世界中の青空をあつめて

著者 :
  • キノブックス
3.72
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本棚登録 : 209
感想 : 44
  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784908059230

作品紹介・あらすじ

祖父母の手紙を通じて出会った二人は、かつて少年少女だった5人の、叶わなかった夢のその先を探す旅に出る-。1964年、東京。そこには確かに5人の"約束"があった。「デビクロくんの恋と魔法」「100回泣くこと」作者が描く、大人の"あわキュン"小説誕生!

感想・レビュー・書評

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  • ★3.5
    1964年東京。
    そこには確かに5人の〝約束〟があった。
    祖父母の手紙を通じて出会ったり二人は、かつて少年少女だった5人の、
    叶わなかった夢のその先を探す旅にでるーー。


    東京で挫折し、愛媛の実家で無為な生活を過ごす和樹。
    2020年のオリンピックが東京に決まった時、
    寡黙な祖父から、糊付けされたままの一通の古い封筒を預かる。
    ーもしもオリンピックが東京に決まったら、この封筒を開けてください。
    開くと中から古い写真が二枚と、「ーコーチへ。わたしたちの約束をここに埋めました。
    オリンピックの年に一緒に掘り起こしましょう」と書かれた手紙が入っていた。
    祖父の〝果たされなかった約束〟を探しに東京へ向かった和樹。

    手紙に書かれてた5人の中学生の捜索や埋められた場所は、やはりなかなか見つけられない。
    しかし、偶然出会った麻帆が、その内の一人の孫だった…。
    二人は埋められた手紙を発見し、届ける旅に出る。
    6人の辿った歴史を知った二人はある行動を起こす。
    果たされなかった約束を果たす為に…。

    プロローグから心身ともに疲弊した和樹の姿が描かれていて、
    和樹の抱える傷が何なのか気になりながらよみました。
    過去の出来事が明らかになった時、和樹凄い!って思った。
    あの祖父の孫だからこそ、最後まで逃げなかったんだねって思った。
    愛媛での日々と、東京で出会った様々な人や旅が和樹の過去の傷も乗り越えてた。

    新しい物語をもてたとき、人間は立ち直る。
    新しい物語や、新しい約束をもてた時、人間は復興する。
    どんな過去だって、新しい物語の始まりになるから。
    バーを越えられなくたって、その先には行けるんだね。

    優しくて爽やかなストーリーで、登場人物も皆、魅力的だった。
    とても、温かい気持ちになりました。

  • 中村航さんの独特の言葉のセンスが隅々から漂ってくるだけで癒されました。青春と呼ばれる時間の、大人になってからは感じることのできない暖かさやむず痒さを思い返す老人たちの描写が大好きでした。祖父の言葉の重さに元気をもらって、読み終わった後にはすっきりとした気持ちになれる本でした。

  • 歳をとってもつながりは、大切。

    タイムカプセルをしたくなりました。

  • ① この本を選んだ理由
    図書館でタイトルに惹かれて手に取りました。


    ②あらすじ 
    未来をなくしてしまった主人公藤川が、田舎でダラダラと過ごしているところに、祖父宛の手紙をみつけ、物語がはじまっていきます。祖父のかつての教え子たちの未来に向かっていく姿勢に、藤川も同調していきます。


    ③感想
    とてもいい作品でした。

    歳をとったときに、なんのために生きてるんだろう…と思う疑問を取り除いてくれる作品でした。

    また、2021年に延期になった東京オリンピックに対して、もう中止にしちゃえばいいのにと思ってましたが、そこに多くの夢が存在していることを考えるきっかけになり、今の時期この本を読むと違った見方ができる作品だと思いました。

    時を超えた世界に引き込まれて、心動かされるシーンが多くありました。


    ④心に残ったこと
    「戻る場所」なんて、意識したことなかったから、場所について考えるきっかけになりました。また、「目標を持ち続けること」の大切さと、コミュニティの大切さを痛感しました。

    読み終えて、「いつまでも、いつまでも」を人生の一つのテーマにしてみようと思いました。自分の限界に挑戦するという言葉が、とても心に残ります。


    ⑤登場人物
    藤川和樹
    藤川政夫

    武居麻帆
    武居美代子

  • 始めて中村航さんの小説を読んだ。
    心温まる一冊だった。
    まず主人公、そして主人公の祖父の義理難いがゆえの後悔がなんとも悲しく、かっこ良かった。

  • 2年ぶりの中村航さん、いつもの如く一気に読了。
    最近、善人ばかりが登場する暖かいだけの話に食傷し、小路幸也さん、森沢明夫さんなど休読(?)中なのですが、その反動か中村航さんに手を出してしまいました。中高生向きのBoy meets girlというイメージが強い中村さんなので、好きだというとちょっと照れるのですけどね。
    主人公もヒロインも社会人で、脇を固めるのが前の東京オリンピックを成人として迎えた高齢者たちと年齢層は高めですが、この作品もいつもの中村さん。潰れかけた主人公が、周りの支えも受けながら前に進み始める。そして周りの人々も新たな一歩を踏み出していく。
    とても素直な(特徴が無いとも言えますが)文体で綴られる気持ち良い話。手が止まらなくなって丸一日で読了です。

  • 武蔵野大学図書館OPACへ⇒ https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000140332

  • 仕事に挫折して田舎へ。オリンピックをきっかけにおじいさんのかわりにある約束を探しに東京へ。少し泣けて面白かった。2018.10.17

  • 2018/08/21読了


    ほっこりした。
    ほのぼのとしたお話だけど、ある意味「救い」だとか「再生」の物語。
    かつての青春を大切に地面に埋めて、そこから旅は始まり
    昔の友情、恋、生き方なんかもジワリと染み出てくる。
    それは、ズタボロになった和樹すらも、救うこととなる。



    旅の過程やご老人の会話の中に
    やっぱり独特でふっと頬が緩む中村航リズムがある。
    読んでいて楽しくなってくるのも、好きなところ。


    孫世代の二人が旅の連れとなるけど、弱みを見せあう「同志」になり、「ぞな、もし」恋とか、パートナーとかに簡単にならないのもいいよね、っていう視点。



    描きおろし作品なのか。
    オ・モ・テ・ナ・シの発表があってこの作品が描かれたのだろうか
    こういう巡礼のような物語は大好きだ。
    読めてよかった。読みやすかったし
    表紙の写真も含めて、めちゃくちゃ好きです。

  • 主人公の祖父が取り出したひとつの手紙には、約束を埋めたと書いてあった。
    その約束とはコーチと当時の中学生5人でオリンピックをするということ。
    それをきっかけに、人が動きだし、繋がりはじめる。
    とてもさわやかでいいお話しでした。
    人は何がきっかけで変わるかわからない。

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著者プロフィール

1969年岐阜県生まれ。2002年「リレキショ」で文藝賞を受賞しデビュー。芥川賞候補作『夏休み』のほか、『100回泣くこと』(ともに集英社文庫)『僕の好きな人が、よく眠れますように』(角川文庫)『トリガール』(角川つばさ文庫)や『100年後に読まれる名作(11) オズの魔法使い』(KADOKAWA)など著作多数。

「2020年 『鬼ガール!! ツノは出るけど女優めざしますっ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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