ロハスの思考 (ソトコト新書)

著者 :
  • 木楽舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784907818715

作品紹介・あらすじ

ロハスの思考は新しいライフスタイルへのパラダイムシフト。

感想・レビュー・書評

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  • 新しい時代を生き抜くために。坂本龍一×生物学者・福岡伸一が世界を読み解く | J-WAVE NEWS
    https://this.kiji.is/688949945780503649?c=516798125649773665

    ロハスの思考 - 木楽舎
    http://www.kirakusha.com/book/b213457.html

  • 2021年の今読んでも、新しく感じる。
    自分が印象に残った3つ。

    ⚫物質循環
    生物の基本骨格は、炭素。
    由来は、二酸化炭素。
    二酸化炭素⇒炭素にしてくれるのが「植物」
    その際に使うエネルギーが「太陽エネルギー」

    ⚫動的平衡
    生物とは、物質循環の流れに開かれているもの
    =物質がでたり入ったりする。
    そして、生物と環境は動的平衡の中にある。

    ⚫界面作用(エッジエフェクト)
    界面には、面白いことが起こる。
    生態学的…砂漠と森の間に、サバンナ
    地政学的…ドイツとフランスの間に、ロレーヌ地方

  • ロハスという言葉でイメージするのは、スローライフや癒しだが、本書では主に食について書かれている。
    つまり、スローライフや癒しの行きつくところは食ということであろう。
    分子生物学者独特の視点は、面白く、いつものことながら分かり易い文章であった。

    あとがきにある著者にとっての「ロハスなこと、とは」
    1 動的平衡を乱さないこと
    2 エントロピーをいたずらにふやさないこと
    3 エネルギーの収支を考えること
    4 元素の循環を阻害しないこと
    5 光と緑を大切にすること

  • ロハス(LAHAS)とは、健康と持続可能性に配慮したライフスタイルのこと。

    ロハスなもの
    1形だけでなくプロセスが見えるもの
    2適正手続きが確保されたもの
    3価格の理由が説明できるもの
    4安全、安心が価値に含まれるもの
    5組成、素材がわかるもの

    ロハスなひと
    1時の流れに抗わないひと
    2急がない、急がせないひと
    3サプリメントなんていらないと思えるひと
    4牛肉は地球に負担をかけていると思えるひと
    5一番大切なのは納得だと思えるひと



    勉強:直感に頼るな。つまり私たちは直感が導きやすい誤謬を見なおすために、あるいは直感が把握しずらい現象へイマジネーションを届かせるためにこそ勉強を続けるべきなのである。それが私たちを自由にするのである。

    地球温暖化:環境危機をあおってはいけない

    携帯電話:SAR値とは携帯電話が脳組織に対して一定時間にどれぐらいの電磁波エネルギー量を与えるかを示す値。日本では法律で2.0W/kg以下と決められいる

    水:クラスターとはいくつかの水分子が結合した状態だが。健康にいいかどうかは不明
    トルマリンが有害物質や臭気を除去することはない。
    πウオーターが一体物質であるのか明解な定義はない。

    ロハスは大事だが、嘘の宣伝も混じっている。

  • (2013.07.31読了)(2012.10.19購入)
    ロハスというのは
    Lifestyles Of Health And Sustainability の頭文字 LOHAS で
    健康と持続可能性に配慮したライフスタイル
    のことなのだそうです。

    【目次】
    はじめに
    ロハスの基礎知識
    懐かしい言葉を探そう
    食について考える
    トーク・ウィズ
     坂本龍一/ヨーヨー・マ/レスター・ブラウン/
    モーガン・スパーロック/田中康夫
    あとがきにかえて

    ●直観に頼るな(17頁)
    私たちは、直感が導きやすい誤謬を見なおすために、あるいは直感が把握しづらい現象へイマジネーションを届かせるためにこそ勉強を続けるべきなのである。
    ●ウイルス(36頁)
    ウイルスとは生物だろうか? 生物とは自己複製するものである、という定義にたつとウイルスは自分をコピーして増やせるので立派な生物といえる。ただし、ウイルスは自律的には増えることができない。コピーは宿主の細胞の中に入っていろいろなシステムや装置を借りてはじめて可能となる。
    ●腐敗防止(56頁)
    ソルビン酸は〝疑似餌〟である。微生物はこの疑似餌を本物の餌と間違えて取り込み、その結果、増殖に必要な代謝プロセスがブロックされる。それによって腐敗の進行がくい止められるのである。すべての薬は毒であり、すべての毒は薬となる。
    ●ヒートアイランド(68頁)
    夏がかくも暑くなったのは地球温暖化傾向の表れではない。部屋の温度を数度下げるために外気にはそれ以上の熱量を放出する必要がある。無制限な電力消費による空調が都市部のヒートアイランド化をもたらしていることは疑いがない。
    ●遺伝子組み換え(76頁)
    (遺伝子)組み換え作物と品種改良が同じだとする議論には時間の観念が抜け落ちている。長い時間の中で自然はその平衡点を見出す、それを私たちは自然だと感じる。
    ●電磁波(142頁)
    SAR値とは、Specific Absorption Rate の略で、携帯電話が、脳組織に対して一定時間にどれくらいの電磁波エネルギー量を与えるかを示す値だ。機種によってSAR値は異なり、もちろんこの値が小さい機種ほど、脳に対するエネルギー的な干渉も小さくなる。
    ●消化システム(150頁)
    私たちの食べ物はどんなものであっても、もともとは他の生物の一部であったものだ。したがって、そこには他の生物の身体を構成していた〝情報〟が残されている。このような情報が直接、私たちの身体に侵入してくると、情報の干渉や混乱が起こることになる。そこで私たちは消化システムによって、他の生物が持っていた情報を完全に解体してから身体に吸収するようにしているのだ。

