- 本 ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784908356599
作品紹介・あらすじ
さあ、空想の旅へ——
本書は、20世紀後半のベルギーを代表するアーティスト、ジャン=ミッシェル・フォロン(Jean-Michel Folon, 1934-2005)の日本では30年ぶりとなる展覧会の図録です。
初期のドローイングから水彩画、版画、ポスター、そして晩年の立体作品までを網羅し、フォロンの描く鳥やリトル・ハット・マンといったシンボルとともに紹介します。インクや墨による軽妙な線はユーモアとぬくもりが漂い、溶け合うような色彩のグラデーションは美しい。フォロンの丁寧な観察や思考が垣間見える数々の作品は、私たちの感覚をやさしく解き放ち、時空を超えた空想の旅へと連れ出してくれます。
幻想的で詩情あふれる作品は美しいだけではありません。環境破壊や人権問題などに静かな抗議を行ったフォロンのメッセージも込められました。デジタル化やパンデミック、戦争など、人間が大きな課題と向き合わなければならない現代にこそ、フォロンの芸術は強く心に響きます。フォロンとの空想旅行を経て、私たちは地平線の向こうにどんな景色を見出すのでしょうか。
感想・レビュー・書評
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愛知県の名古屋市美術館で開催中の、「ジャン=ミッシェル・フォロン展」の図録です。4月から大阪府のあべのハルカス美術館でも開かれます。
透明感のある色彩(多くは水彩やカラーインク)が心和ませてくれますが、作者が希求した平和を破壊しようとする存在に鋭い告発をしています。帽子とロングコートを身につけたキャラクター「リトル・ハット・マン」に惹かれます。私の好きな成瀬政博さんもきっと、フォロンからインスパイアを受けているはずだと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とても美しい手元にいつも置いて眺めたくなるフォロンの画集。