、イライラすることもあるかもしれません。

    新聞のテレビ欄では困らないと、ニキさんは言います。
    困るのは、系図やデパートのフロア案内、地下鉄の路線図など。
    これはなんの情報か、あらかじめ教えてもらっていれば、情報処理はぐっとやりやすくなるようです。
    さらに、全体の中でいま、どこにいるのかということがわかると、安心できるのだそうです。

    アマゾンで本を買って、ショッピングカートからレジに進むと、

    「サインイン→宛先→商品確認→ギフト→配送→会計→確認」

     というチャートが淡い色で示され、いまは手順がどこまで進んでいるか、記号と色で強調される仕組みになっている。

    このシステムがとてもありがたいのだそうです。
    「いちいちページが変わるの、面倒くさい」と思っていた私は狭量でした。
    あれは、誰でも使えるユニバーサルデザインだったんですね。

    アスペルガーや自閉症の人が見ている世界が、少しだけわかりました。

  • 「大人の発達障害」より、発達障害の人の気持ちが分かるようになるかも知れない本。
    いやこれ生きていくのだけでも大変でしょうと思う。こういった本を出すだけでも偉業ではないかと。
    しかし、ボタンのかけ違いみたいなことが、可笑しかったり、残念だったり色々だなと。
    なかなか気づいてあげるのは難しそうですが、、、

  • 300307931  916-ニキ

    この作者はアスペルガー症候群です。
    この本に書かれている作者の幼いころの言動や行動は意味不明だったり、ふざけているように見えたりしますが、別にふざけているわけではありません。
    定常発達の人とは違う認知特性を持つために、はたから見ればおかしな「俺ルール」を作り、それに従って行動しているだけなのです。
    この本は自閉症っ子(広い意味での自閉症)の頭の中が作者の経験を通してよくわかります。

  • 自閉症の筆者の体験がわかりやすく書いてある

  • 916

  • 読みやすい。自閉症の人ってどう考えてるの?をざっくり読むには良さそう。

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著者プロフィール

ニキ リンコ
 翻訳者。訳書にジェフ・ワイズ『奇跡の生還を科学する』(青土社)、キャスリン・アースキン『モッキンバード』(明石書店)、モリー・バーンバウム『アノスミア』(勁草書房)、アーヴィング・ケネス・ゾラ『ミッシング・ピーシズ』(生活書院)など。

「2023年 『塩とコインと元カノと シャドウライフ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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