京都に女王と呼ばれた作家がいた 山村美紗とふたりの男

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  • 西日本出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784908443527

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  • 今尚、原作推理小説が読まれ、そのテレビドラマ化される作家、山村美紗の評伝。彼女を取り巻く人々、特に夫と生涯の作家としてのパートナー西村京太郎との関係などを親族や関係者への取材を通して描く。
    バブル経済がもてはやされた時期に京都という日本人なら誰もが憧れをもつ土地を舞台に推理小説を描き続けた。京都を「現在」の姿と歴史深い土地という二つの観点から取り上げ作品にした功績は大きい。また女流の推理作家の草分け的存在の一人である。
    ミステリアスな部分もあった山村美紗の人生に切りこんだ作品だ。

  • 賞をとれなかったことが山村美紗を
    こんなにもバイタリティー溢れる人に
    なしあげたとは

    松本清張との子弟話や
    西村京太郎との戦友とも愛情とも言えない関係性

    山村美紗がなくなった96年
    翌年に阪神大震災があり
    それに呼応するように
    書籍の販売数がガクンと落ちる
    様々な理由が重なった結果だと思うが
    彼女ほどの仕事量と冊数を出さなくなったことが
    出版不況に関係していると知って
    もう無理だなと思う反面彼女にはかなわない方法で立ち向かわなければとも思う

  • 東京都庁に根を張る女帝・小池百合子が話題となる中、京都の女王と呼ばれた作家は山村美紗だそうだ。
    山村美紗と言われてもなんとなく聞いたことはあるがピンとは来なかったのだが、「山村美紗サスペンス」というよくやっているドラマの番宣を思い出して「あーあの山村美紗ね!」となる。ついでに西村京太郎は作家という認識はしっかりあるが、そちらも「西村京太郎サスペンス」というドラマの番宣フレーズによって記憶されているのだと思う。

    そんな山村美紗を知る世代も減り、紙の本全盛期の申し子とも言える存在だった山村美紗の記憶が世の中から消える前に彼女の一生を辿ったノンフィクション本でした。長く連れ添った旦那もいながら、西村京太郎というパートナーも隣接する家に住まわせ華麗なる一族ばりに不可思議な生活を送っていたミステリー作家の生涯は彼女への予備知識がなくともかなり楽しめる内容でした。

    バラエティにもよく出る女優の山村紅葉さんが彼女の娘とはつゆ知らずでしたが、売れっ子作家である母が書いた原作ドラマに主演するというのも凄い話。さぞかし苦労とかもあっただろうにそっちの話も興味があるな。
    と京都にルーツがある身として、少しは山村美紗も西村京太郎の本も読んでみようと思った次第です。

    華やかな和柄が本のカバーとなっているが、西陣織の紋様のようです。

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著者プロフィール

兵庫県豊岡市生まれ。
京都女子大学文学部中退後、映画会社や旅行会社などの勤務を経て、2010年に『花祀り』で団鬼六賞を受賞しデビュー。男女のありようを描く筆力の高さには女性ファンも多い。
著書に『寂花の雫』『花祀り』『萌えいづる』『女坂』『楽園』『好色入道』『偽りの森』『花びらめぐり』『うかれ女島』『どうしてあんな女に私が』『紫の女』など多数。
現在も京都でバスガイドを務める。

「2020年 『京都に女王と呼ばれた作家がいた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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