本屋、はじめました: 新刊書店Title開業の記録

著者 :
  • 苦楽堂
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本棚登録 : 725
感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784908087059

作品紹介・あらすじ

「自分の店」をはじめるときに、大切なことはなんだろう?物件探し、店舗デザイン、カフェのメニュー、イベント、ウェブ、そして「棚づくり」の実際。事業計画書から、開店後の結果まですべて掲載。堀部篤史さん(誠光社店主)との特別対談を収録。

感想・レビュー・書評

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  • Titleは今では2回お邪魔して毎回長居してしまう本屋さんです。
    やはりとても素晴らしい本屋さんで(書店というよりやはり本屋さん)、見た事の無い本や、大定番の本などが並んでいます。
    見た目もおしゃれでカフェが併設されているので、おしゃれ男女が集う雰囲気ブックショップなのではないかと危惧していましたがとんでもない。今まで行った中でもトップクラスに興味深い本が並んでいる名店でありました。
    そのTitleが開店するまでの記録です。

  • 日本の古本屋 / Title店主『本屋、はじめました』を語る
    https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=3201

    本屋、はじめました | Title WEB SHOP
    https://title-books.stores.jp/items/585631921003154aa0012c64

    出版・編集 苦楽堂
    http://kurakudo.co.jp/

  • 駅前に出かけたら必ず1番町の『あゆみブックス』を覗くようにしている。

    ここの品揃えはかなり好みが似ていて、欲しいと思った本はだいたい揃えてある。

    という訳で、『ここなら置いてあるだろうな』と思って覗いたらきっちり面出しされていたので即購入。

    元リブロ池袋の店長、辻山氏が個人の新刊書店を立ち上げるまでの記録。

    夢を追いかけるだけじゃなくて、頭の片隅にお金のことを置きながらお店を作っていくのは会社勤めの経験があってこそだろうなぁ。

    こんな書店が近くにあったら生活がもっと豊かになるにちがいない。

    http://www.title-books.com

  • 著書を通して、著者である店主からはオラついた印象はなく、謙虚な人間性を感じるが、その思いには揺るぎない軸がある。
    そして時代の流れの中で街の本屋さんは減り続けているが、その中で生き残っているお店には、やはりそんな店主の物語がある。
    だからただ本を買うだけじゃなくて、お店の物語の世界に浸りたくて、わざわざお店に足を運ぶファンがいるんだろうな。

    • りまのさん
      こんにちは。りまです。本屋さんは、たいてい、親切丁寧にしてくれます ♪おばかなので、人を選んで、しつこく尋ねるのです。
      こんにちは。りまです。本屋さんは、たいてい、親切丁寧にしてくれます ♪おばかなので、人を選んで、しつこく尋ねるのです。
      2020/08/09
    • jericoさん
      こんにちは。
      本屋さんに色々教えて貰えるといいですね。
      見識も広がるし、未知の本とも出会えるし。
      こんにちは。
      本屋さんに色々教えて貰えるといいですね。
      見識も広がるし、未知の本とも出会えるし。
      2020/08/09
  • 広義、狭義問わず『本屋論』というものが注目されている。

    それは何故なのか。考えさせられる。

    一つは本屋には人生に必要な事が詰まっているから。

    現代のインターネットにおいては汎用性のみが重要視されます。
    Amazonの高評価の本だけが読まなければいけない本なのでしょうか?

    まとめサイトよろしくどれだけ労力をかけずに大きな利益を得るかが
    最重要課題、最優先事項とされています。

    ですが本というメディアは読んでみなければそれがどう活用できるかわかりません。

    一つ一つ積み上げるしかないのです。

    その積み上げたものがあまりにきれいだったので
    私も使ってみたい、真似してみたいというのが
    注目されている本屋論の一因だと思われます。
    ただそれは一長一短で真似できるものではありません。

    巻末の誠光社・堀江さんとの対談では

    まさにその真似をしたい人が話しかけてくるが
    何をしたいかイマイチわからない。

    質問の内容もどこで修業すればいいですか?
    インターネット販売は儲かりますかなど

    それはやってみないとわからないし
    あなたがどれに当てはまるかは今の時点では何とも言えない。

    修業はどこでもできる。何を修業と思うか、やり方次第。
    置かれたところで咲きなさいなのである。

    いい読者である必要性は全くない。
    もっと読書は自由であるべきだ。

  • 東京・荻窪の幹線沿いに個人新刊書店を開いた店主による主に本屋を始めるまでの記録集。比較的わかりやすく読みやすい文章で全体的に落ち着いたトーンで書かれている。新刊書店を何かに置き換えてもヒントになるような本。

