頭のよさとは「説明力」だ (詩想社新書)

著者 :
  • 詩想社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784908170218

感想・レビュー・書評

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  • いい説明とはどういうものか分かりやすく教えてくれる。

    比較としてでてくる下手な説明には思い当たる節しかなかった。
    方法論はもちろん、心構えや感情的な面での説明もある。明日からすぐ実践できるトレーニング法で説明上手を目指したい。

  • 流石としか言いようがない…

    この本の説明もかなりわかりやすく丁寧です。しかも、難しい言葉は一切使っておらず、すぐに読めます。
    シンプルな文章であるのに、内容は豊富。読み終わってすぐに実践しました。
    私の座右の書として活躍してくれています

  • 説明力を説明した本だけに、さすが分かりやすく実践的。

    3色ボールペンを使った訓練方法は是非やってみたい。

    学んだポイント
    ・説明のポイントを絞る
    ・身近なものに結びつける
    ・締めのフレーズを決めておく

  • 著者は言わずと知れた、齋藤孝氏。

    氏は数々の著作を世に出しているが、それと同時に長年、明治大学で教鞭を執っている。
    安住アナも氏の教え子である。

    著者のいう、「頭の良い説明」とは、次の3つの力によって構成されている。

     1.時間感覚
     2.要約力
     3.例示力

    まず、「時間感覚」とは、簡単に言うと、説明時間を意識した説明である。
    つまり、無駄にダラダラとせず、要点を要領よくまとめ、極力短時間で説明を終わらせること。

    そのためには、説明することの要点を取り出して、体系立てて理解すること、すなわち「要約力」が必要。

    要約する際のポイントは、できるだけポイントを絞り込む(ポイントは3つが望ましい)ということ、つまり思い切って切り捨てることが上手な説明をするカギ。

    そして優れた説明は、相手方に身体感覚で「わかった感」を生む。
    そしてこの「わかった感」は、聞き手の経験や知識を喚起するような説明や、身体感覚を伴うような説明がうまくいくともたらされる。

    聞き手にこの「わかった感」をもたらすために必要なのが「例示力」である。

    例示力とは、相手がまったくわからないものを、おおよそ分かるもので説明すること。

    例えば、英語圏の人たちに「禅」を説明するにはどうしたらよいか。

    この難題に素晴らしい回答をしたのが、仏教学者の鈴木大拙である。
    そして、大拙の答えは、「let」。

    禅というのは、自分が何々をするんだ、こうしてやるのだ、というものではなく、自分を無くして無くして、それを「let」の状態に置くのだということを一言で表したのである。

    抽象的でわかりづらい事物を、誰もがわかる一言ですっきりと言い表している。
    このような本質を言い表すワンフレーズ、キャッチフレーズをつくることは、説明の技術としてもとても重要。

    本書の要約は以上である。

    次に、具体的な説明のやり方を2つ紹介する。

    ◎上手な説明の基本構造◎

    ①まず、一言で言うと○○です
    【本質を要約し、一言で表現。キャッチフレーズ的】
     →聞き手の気持ち(興味)からキャッチフレーズを考える(必ずしも内容の要約である必要はない)

    ②つまり、詳しく言えば○○です
    【要約したポイントを最大で3つ。重要度や、聞き手の求める優先順位を加味して示す】

    ③具体的に言うと○○です
    【例示。エピソード、自分の体験などで補足】

    ④まとめると○○です
    【これまでの説明の最終的なまとめ】



    ◎通説butの説明法◎

    「いままではこう理解されていましたが、実は○○なのです」(通説but)

    「それはこういうことです」
    (詳しい説明、ポイントは最大3つに)

    「たとえば、○○です」
    (具体例、エピソード、データなど)

    「つまり、こうなのです」
    (全体のまとめ)

    このほか、ためになったことは、著者が東大法学部の学生時代、法律の勉強法を著者の友人から教わったエピソードである。

    著者の友人曰く、法律というのは体系だった学問なので、全体構造を理解しながら体系立てて勉強することが効率的。

    そしてその具体的な勉強法は、次のとおり。

     ①教科書の目次をコピーする
     (十分な余白をとって、大きな用紙にコピー)

     ②目次の余白スペースに、目次の項目に付随する事例や判例などを簡単に書き込んで肉付け

     ③仕上げた目次のコピーをそっくり記憶する

    ②の作業は、目次という大きな骨格に各部を構成する要素を自分で書き込んでいくことであり、この作業をすることで、自分の頭も整理され、全体構造と個々の関連が明確になる。

