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- Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
- / ISBN・EAN: 9784908110030
感想・レビュー・書評
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しらずに借りたけど、主役はヨハン・サルバトール大公だった!
好きなタッチの書き方ではなかったけど、ジャンナについて色々書いてくれてありがとう!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
トスカーナ・ハプスブルク家にはかねて興味があったが、いかんせん情報が少ない。本書の主人公はヨハン・サルヴァトーレ、「ハプスブルクの子供たち」(テア・ライトナー)で取り上げられたルイージ・サルヴァトーレの弟である。
さて主人公…である「はず」なのだが、講談調のこの作者、どうも話があっちへ逸れこっちへ飛びする。結局——本の表題もそうなっているが——19世紀末から20世紀初頭にかけて「陽の沈みゆく帝国」ハプスブルクに現れたドラ息子どものうち、貴賤結婚に至った者を広く、いささかとりとめなく扱ったものとなっている。そんな人間が片手に余るほどもいること自体が、ハプスブルク体制のゆるみを如実に物語るというものだ。
それにしても古今東西を問わず、厄介=部屋住みの次男以下とは苛酷な境遇であるようだ。ヨハン・サルヴァトーレも言うなればしょーもない人物なのだが、彼ら「厄介」の抱える閉塞感はリアルに伝わってきた。
2016/2/3読了
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