京都に女王と呼ばれた作家がいた 山村美紗とふたりの男

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  • 西日本出版社
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感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784908443527

感想・レビュー・書評

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  • 2サスロス、美紗ロスを抱えるわたしにはとても面白い内容でした。ここまで仕事にストイックだったとは。。。と発見も多く、これを機に古い小説を読み返そうと思っています。ファンにうれしい一冊をありがとうございました。

  • ふむ

  • 京都で学生時代を過ごし、ミステリー小説にめちゃくちゃハマったこともあるのになぜか山村美紗には手が伸びなかった。知人のオススメで本書を読んで俄然興味が。山村美紗の小説家としての執念に心打たれた。

    あんなに人気があってもわずか20年で書店に並ばなくなるとは…。電子書籍ならいくつか読めるようなので、しばらくいろいろ読んでみようと思います。

  • 美紗サスのことを覚えている人がここにいた! こんなにも熱く語ってくれている!! 感激しました。



     品の良さと俗っぽさを両立する世界観、スピード感と鮮やかさ。艶やかさ……♥ 年齢がバレますが、中学生のとき熱を上げていたのが山村美紗サスペンスでした。彼女の話をしてくれる人がいてくれてどれだけ嬉しいか。感激の一冊です。花房観音さん大感謝!!

     そして通俗万歳! この本に出てくる、山村美紗の人生を描いたドラマ、おぼえています。テレビ的に脚色・演出した向きもあるかと思いますが、「文学なんてクソくらえ!」のセリフが強烈で忘れられません。教養も道徳も大切ですが、それすら超えて人間的であるというのは通俗的であることだと思っています。世俗的な面白味を教えてくれた山村美紗サスペンス★ 書店にあったピンクの背表紙を狙って一気読みしていました。

     彼女自身がコンプレックスに感じ、また、文学賞の世界から遠ざかる理由ともなったであろう大衆性に、私は惹かれました。深みなんていりません。テンポよくあっという間に人間を丸裸にする、美紗の文体。あのライトな筆運びは、品の良さを失わないままで終わるために、なくてはならない調子だったと思います。時間をかけてネチネチする嫌らしさがないから、どんどん読み進められるのです★
     さらっと虚飾は脱がされ、伝統文化の継承者だって流行の最先端にいるカリスマだって、家元もご夫人もお金持ちも、みんな人間ですなぁ、と、本性がするする暴かれていきます。暴いても意外に汚いイメージがないのも特徴。テンポよく進めれば、華やかさが消えない。山村美紗最大のトリックはココです!

     本書を読むと、美紗そのひとも相当に不思議な女だったよう。売れっ子作家の地位から絶対に降りまいとして、悲しいまでに必死だったのに、なぜかずっと華やかで綺麗なイメージのまま……

     あえて触れませんが、彼女のことを忘れさせようとする何か巨大な力が働いているような気がします。この本を手に、抗っていきたくなりました。


    https://www.instagram.com/p/CM33py_MefZ/

  • 名前だけはよく知っていた作家 山村美紗について書かれた評伝。
    恥ずかしながら、西村京太郎や松本清張との関係は全く知らなかった。


    一番関係値があった、出版関係者への取材は出来たのか気になる。

  • 業。

  • 山村美紗の生涯、興味深かった。
    松本清張と西村京太郎との関係に驚き。
    したたかにミステリー作家として、
    時代を生きた人だった。
    夫との関係も不思議だけど、、、、。
    それだけ尽くしてもらえるなんて、凄い

  • 完全にミーハー気分で読んだ。
    山村美紗も西村京太郎も読んだことはないし、ドラマもチラッと一瞬横目で見るくらいでしかなかったのだが。
    京都、それも私の得意な?東山と伏見がメインで読んでいてうれしかった。
    ご主人がいらしたとはホントにビックリした。2人の男性の支えがあったとはいえ、精力的な執筆、セルフプロデュースの力、すごい人だったんだなぁと思う。

  •  山村美紗というとミステリの女王として名をはせた名手である。
      が、死後20年になることも驚きだし、今本が手に入りにくい状況だというのも驚きだった。

     これを読むまでは、天才型の華やかな作家さんだと思っていたのだが、ここまで身を削って書いていたのか……とぞっとする。鶴の恩返しでつうが羽を使うようことすら生ぬるく思えるような、生き方やスタイルや何もかもを売れる作家になるために費やすという割り切り。凄まじいとしか言いようがない。

     西村京太郎視点というのも読んでみたくはある……が、さて、男性から見た彼女はいかがなものなんだろうか。
     ある一時代を築いた山村美紗。もう一度読んでみたくなる。

  • 今尚、原作推理小説が読まれ、そのテレビドラマ化される作家、山村美紗の評伝。彼女を取り巻く人々、特に夫と生涯の作家としてのパートナー西村京太郎との関係などを親族や関係者への取材を通して描く。
    バブル経済がもてはやされた時期に京都という日本人なら誰もが憧れをもつ土地を舞台に推理小説を描き続けた。京都を「現在」の姿と歴史深い土地という二つの観点から取り上げ作品にした功績は大きい。また女流の推理作家の草分け的存在の一人である。
    ミステリアスな部分もあった山村美紗の人生に切りこんだ作品だ。

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著者プロフィール

兵庫県豊岡市生まれ。
京都女子大学文学部中退後、映画会社や旅行会社などの勤務を経て、2010年に『花祀り』で団鬼六賞を受賞しデビュー。男女のありようを描く筆力の高さには女性ファンも多い。
著書に『寂花の雫』『花祀り』『萌えいづる』『女坂』『楽園』『好色入道』『偽りの森』『花びらめぐり』『うかれ女島』『どうしてあんな女に私が』『紫の女』など多数。
現在も京都でバスガイドを務める。

「2020年 『京都に女王と呼ばれた作家がいた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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