駒子さんは出世なんてしたくなかった

著者 :
  • キノブックス
3.62
  • (17)
  • (47)
  • (59)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 389
感想 : 60
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784908059933

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 出版社勤務の女性は、夫が専業主夫という。
    「書店ガール」が有名な碧野圭のキャリアウーマンもの。
    といっても、タイトル通り、それほどやる気はない?(笑)

    水上駒子は40代。
    子供を生んだ頃は編集者だったため、仕事が忙しすぎた。家事も得意ではなく、夫のほうがずっと向いていたのです。
    夫がフリーカメラマンの仕事をやめて専業主夫になってくれたのを幸い、のびのび仕事をして、家事も育児も夫任せ。
    息子は高校生に。

    書籍事業部の課長の一人になっている駒子は、社内では調整役で、女性的な気配りも期待される立場。
    今の仕事が気に入っていて、これ以上の出世は難しいと、望んでもいなかった。
    ところが、同期の女性と競うように、次長を目指すよう言われてしまう。そこに、社内のいろいろな関係が孕み…?
    折しも、夫にはカメラマンの仕事が入り、息子は学校に行かなくなっていた…!

    夫や息子への対応を間違えそうになる駒子には、少々、考えの浅さを感じます。
    家事や育児を任せきりだと、女性でもこうなる?という意味かも。
    しかし、次々起こる問題に立ち向かううちに、これまでの経験も力となって、新しい切り口を見つけていくことに。やったね、駒子さん!(笑)
    問題はあっても、比較的恵まれた状況でのことなので、ある程度安心して読めます。
    現実にこれだけ実行するのは、かなりの力がいるでしょうが。
    力といっても、一人で力づくで、というのではなく…
    なんとなく、時代はこういう方向へ流れているのね~という印象☆

  • 駒子さんと状況が似ている部分もあるので、共感しながら読めた。
    それにしても働きづらそうな会社…よくこんなに頑張れるなー。

  • 碧野さんの本を読みたくて図書館で探した。ちょうど直前に読んでいた本で「駒子」さんという名前の人が出てきてびっくりした。(三浦しをんさんの「天国旅行」)
    出版社の課長職をこなす駒子さん、新規事業部に抜擢されるわ、専業主夫の彼が仕事を再開するわで公私ともに大忙し?!途中、駒子さんが仕事にも家庭にも後ろ向きなところが見えて、それがわがままのように感じた。でも、きっと人間だもの、あのようにふるまってしまうのは本心なんだろうな。最後にはまた前向き、前を向いた関係が見られてよかった。

  • 管理課課長だった駒子と同期岡村はともに女性初で新規事業部の次長に昇進し、半年後の部長の座を巡り競わされる。会社に仕組まれた方針なのにまわりから陰口を叩かれ、やり手の岡村に押されながら、試行錯誤して売り上げ向上に向けて難題に取り組む。家族内の揉めごとも起き。
    なんでそうなる?なんでそう思われる?なんでそう言われる?正しいことを言って、行っているのに。
    似た思いを抱くことがあり、ただただ駒子の葛藤が刺さる。。でも、なんとなく理由もわかった気がする。
    書店ガールしかり、こういう感じの小説は分かりやすく入り込めて、読後もスッキリできて良い♪
    8冊目読了。

  • 題名が良くない。結構面白いのに。この名前さん+長いタイトル、最近の流行りなの?装丁も含めラノベみたいだ。とはいえ碧野さんの出版社お仕事小説、といえば鉄板。主人公駒子さんは出版社勤務。課長職だったが、同期女性社員と競わせるように出世レースに担ぎ出される。夫は専業主夫、駒子さんの稼ぎも良さそうで、傍からみれば恵まれているが、つきない仕事と家庭の悩み。クセのある社員たち。その過程はリアルで面白い。ラストは超ご都合主義でシラケてしまったが、本屋や出版系の物語にかけてはやっぱり安定感ある著者。もっと書いてほしい。

  • この人の書いた「書店ガール」が大好きでした。1巻だけは女の醜い争いという感じで好みではありませんでしたが、それ以降は出版業界と書店業界を憂う佳作だったと思います。マンネリにならず毎回違った切り口で書いてくる辺り僕は評価していました。
    ドラマ化された頃は知名度ありましたが、次第に知名度が無くなって最終巻手前では本屋で探すのも大変でした。
    本作は出版会社を舞台にしていますが、どちらかというと純粋なお仕事小説です。意図せず出世街道に乗ってしまった女性が、家庭と仕事の両立で悩みながらフェアな方向で解決していく安心感のある本です。
    子育て世代や介護世代の人材をどうやって生かしていくか、という所をクローズアップしているので、こんな女性上司がいたらと思う人も多いのではないでしょうか。都合が良すぎの部分も有りますが、スッキリめの話で嫌いではないです。

  • 思ってたよりキチンと仕事小説。
    女性が出世するっていろいろ大変なのね~。

    出版社が舞台なので読みやすかったし
    仕事だけではなく、
    家庭の問題も描かれていて
    興味深かった。

    長年主夫をやっていた
    旦那さんがこんなに素晴らしいのに
    というか、
    すごいからこそ
    旦那に甘えてしまっているのか
    駒子の家での言動には
    結構イラっときた。

  • でもどんどん出世していくという話。

    出だしのままだったら、家庭内の事も落ち着いてたのかな。
    出世して仕事が忙しくなっていくたびに、家庭内も暗雲たちこめちゃうし。
    いつも夫婦だけの食事シーン。ちょっと息子は?って思っちゃう。
    仕事大変だけど、やっぱり母は子供を大事にしなきゃ。
    共働きって大変。子育てって大変。だけどそれが当たり前の日常。

  • 素敵な上司、でもその上司も沢山悩んでるんだなと学べました。後輩にまだであったことの無いくらいのペーペーからしたら、上の人達も大変なんだなあと。管理課の仕事が自分の仕事と似ていて、上司も女性なのも相まって、すごく親身になって読み進めた。あと、中江さん本当にムカついた。
    家庭のこともリアルで、これから自分が迎える育児に少し不安を感じました。

  • 碧野圭さん、多分初読み。
    読後にみる裏表紙のイラストがとても良き。

    自分の職場、比較的新しいというか柔軟で、社員に優しい(いろいろと納得できる)こに感謝しなければ、と改めて思ってしまいました(笑)

全60件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

愛知県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。フリーライター、出版社勤務を経て、2006年『辞めない理由』で作家デビュー。大人気シリーズ作品「書店ガール」は2014年度の静岡書店大賞「映像化したい文庫部門」を受賞し、翌年「戦う!書店ガール」としてテレビドラマ化され、2016年度吉川英治文庫賞にもノミネートされた。他の著作に「銀盤のトレース」シリーズ、「菜の花食堂のささやかな事件簿」シリーズ、『スケートボーイズ』『1939年のアロハシャツ』『書店員と二つの罪』『駒子さんは出世なんてしたくなかった』『跳べ、栄光のクワド』などがある。

碧野圭の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×