京都に女王と呼ばれた作家がいた 山村美紗とふたりの男

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  • 西日本出版社
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本棚登録 : 151
レビュー : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784908443527

作品紹介・あらすじ

「京都で人が殺されていないところはない」
京都に住み、京都の女を描き続ける花房観音が描く、京都に住み京都を描き続けた、山村美紗の生涯。
今ではあたりまえの、ミステリアスな京都の町の面持ちは、美紗の小説とドラマ化された作品からきていると言っても過言ではありません。

1996年日本で一番本が売れた年、帝国ホテルで執筆中、ベストセラー作家山村美紗が亡くなりました。
書きたくて、書きたくて、あふれ出るトリックに手が追い付かなくて。でも、乱歩賞はもちろん賞に縁がなかったことからくる、もだえるほどのコンプレックスから解放されることなく逝った美紗。今は、京都東山の泉涌寺の美と大きく大書した墓石の下に眠っています。

感想・レビュー・書評

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  • 確かに「京都で人が殺されていないところはない」。
    昔、山村美紗サスペンスを祖母と観るのが大好きだった。小説は読んだことなかったが、ドラマは食い入るように観ていた記憶がある。

  • 花房さんも書かれていたが、ちょうど私も思っていたところだった。
    本屋さんに山村美紗の本がない、と。

    サスペンスドラマの印象が強く、本は読んだ事がなかった。
    1冊だけ、京都を紹介する本は持っている。

    そしてご主人の存在を初めて知った。
    西村京太郎さんとの事は知っていたが、夫婦ではないと知っていたし、そんなに深く考えた事はなかった。
    それから紅葉さんの他にもお子さんがいらしたのは知らなかった。

    出版業界が一番輝いていた時代を生き抜いた、まさに女王。
    こんなにも誰もが頭が上がらない方だとは思いもしなかった。
    弱さを隠して強がっていたんですね。
    それをよく知る2人の男性に愛されて、幸せだったのでしょう。
    きっといろいろ苦しい思いもされてはいるでしょうが。

    いろいろ読んでみたくなりました。

  • 『京都に女王と呼ばれた作家がいた』男たちはなぜ彼女に魅了されたのか - HONZ
    https://honz.jp/articles/-/45745

    西日本出版社 京都に女王と呼ばれた作家がいた 山村美紗とふたりの男
    http://www.jimotonohon.com/annai/a1527_yamamuramisa.html

  • 正直言って、読みたいけれどそっとして置いても良い内容の本だった気がします。海外のミステリしか読まなかった私が読んだ国内ミステリは、山村さんの作品だけでした。舞妓シリーズが好きで、探して読みましたっけ。ご主人の描かれた絵は、少し怖くて、亡くなって、傍らに他の女性を置いて山村さんを描くというのは、まるで西村京太郎氏と美沙さんの関係に、誰も入れなかったことの合わせ鏡のように見えました。死んだ彼女は、新しい奥様との間には入れないのですから。深い愛というより、妄執のような重さを、全体に感じてしまうのは、ちょっと申し訳ない気がしましたね。

    そういう印象を拭うために、淡々と書かれた精緻な評伝ですが、内容が衝撃的であるわりに、もうひとつ面白くなっていない気がしましたので、途中で中断しました。覗き見してるようで、自分が嫌になってしまったのです。

  • 京都を舞台としたミステリーを描く女流作家、山村美紗の半生を描いた本。
    これを読むと波乱万丈の人生を送った人だったんだなぁ・・・と思った。
    もともとは裕福な家に生まれながら戦時中は貧しい暮らしも経験し、結婚して投資で成功、そして小説家を目指す。
    華やかでワガママ、正に女王のような人と見られていたが、その影では自信の無さや気遣いがある人だった。
    そして、いつも男性にもてていた。
    相当に魅力のある人だったんだろうな・・・とこれを読んで思った。

    私はこの本のタイトルと作者が花房観音さんという事から官能的な部分もある本なんだろうな・・・と想像していたら全くそうではなく、淡々とした印象の本だった。
    正直、物足りなかった。
    ノンフィクション作家の書いたこういう本は事務的にあった事を書いていたとしても何故か面白い。
    読者が何を知りたいかを心得て、好奇心を少しずつ満たした書き方をしているから。
    私が小説家がノンフィクション小説を書く時に求めるのは小説家ならではの書きもの、しかもその作家の色が出ているものなので、それで言うとこれは違うな・・・と感じた。
    まあ、どうしたってまだ当事者がご存命なだけに書きづらいというのは分かるし、それが伝わってくる内容だった。
    だけど、相当細かい所まで山村美紗という女性について調べて取材もしているのは読んでいて分かった。

    私は以前、テレビで山村美紗は結婚しているものの、隣に西村京太郎が住んでいて家が渡り廊下でつながっていて行き来していたというのを聞いた事がある。
    長女の山村紅葉のインタビューだったかも。
    今も覚えてるくらいなので、変わってるな・・・と思って記憶してたんだろうと思う。

