旧朝香宮邸物語―東京都庭園美術館はどこから来たのか

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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784908122095

作品紹介・あらすじ

アール・デコ・リヴァイヴァル!
激動の時代を越えて守り抜かれた奇跡の建築「旧朝香宮邸」。
その歴史がひもとかれたとき、 “美のタイムカプセル”は開かれ、
アール・デコの栄華が再び眼前に姿をあらわす!

「アール・デコ」様式で統一された優美なデザインで、他の美術館とは一線を画する東京都庭園美術館。2015年には国の重要文化財に指定された同館は、都心とは思えない緑豊かな庭園とともに多くの来館者を魅了しています。
みなさんは、この美術館がかつて「朝香宮家」という皇族の邸宅であったことをご存知でしょうか。建物が誕生したきっかけは、朝香宮ご夫妻がパリに滞在中の1925年に訪問した「アール・デコ博覧会」でした。当時のデザインや芸術の精華に魅了されたご夫妻は、東京にアール・デコの館を建てることを思い立ち、帰国後、その建設に情熱をもって取り組みます。主要部分の内装は、当時のフランスを代表する装飾美術家であるルネ・ラリックやアンリ・ラパンに依頼、基本設計は宮内省内匠寮の建築家だった権藤要吉が担当することで、朝香宮邸は当時の最先端の様式を同時代に採り入れた建築となりました。
戦後、朝香宮家がこの館を去った後、新たな主となったのは吉田茂でした。旧朝香宮邸は外務大臣公邸(のちに首相公邸)として使用され、サンフランシスコ講和条約締結の構想を含む、戦後の重要な局面における舞台の一つとなりました。吉田茂が去った後も、「旧朝香宮邸」は迎賓館として外国の要人を迎え入れたり、一般に開かれた結婚式場として利用されたりと、その時々に主を変え、利用者に愛されながら、今日まで守られた奇跡の建築です。
本書では、この世界でも稀に見るアール・デコ様式の館を往来した人々の歴史と記憶を、「旧朝香宮邸物語」としてまとめました。1933年の朝香宮邸竣工当時の貴重な写真の数々とともに、「旧朝香宮邸」を巡る物語をお楽しみください。
近年、再評価の機運が高まる「アール・デコの館」の魅力に迫り、また東京都庭園美術館がこの建物をどのように活用、保存し、未来へとつなげていくかの出発点となる書籍となっています。

感想・レビュー・書評

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  • 東京都庭園美術館を訪れて、ここに住んでいた人々に興味を持ち、読んでみた。
    朝香宮家のあらましや、中でも重要な役割を果たしたのぶこ夫人のこと。また建設に関わった人々や修復の経緯について記されており、大変おもしろかった。内容が濃いが、関心があるので数日で読み終えた。

  • 初めて行った時に感動してつい買ってしまった本。
    装飾性への憧れが/それを実現し保持していく営みが詰まっていて面白かった。

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著者プロフィール

青木淳子
大東文化大学特任准教授。二〇〇二年朝香宮夫妻がパリ滞在中の支出記録「受領証綴」(東京都庭園美術館所蔵)を調査。著書は『パリの皇族モダニズム』(二〇一四)、『近代皇族妃のファッション』(二〇一七)等。

「2018年 『旧朝香宮邸物語―東京都庭園美術館はどこから来たのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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