    ☆7月のテーマ(福岡伸一を読む)
    「フェルメール光の王国」福岡伸一著、木楽舎、2011.08.01
    「もう牛を食べても安心か」福岡伸一著、文春新書、2004.12.20
    「プリオン説はほんとうか?」福岡伸一著、ブルーバックス、2005.11.20
    (2013年8月1日・記)
    (「MARC」データベースより)amazon
    ロハスの思考は、新しいライフスタイルへのパラダイムシフトである! ロハスな考え方をするために必要な、様々なヒントを提示。坂本竜一、ヨーヨー・マ、レスター・ブラウンら著名人との、ロハスをめぐる対談集も収録する。

  • 意識的にロハスという言葉について情報を得ないように過ごしてきたので(調べること自体なんか恥ずかしいという感覚)、この本で初めて意味やそれが頭文字をとった米国由来の単語であることから知りました。
    Lifestyles Of Health And Sustainability 健康と持続可能性に配慮したライフスタイル。
    ブームで終わらせないために…と書かれている2006年の本だが、もうそのブームすぎた感強いね。残念ながら読むの遅すぎた。
    酸化する炭素を、再び還元する緑を大切に。炭素は有限で、それをぐるぐる地球全体で使っているのだ。持続可能性に重点を。人間も地球の中の一つ、という感覚。「動的な平衡」を意識する。食べ物にしろなんにしろ、部分としてとらえるな。それは体の中であまねく分解され、また再び捨てられるものだ。
    なるべく自分から遠い種を食べろ。共食いが伝達性スポンジ状脳症を引き起こしたのでは? というか、病原体はファストな場所でより進化・繁殖する。
    時間を飛ばす気持ち悪さ。我々の遺伝子は進化の過程を全て編み込まれている。完全な検証ができていないうちに遺伝子組み換え食品を口にしたくないという感覚。
    自分が何を口にしているか、それがどういう過程で作られたか、見える物、分かる物を口にしよう。

    食人をなぜ自分が本能的に嫌がっているのか、どうして猿人類はまずそうに見えるのか、ようやく理解できた気がする。ずっと疑問だったので嬉しい。
    水には同意できなかった。それこそが消費拡大っていうかじゃないの、そういうのが嫌だからこの言葉から離れていたんだと思いました。
    でもエコとかはちょっとちゃんとやろうと思いました。
    最後のほうの対談は関係ないんじゃとも思わなくもないが。
    あとp.246の「演繹に相反する機能的」の機能は帰納の誤植ですよね。
    なんかそんな散漫さを反省したのかは知れませんが、あとがきにロハスとはつまり:みたいなまとめが箇条書きされているので、彼のロハス定義を知りたい方はその数ページだけ読めばよろしい。

  • この人の本はどれも面白い。
    この人の本だから、全く興味のない「ロハス」についての本書を読んでみたが、やはり面白い。

    ロハスの考えというのものは、
    自分の行動を劇的に変えるきっかけにはならないものの、
    何か買うときなどに良い指標となると思う。

    持続可能な社会というイメージしにくい大きなものではなく、
    自分の身の回りから、自分自身の身体のために良いものを選び、
    いたずらにエントロピーを増やさないことがロハスに繋がる。

  • LOHASとはLilestyles Of Health And Sustainability の頭文字。健康と持続可能性に配慮したライフスタイル。しかし、この言葉も一時の流行に終わりそう。アメリカは未だに大量消費文明を享受している。

  • 雑誌などに書いた文を集めたものなので身近でわかりやすい話題が中心。対談などもう少し読み応えが欲しいところ。

  • エコから最終形ロハスへ

    エコや食品安全などに関して関心が高まる中
    果たしてどんな生活が私たちにとって良いものなのか
    単なる便利さだけで利用すれば自然からのしっぺ返しがあり
    それがただ事では済まされない
    そのしっぺ返しにタイムラグがあるため
    甚大な被害を巻き起こして気づかされることも
    何をもって私たちは豊かな暮らしを送れるのか
    今一度考え直してみる必要がある

    「ロハス」(Lifestyles of health and sustainability)という
    考え方はそんな中に健康と持続可能性に配慮した
    ライフスタイルとして紹介されている
    健康に配慮し自然の食品を食するというような事は
    これまでもなされてきている
    しかしながら「持続可能性」が配慮されていなければ
    それらが本当の人間を含めた地球にとって優しい環境には
    なりえないことを痛感させられる
    「ロハス」は私たちが追求しなくてはならない
    ライフスタイルではなく、エコスタイルなどの過渡期を乗り越え
    私たちが落ち着くべき今後の長きに渡って地球上で
    暮らしてくライフスタイルの最終形ではないかと
    思わずにはいられない

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著者プロフィール

福岡伸一 (ふくおか・しんいち)
生物学者。1959年東京生まれ。京都大学卒。米国ハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授などを経て、青山学院大学教授。2013年4月よりロックフェラー大学客員教授としてNYに赴任。サントリー学芸賞を受賞し、ベストセラーとなった『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)、『動的平衡』(木楽舎)ほか、「生命とは何か」をわかりやすく解説した著書多数。ほかに『できそこないの男たち』(光文社新書)、『生命と食』(岩波ブックレット)、『フェルメール 光の王国』(木楽舎)、『せいめいのはなし』(新潮社)、『ルリボシカミキリの青 福岡ハカセができるまで』(文藝春秋)、『福岡ハカセの本棚』(メディアファクトリー)、『生命の逆襲』(朝日新聞出版)など。

「2019年 『フェルメール 隠された次元』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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