感想・レビュー・書評

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  • 煙草に一家言ある物書きはやはり面白い。

  •  たばこの紅葉ってのは、煙にあるんじゃないだろうか。ユラユラ、モクモクと動く煙を見ているうちに、無意識に心が解放されていくんやね。僕は実際に験したことがあるんだ。暗闇の中でたばこを吸ってごらんなさい。味も何もしやしない。第一、吸う気にもならない。
     心が解放を求める時、反対に言えば心が極限状態にあるときほどたばこに手が伸びていくんやね。だから小説家なんて酒とたばこと妄想の日々よ。(p.11)

     たばこを喫まず、酒も飲まず、野菜ばかり食べてジムへ通う。そういうつるんとした人々の姿が浮かぶ。彼らはそれを「ナチュラルライフ」と呼ぶ。即ち自然的人生であると。なるほど、けっこう。で、何のための人生なのですか。健康に生きるために健康に生きる、その健康な人生は何のためのものなのですか。
    「生きているから生きている」、そう言えるようになった時、人は本当に健康になるのではなかろうか。(p.124)

     ナチズムがそうであったように、ファシズムは人の正常な判断力を失う。
     分煙すれば良いのに全て禁煙にする。
     車が排気ガスをばらまくのは許すが、人が道路で煙草を吸うのを禁じる。
     煙草の税金で助けてもらっているのに、JRは列車の車両を全て禁煙にする。
     全て常軌を逸している。
     アメリカが禁煙運動をエキセントリックに叫ぶのは排気ガス、他の煙公害を誤魔化そうとする大手産業界の圧力によるものと僕は密かに思っているのだが、それが庶民のささやかな自由をここまで弾圧・差別するのは自由の国家のすべきことではない。
     行政・企業あらゆる人々が、アメリカン・ファシズムに追随し、ナチ化していることに気づいていない。(pp.160-161)

  • 「喫煙者の言い訳集」ですね、これ。
    中には非喫煙者のコメントもありますけど。

    見苦しさ満載で、そこが面白い、という人もいれば、つまらない、という人もいるのでしょうね。

    自分は非喫煙者ですが、この本を読んで、「100歳まで生きれたら、煙草を吸ってみよう」という気になりました。
    もし、それができたら、「喫煙開始の世界最高齢でギネスに申請」とかできますかね?
    というか、そもそもそれまで、煙草は存在してますかね?(合法ですかね?)

  • 愛煙家(この言葉自体がなつかしい)の作家逹による煙草のエッセイ。
    なぜか、禁煙なんて簡単だとおっしゃるかたが多いのに笑ってしまう。私自信は煙草は吸わないが、人が煙草を吸っているのは少しも気にならない。むしろ、おいしそうに吸っているのを見るのは好きだ。そう言うと、ほとんどの人に驚かれる。そんな私がこの本を読むと、たいへん面白かった。
    でも、やっぱりもうすぐ絶滅するのかなあ?

  • 豪華執筆陣ですねぇ、、、
    筑摩から出ていた「燐寸文学全集」文庫にならないかな?

    キノブックスのPR(版元ドットコム)
    芥川龍之介から筒井康隆、内田樹、いしいひさいちまで。作家と煙草、異色のアンソロジー。ユーモアとペーソス溢れる作品群。
    http://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784908059872

  • 喫煙は中毒で病気のひとつとも言える。が、性癖のようでもある。フェチズムだ。とはいえ犯罪者のように白い目で見られる現代、そのフェチズムはもはや一般社会から疎外される変態行為に近いものがある。そんなマイノリティ、愛煙家たちが織りなす個々の煙草物語。喫煙者をただただ狂信的に嫌悪する人々には読むことすら難しいだろうが、彼らを一種の動物、もしくはそういう風に生きることが決まっている宿命の人、として客観的に喫煙者の生態を観察するとしたらなかなか充実した短編のラインナップであり図鑑であり歴史的な一作ではないだろうか。

  • たばこのみなので、気持ちがよくわかった。

  • ベストセラー作家でも、愛煙家は肩身が狭い……
    もはや絶滅寸前のたばこ飲みたちが、たばこへの愛、喫煙者差別への怒り、禁煙の試みなどを綴ったユーモアとペーソス溢れる作品群。年々強まる嫌煙社会へ一石を投じる? 芥川龍之介から筒井康隆、内田樹、いしいひさいちまで。
    作家と煙草、異色のアンソロジー。(アマゾン紹介文)

    煙草で体を壊した身からすれば、特に前半の方々の元気の良さは羨ましい限り。なんともなければ続けてただろうしなぁ…。
    ただ、「何も考えていない」だの「禁煙の始まりはファシズム」だの、強い言葉は白けてしまう。

  • 時代がバラバラなエッセイとして書かれた煙草についての作家の見解。
    この本自体は2018年の再編集版といった感じだがせっかくだからそれぞれ書かれた年代についてもタイトル下にでも書いておけばよかったのに。
    巻末にはあるけど、隔世の感があって面白いと思う。
    基本的にタバコを吸ってる言い訳集。
    煙草を吸うの好きな人だからすぐもしくは吸える人だから吸っているので吸っていない人は受け付けない体質の人なのだからその前で吸うのは嫌がらせであるという風に自分でわかっている人がいて、止められないということはやはり依存症だなと思った。
    今では完全に依存症という病気という扱いだしね、保険適用で禁煙の治療ができるっていう段階で。
    そしてタバコのゴミが減ったと言うが結局いまだに外でゴミ拾いをするといまだにタバコのゴミが一番多い気がする。
    昔はもっとひどかったのは確かに思い出せるけど。
    失明か喫煙かであっさり禁煙した人がいて他の作家さん達はどのくらい失明を選ぶのかが気になった。

  • タイトルは「もうすぐ絶滅するという紙の書物について」へのオマージュか、芥川龍之介から いしいひさいちに至るまで、煙草に関するエッセイを集めたアンソロジー。

    タイトルにある通り、現代日本において煙草は絶滅寸前。まあ、喫煙者のマナーの悪さが嫌煙、禁煙、その条例化に至った結果なので、自業自得と言えばそれまでなのだが、紙巻煙草や煙管、パイプ、葉巻といった文化が、自分の生きているうちに目の前で失なわれていくのは、少し哀しい気持ちがするものだ。

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著者プロフィール

1892年(明治25)3月1日東京生れ。日本の小説家。東京帝大大学中から創作を始める。作品の多くは短編小説である。『芋粥』『藪の中』『地獄変』など古典から題材を取ったものが多い。また、『蜘蛛の糸』『杜子春』など児童向け作品も書いている。1927年(昭和2)7月24日没。

「2021年 『芥川龍之介大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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