女って何だ?

著者 :
  • キノブックス
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本棚登録 : 181
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784908059926

感想・レビュー・書評

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  • カレー沢先生の類い稀な自虐センスが好き。
    若い頃の乙一以上。
    「私なんか」を笑いに包み圧倒的な語彙力で表現する。
    そこには悲壮感は感じられない。
    このコラムは「女の苦手な女」を斬る、というか、ディスる、という、一見女性誌にありがちなものだが、カレー沢先生が書くと一味違う。
    一方的にディスるだけだと、「で、それを言っているアナタ(書き手)とワタシ(読者)はどうなんだ?」と疑問が沸いて来る。
    でも、褒めるとこは褒めて、羨むところは羨むというバランス感覚の良さが、ただただ読者の溜飲を下げるだけでない、良質のコラムにしていると思う。
    自分を省みるきっかけにもなる。
    ~系、~女子、~女、と仕分け区分けされているけど、大抵の女はいろいろなカテゴリを横断縦断しているものだ。
    お互いを鏡だと思って、排除し合うことなく穏便にやっていけたらいいと思う。と、相手方も思ってくれるかというと謎だが。

  • 現在の生活環境があまりにも他人と接しない環境で、
    「これ、まずいよね?」と思っております。
    仕事はテレワークなので、職場の人と会話することが極端に少なく(チャットで済む)日常なのです。
    保育園の送り迎えの際は、人と会ったら必要最低限の挨拶のみ。
    一日を振り返ると、今日会話したのって夫と子供(たまに実家の母と電話)だけだった、みたいな日がほとんど。
    何の刺激もないぬるま湯の人間関係に身を置いているのですが、来年、娘の卒園の年になると卒園児の母親が集まって卒園の準備を行う必要が出てくるのです。
    半年後の話なのですが、今からかなり憂鬱。
    「他人(主に女性)とどうやって接すればいいんだっけ?」
    もはや人との付き合い方が分からなくなっている。
    ぬるま湯の人間関係を抜け出した時、どれだけダメージを受けるのか、ある程度勉強しておく必要(心の準備)があると思い、こちらの書籍を読みました。

    思いのほか、激しく共感する箇所が多かったですね。
    特に下記のくだり。
    ”「誰とでも広く浅く当たり障りのない会話をする能力」がないことに対するコンプレックスは、年を取ってからの方が強くなる”(抜粋)

    現在、この状況に陥ってます。
    正直、職場やママ友(友というほど仲良くないが)と深い人間関係を築きたいわけではないのです。しかし、その場を乗り切る為には、「誰とでも広く浅く当たり障りのない会話をする能力」が必要になってくるんですよね。
    長年悩んでいますが、未だに解決方法が見つかっておりません。
    ホント、何話したらいいの??

    昨年度、PTAの集まりがありましたが、ホントに困った。考えた末にやったことは、口角を上げ気味でうなずく。これをひたすら繰り返してその場をやり過ごしました。
    (苦行の1つと思って対応した)
    終わった後の顔面の疲れ具合はご想像にお任せします。

    技術的な解決策を未だに編み出せない私は、精神論で解決するしかなさそうです。

    ”何事も「その場しのぎ」と思えば大分楽になるものである。”(抜粋)

    1時間/365日(年)を使ったと思い、長い人生のたった1時間だけの事だと自分を慰めるのが、思いのほか効果がありました。
    「まあ、(人生に嫌なことがあるのは)しゃあねぇか」って気持ちになります。笑

  • 聖い書だ。カテゴライズされる愚かな女たちを嘲笑ってやるつもりで読みはじめたが、すべての女が愛しくなった。これがメシアの力かよ。完敗だ、ありがとう……

  • この本は良い、本当に良い、この本は本当に良い。★15個くらいつけていい。
    女性のあれこれを書いた本で「女子をこじらせて」
     https://booklog.jp/item/1/4780801729が有名だが(そちらもとても好き)、本書も、女性のあれこれを楽しく痛く辛く優しく書いており、タッチは全く違うのに近いものを感じる。
    カレー沢センセイ十八番の自虐的なギャグテイストを貫きながらも、「なんだか生きづらいなんだか」をしっかり表現していて、そして最後にパンドラの箱が如く「ちょっと頑張ってみよう」という前向きな読後感を提供してくれる。
    特にラスト3本のコラム。これは全人類が読むべき。人外もぜひ読むべき。