    この技法は何も法律だけでなく、一般書籍の読書などにも応用できそうだ。

  • 仕事で話をしている時に、自分の説明って回りくどいな、と思うことがあり、手に取った一冊だ。
    説明がうまい人は頭がよく見える、という話からはじまって、著者が実際に大学で教えている「説明の練習方法」を具体的に紹介している。
    読解力や計算方法、論理的な物事の考え方、というのは習うことがあっても、「説明をする方法」というのは案外テクニックとして学んでこなかったなと改めて気づく。
    まだ実践はしていないけれど、紹介されている練習方法は、例えば新たに語学を学ぶとか資格を取得するといった「勉強」に比べればハードルがかなり低く、試してみたい。

  • 説明力は周りの人にも有益。
    身につけたい。

  • 【本書の目標】
    短くて分かりやすい説明で、聞き手の「わかった感」を高めよう!
    そうすると周囲が幸せになる!

    【結論】
    必要な三つの能力「時間感覚」「要約力」「例示力」を鍛える。

    【概要】
    ①時間感覚
    まず、15秒説明を繰り返し練習して、15秒の時間感覚を手に入れふ。ストップウォッチで測りながら繰り返せば、難しくないはず。

    次に、1分説明を練習する。先に身につけた15秒×4回のリズムを手に入れる。

    1分説明のフォーマットは
    「まず!一言で言うと〇〇です」
    ※本質を一言でキャッチーに
    「つまり、詳しく言えば〇〇です」
    ※要約ポイントを最大三つ
    優先順位もつける
    「具体的に言うと〇〇です」
    ※例示、体験談など
    「まとめると〇〇です」
    ※最終的なまとめ

    最終的にはCMのような濃密な内容を目指そう!

    ②要約力
    本や新聞、雑誌を使って要約の練習をする。

    要約のフォーマットは
    「題名」「一行説明」「趣旨」「引用文(三つまで)」

    要約するために本の読み方も工夫していこう。
    まず、前書き、後書き、目次を読んでキーワードを見つけて、印をつけておく。
    本文は、三色ボールペンで重要箇所に色づけをしながら読む。その際、色によって重要度に区別をつけること。
    最終的にポイントを三つに絞る。各ポイントの全体の中での立ち位置も把握すること。

    1分説明のレジュメになるような要約を作ろう!

    ③例示力
    「わかった感」を高めるために例を入れていく。
    手法は「比較」「比喩」「具体的」が代表的であるが、実物があるに超したことはない。

    比較は「似ているけれど実は違う」「全く違うように思えるが、実は似ている」の二つのパターンが効果的。

    比喩は「全くわからないものを、おおよそわかるもので説明する」というパターン。完全に理解させることは難しいが、とにかくイメージを掴んで欲しいときに。

    具体例は「例えばこういうことです」というパターン。経験や引き出しが無いとなかなか難しいので、日頃から意識して探していく必要がある。

    例示が与える影響は大きい。できるだけ具体性にイメージさせよう!

    【その他】
    日常の中で他人の説明を評価しながら聞いてみよう。特に興味の持てない内容なら、その人の説明のどこが原因か考えることが自分の成長に繋がる。

  • すぐに実践したくなる説明力を上げる方法も解説してありためになりました。
    早速、三色ボールペン買ってきます

  • 説明力とは生活全般にわたり常に求められる能力だが、9割の人は「説明力」を身に付けていない。その「説明力」をアップさせる方法は「時間感覚」「要約力」「例示力」の3つがポイントである。この本を読んでから、一冊本を読み終えたら本を使った要約力の実践トレーニングをやっている。記憶にも残りやすいし、本の説明もしやすくなった。

  • ・「時間感覚」「要約力」「例示力」
    ・上手な説明をするためには、まず情報を絞り込む。
    ・説明のポイントは三つに絞り、優先順位をつけ、他のものは切り捨てる。
    ・相手にとって、「かゆいところに手が届く」という視点で、情報を絞り込んでいくことが重要。

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著者プロフィール

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。教育学、身体論、コミュニケーション論を専門とする。2001年刊行の『声に出して読みたい日本語』が、シリーズ260万部のベストセラーとなる。その他著書に、『質問力』『段取り力』『コメント力』『齋藤孝の速読塾』『齋藤孝の企画塾』『やる気も成績も必ず上がる家庭勉強法』『恥をかかないスピーチ力』『思考を鍛えるメモ力』『超速読力』『頭がよくなる! 要約力』『新聞力』『こども「学問のすすめ」』『定義』等がある。

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