    結局の所、西村京太郎とつきあっていたのか、夫と関係はどうか分からないけど、結果を見たら想像ができる。
    山村美紗が亡くなって再婚してからも夫は美紗の絵を描いて個展まで開いている。
    それを見るだけで夫婦の強いつながり、絆というのがあったのだと分かる。
    ただ、影に徹するだけでそこまでこよなく相手を愛するとはならない。
    そして、西村京太郎が自分と山村美紗の事を男女の関係があったとして書いた小説、その後の訂正の弁を見ると、どれだけ彼が彼女を愛していたか、複雑な気持ちを抱いていたかが分かる。
    結局、男女のこと、夫婦のことは、よく言う事だけど当事者にしか分からない。

    そういう分からない男女の仲というのに気遣いしながら、相当な覚悟をもって書いた本だというのが後半の文章からひしひしと伝わってきた。

  • 例えば20代の人でも「山村美紗」という名前を聞けば「二時間サスペンス」を思い浮かべる。
    あるいは「紅葉さん!」と。
    実際には山村美紗が亡くなってすでに24年が経とうとしているのに。それだけ日本のサスペンスドラマには欠かせない作家だったということだろう、それはもう今さら言うまでもなく。
    全盛期の数字を見ると驚愕する。そんなに本って売れていたんだ、と信じられない数字が並ぶ。
    本が一番売れていた時代。そんな時代を命がけで、全力で駆け抜けた一人の小説家。語られるエピソ―ドのすさまじさよ。ある意味それが許された時代だったのだろう、とも思う。
    年間11冊の本を出す、って、それは、ほぼ毎月ってことで、しかもミステリってことはそれだけのトリックを持っていなければならないわけで、そりゃもうすごいとしか言いようがない。
    けど、これだけ書いても「まだまだ書きたい!時間が足りない!」とか「新しいトリックを思いついた!」と言い続けていたというのだから恐るべきことだ。
    そんな山村美紗と西村京太郎の関係といえば、文壇界ではタブー中のタブーだ。それをあえて今、世に出すという。なぜ、いま?
    例えば、ものすごく失礼な言い方だけど、夫であった巍氏や、西村京太郎に何かあった、というタイミングだったり、未発見の書簡が見つかったとか、都市伝説でもあった地下トンネルが発見されたとか、そういうことはなにもないのに、なぜ、いま、なのか。
    巍氏も西村京太郎氏も山村美紗の死後再婚し、それぞれに幸せに暮らしている。娘たちもそれぞれに平穏に暮らしている。なのに、なぜ、いま、なのか。
    けれど、本が生まれる、というのはそういうことなのかも。すべて、何かのタイミング。

    膨大な参考資料を見ると花房さんのこの本に賭ける意気込みや使命感や覚悟というものが伝わってくる。
    生半可では書けないものでもあるし。
    ならば、というか、だからこそ、というか、巍氏と西村京太郎と山村美紗の不思議でいびつで、だけど安定した三角関係の「本当のこと」をあぶりだしてほしかったという気もする。
    西村京太郎の二転三転する証言の意味、本当はどうだったのか。
    もしかすると、書けないものを見つけてしまったのか、だから最終的に「藪の中」で終わらざるを得なかったのか。だとしたら、西村京太郎の『女流作家』『華の棺』に対する「小説」としてそこを描く手もあったのでは…

    と書きながら、でも、それって本当に必要なことなのか、とも思う。
    二人が男女の関係だったとして。その関係が30年続いていて、それを目の前で夫はずっと見ていたとして、それが、「トリックの女王」と呼ばれ死後20数年たってもまだドラマの原作者としてその名を遺す山村美紗に、何の関係があるというのだろうか、と。

    山村美紗という女がいた。小説家としての業、女としての性に命ごとからめとられた一人の女がいた。

    それ以外、何の必要ないのかもしれない。

  • 巻末の山村美紗著作一覧が便利かつ圧巻。

  • 亡くなった時リアルでニュース見たなー。稀有な人だったんだね。紅葉さんてドラマではコメディアンだけど実際はものすごく気品ある!て、何の関係がw

  • 山村美紗さんの事はあまり知らないのだけど、1人の女性の記録?として興味深く読んだ。
    文壇のタブー、その本当のところは本人達にしか分からない事なんだろう。
    陰に徹した旦那さま、パートナーとしての作家、そのどちらをも魅了した女王。
    時代や、何かエネルギーを強く感じました。
    お子さん達は色々な思いがあったでしょう。
    ちょっとバラエティ枠で見てたけど、人生の重みを感じました。

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著者プロフィール

兵庫県豊岡市生まれ。
京都女子大学文学部中退後、映画会社や旅行会社などの勤務を経て、2010年に『花祀り』で団鬼六賞を受賞しデビュー。男女のありようを描く筆力の高さには女性ファンも多い。
著書に『寂花の雫』『花祀り』『萌えいづる』『女坂』『楽園』『好色入道』『偽りの森』『花びらめぐり』『うかれ女島』『どうしてあんな女に私が』『紫の女』など多数。
現在も京都でバスガイドを務める。

「2020年 『京都に女王と呼ばれた作家がいた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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