  • 荻窪の本屋さん【Title】のできるまでと、今、これから。
    淡々と語られる様子が、すごくいい。
    なんだかとても優しい空気がある。
    本屋にとって大切にしたい事が散りばめられた本だ。
    色々大変なんだろうけれど、すごく羨ましい暮らしを見た。

  • 本が大好きで、大きな書店に勤めていた人が書店の閉店を機会に自分で本屋さんを始める。

    始めるに至る経緯と、始めるためにやったこと、始めてからのこと、この本はちょうど開店から1年後の2017年、今年の1月10日に出版されている。

    そうか〜本屋さんってこうやって作るんだ、とワクワクしながら読んだ。最後の対談でも言われている通り、店主によってそれぞれ本屋さんの作り方は違うのだけれど、ワンオブゼム。おもしろかった。
    店舗の建物を探し、どんな本を置くかを考え、カフェをどうするかといったことを決めていく辻山氏の行動をたどっているうちに、新しい土地の図書館づくりに取り組むあの人のことが思い浮かんでお勧めしてしまった。
    ある町に、その町の本屋を作ること、〈みんな〉のための本屋ではなくて。町の人の生活と身近な場所にありながら、そこに住むある一定の趣味や志向を持つ人には支持される品ぞろえをしてその人たちが興味を持つようなイベントを提供すること。この覚悟が大事なんだろうな。

  • 辻山さんが、わたしと同じ(ような)ことを感じはったんやなと思うところ(P53、P201~205)があって、急に親近感。
    誠光社の堀部さんとの対談や緻密に練られ計算された事業計画書を読み終えて、また突き放された感じもする。
    即席の、お店屋さんごっこしてるおばちゃんも、プロ目指して「蓄積」していくよ。

  •  本が好きなら「本屋を商いながら暮らしたい」と一度は夢想すると思う。では実際問題、本屋を始めて商売することはどういったものなのか?を知れる一冊でとても興味深かった。そして現実はそこまで甘くないこともよく分かる超プラクティカルな内容であった。
     著者は荻窪でTitleという新刊書店を経営しており、これまでの経歴と開業までの流れを追ったドキュメンタリーとなっている。もともとリブロで働かれていたらしく、土地を転々としながらさまざまな形で本屋の販売、経営にコミットされていたことがよく分かる。そして著者が考える本の尊さを開業過程、実際の営業状況から感じ取ることができた。
     池袋のリブロはジュンク堂と合わせてよく利用していたし同じ関西出身なので勝手に親近感を持った。2017年の刊行当時よりも本屋の数はさらに減っていく傾向にある一方、個人による独立系書店は増加している。それはまさしく本著のようにどういった流れで商売しているか情報を提供するケースが増えたからだと思う。(なんと事業計画書、営業成績表まで開示されている!)ノウハウの一部だから開示したくないはずだけど、そこを乗り越えてオープンソースにしたのは本というカルチャーに対する危機感からなのかなと思った。
     みんなが必要なもの、欲しいものを同じように並べていてもしょうがないという話は本屋に限らずネット通販の普及によって全ての小売りにとって共通課題となった。そこでお店を続けていくためにさまざまな仕掛けを用意することの必要性を説かれていた。ずっと同じスタイルで継続しているお店の尊さと合わせて。インスタなどのSNSにおいて雰囲気でインプレッションを稼ぐことよりもこういう実店舗における「リアル」の積み重ねこそが本当の意味でのカルチャーへの愛、貢献だよなと感じた。最後に京都にある誠光社の堀部氏との対談が載っていて、そこでは本屋の商売の厳しさ、意志だけではなんともならないことがよく分かった。一消費者として本を買うことを続けていきたいと改めて思った。

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著者プロフィール

辻山良雄(著)
1972年兵庫県生まれ。書店「リブロ」勤務を経て、2016年1月、東京・荻窪に本屋と
カフェとギャラリーの店「Title」をオープン。新聞や雑誌などでの書評、カフェや美術館の
ブックセレクションも手掛ける。
著書に『本屋、はじめました』(苦楽堂)、『365日のほん』(河出書房新社)がある。

「2019年 『ことばの生まれる景色』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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