興福寺の365日 (DVD付き 御仏・祈り・四季を綾なす映像66分)

著者 :
制作 : 保山 耕一 
  • 西日本出版社
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本棚登録 : 23
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784908443534

作品紹介・あらすじ

平城京遷都を主導した藤原不比等が創建した興福寺。
中世には、大和一国を治めるほどの権力を誇っていた。

そんな興福寺の日常を若き僧侶辻明俊が書き下ろし、「情熱大陸」や「世界遺産」のカメラマンとして知られ、興福寺の息吹きを撮り続ける映像作家保山耕一が66分のDVDを作成。
DVDには、阿修羅像はもちろん、四季の景色、そして新型コロナウイルス終息を祈念する映像も収録。

日々の修行、僧侶になったわけ、お寺で起こる不思議な出来事や歴史の話。
積み重ねた時の記憶を、映像とともに縦横無尽に紡ぐ。

興福寺に千年以上伝わる僧侶の口述試験「竪義」。法相宗の僧が一生に一度だけ受験を許される。
そんな難関を乗り越えた辻明俊の話は、軽やかで楽しい。
本の中央には、興福寺が守り伝える諸仏、一昨年落慶した中金堂などの写真特集も掲載。

感想・レビュー・書評

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  • 興福寺と聞くと、まず思い浮かぶのは阿修羅像。あの眉間にしわを寄せたお顔と三面六臂のお姿、美しい。
    それから五重塔、2018年に再建された中金堂。
    そんな興福寺の365日を執事辻明俊が軽やかな筆致で描く。
    厳しい修行の話や修行中の夜に起こった不思議な話から、最近夏の風物詩となった鹿だまりのことなどお坊さんが書いたものなのにとても読みやすくて楽しい。読みやすくて楽しいのにとても大切なことがさらりと書かれている。

    そして、特典のDVDの美しさたるや!
    日本にはまだこんなに美しい風景があるのだな、としみじみ。
    あ、疫病退散のご祈祷も入っています、ありがたいありがたい。

  • 著者は興福寺執事兼境内管理課長。広報や企画事業に携わってきたとのこと。寺に関する随筆・写真などは丁寧な製本とも相まってじっくり読むにふさわしい。さらに1時間余りのDVD映像までつくのでかなりお買い得な(というのはお寺の本に失礼かな)本といえるだろう。ただし、映像はやや冗長。祈りの読経部分以外は動く絵ハガキ的。これなら写真で構成した方がよかったのではなかろうか。まあ、寺内で宣伝用に流すにはふさわしいかもしれないが。仏像中、阿修羅のみがクローズアップされすぎているのも若干難あり。

    で、カバーをめくってみたら仏増にまつわるちょっと不思議な話が書かれていた。(サービス?)

  • 著者は興福寺の執事。エッセイのような文章で寺に関すること、思いなどがつづられている。お寺をよく知るかたも、阿修羅しか思い浮かばないかたにもぜひ。

    さまざまな困難、人々の力を経て、いまの興福寺がある。あらためて考えさせられます。

  • 奈良の有名なお寺と言えば興福寺は必ず上がるひとつだろう。
    そこの境内管理室長を務める僧侶自らの書き起こした本。

    それはものすごく大きな出版社が商業ベースでブームに乗っかるように
    書かれた浅い、一時的な知識などとは違った一面を見せてくれる。
    そういった入門編の知識を得るための本も、確かに必要ではある。

    けれど私たちは、本の奥に何かを求めてしまう。
    それはもう一歩踏み込んだ、本当の知見や知識がないと言葉に
    綴じ込めることが出来ない、何かだ。

    書店で目にすることは少ないかもしれない、隠れた原石のような、
    そんな本との出会いは奇跡としか言いようがない。

    本書はタイトルからあるように、興福寺の一年をなぞっただけの本ではなく、
    一僧侶の話、修行や言葉を書いた章と
    普段目にすることはないお寺の日常を書いた章、
    お寺ならではの不思議をまとめた章、
    そしてお寺の日常から感じ取ったことを書いた章、
    仏像などの至宝について書かれた章、
    そして歴史あるお寺だからこその今と昔を書いた章で
    構成されている。
    一編ずつは短く、簡潔にまとまっており、読みやすい。
    少しずつ読み進めるのも良いし、
    気になる章から読み始めてもいい。
    ふと日常のなかで自らの心が削られているように感じたとき、
    心の奥底を見つめ直したくなったとき、
    手元において開きたくなる一冊。

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著者プロフィール

奈良県在住。
2000年に興福寺入山。2004年から広報や企画事業を担当し、現在は興福寺・執事。
2009年「国宝阿修羅展」をはじめ、2012年「国宝 仏頭展」を担当。
2011年には、「堅義(りゅうぎ)」を無事に終え、2012年から興福寺・常如院住職。
共著に『お坊さんに聞く108の智慧』(幻冬舎)

「2020年 『興福寺の365日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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