  • 相変わらずカレー沢薫さんは面白いです。
    例えが痛快。

  • もうなんといっても、カレー沢さんの表現能力がすごい。かなりの毒舌もここまでくると芸術なんじゃないかと思うくらい。

  • 女性の分類と女性の生きにくさについてまとめたエッセイ。
    ちょくちょく形容される担当氏が面白い。
    一体どんな人物なのか、とても気になる……。

    そして相変わらず、面白く読めるのに、読み終わってから感想を書こうとすると「どんな本だっけ?」となってよく思い出せないという。
    これもある種の才能なのか。

  • 電車の中で読むのに注意を要する、漫画以上に面白いコラム集。
    楽しく読ませていただきました。

  • 前半は、〇〇系女子の属性についてまとめられており、後半は女同士の関係性について、何とも炎上しそうな繊細なネタをユニークに綴られている本書。
    カレー沢さんはオタクなのか、ネタがマニアックなこともありますが、このような本を手にとってしまう年齢だったらだいたいわかると思います。
    前半の女子のカテゴリ、絶対どれか当てはまると思いますよ。女はまぁ、どっちにしろキラキラしてても角が立つので、生きづらいですがそれに対して肩の力を抜ける内容になってます。身の程を知るにはいい本です。わかりみー、って思いながら読みました!

  • めちゃくちゃ楽しみにしてたカレー沢先生の最新刊。
    女による女のための女って何だ?という本です。
    「女が苦手な女」と称した女図鑑、担当のディティールが細か過ぎて怨念に満ちていて笑える。イカれた地獄を紹介するぜ!
    キラキラするには電力がいる。うん、疲れそう。私もたしかにすぐ電池が切れるタイプ。
    あと「最近の女たちはスーパーでいつのまにかお菓子売り場に移動している子供のごとくちょっと目を離したすきに自分を探しに行ってしまう」もやばい。心当たりありすぎてしんどい。
    そうなのよ、女を◯◯系と分類したところで結局女の精神構造はほぼ横並びというか、女ほぼ全員の心に巣食っていると言えるのだよ。地獄の反復横跳び。

    最後にはなんということか女の生き方についても深く考えさせられた。女には役割が多すぎる。しかも場面場面でその役割を100%で全うすることが求められる。しんどいわ。どこにいても厳しい。
    でもまあ女としてやっていくしかないんだから、「せっかく女に生まれたんだから」とポジティブに反復横跳びをくりかえして疲れたら休んでそうやって生きていこう。

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著者プロフィール

時は2009年。モーニング(講談社)主催の漫画新人賞「MANGAOPEN」に本名・無題で応募し落選した作品が、カレー沢薫『クレムリン』(ともに本人命名 講談社)に変容を遂げ、月刊モーニング・ツー(講談社)でほぼ即連載となり、漫画家デビューを果たす。ほどなくコラム『負ける技術』(講談社)も連載となり、コラムニストとしてもデビューを果たす。以来、雑誌やウェブに連載超多数、本数未詳の大車輪で体力を使い果たす。最長不倒連載作品は開始以来すでに10年を超えた東京都写真美術館広報誌別冊「ニァイズ」。なお、本作『ひとりでしにたい』はコミックDAYS(講談社)にて、隔週日曜正午の更新時刻に「いいね!」数が爆増しTwitterのタイムラインが歓喜で満ちる好評連載中。第24回(2020年度)文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞。なので図書館とか一家に一冊とかそんな感じで置いていいお墨付きもありますよ。安心してお読みください!

「2023年 『ひとりでしにたい(6)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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