- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784908586002
作品紹介・あらすじ
映画には、人生を変える力がある。
ごく普通の派遣事務員だった著者はある日、
カンボジア農村部の子どもたちに映画を届けるNPOのリーダーになった。
声が小さく統率力もまったくない著者が、なぜ後に「新しい社会貢献」と呼ばれる活動を
立ち上げ、広げることができたのか。
その背景には、効率を優先する社会の中で、さまざまな苦悩を抱えていた
若く優秀なメンバーたちが、彼女とカンボジアの子どもたちとに出会ったことで
人生を取り戻していく、あたたかな物語があったーー。
ひとりのちいさな夢がみんなのおおきな現実になる、一本の映画のようなノンフィクション。
感想・レビュー・書評
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2018年42冊目。(二読目)
活動にかかわっていた身なので、一風変わった感慨で読めるのがありがたい。どの出来事もアルバムをめくって眺めるような懐かしさで、ときどき読み返したくなる。ただ面白いのが、「そうそうあんなことあったな〜」という確認だけではなくて、読み慣れてきたはずの言葉にあらためてハッとさせられたり、活動していたとき以上に映画の可能性を感じたり、新しい気づきがいくつもあるということ。この本の先の物語を知っている、ということも影響しているのかもしれない。先を歩んだ上で、あらためて過去に戻ってくると、過去はさらに輝き出す。そんなことがあるのかもしれない。
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2016年19冊目。(初読:2016年3月6日)
カンボジアで移動映画館の活動(World Theater Project)を行うNPO法人CATiC代表の経験と想いが詰まった一冊。
「自分の幸せのために」で頭がいっぱいになっていた時は消えてしまっていた10年前の夢が、
「誰かの幸せのために」を考え始めたら再び戻ってきたという。
「夢の種」は、長い時間を経てからでもちゃんと芽吹く。
そんな「夢の種」を、子どもたちが映画を通じて心に植えてくれることを願う。
※この記事を書いているのは、この活動に関わる人間です。ステマにならないように、念のため。 -
大きなプロジェクトを動かすリーダー像とは、
どんなリーダーを想像しますか?
これは一般的なイメージとは異なる、
ちょっと頼りない、
ちょっと放っとけないリーダーの
世界規模の大きな夢を描き、今なお突き進む
一人の女性が夢を発信し続けている物語。
ある日頭に降りてきた
「カンボジアの子供たちに映画を届けたい」
その降りてきた言葉を真摯に受け止め、
思いだけでひたすら突き進んでいく。
もちろん思いだけでは壁に衝突するばかり。
「ゆめ」の求心力により、その都度適材適所に人が集まっていく。
夢を描く人。そこに応援する人が集まってくる。
この流れは本当に起きること。
教来石小織さんの正直さ、良い意味の愚直さが
ぶれない柱を築き上げていく。
文中に出てくるクラシック音楽「ボレロ」
はじめは太鼓の音のみから始まり、次第に大合奏になっていく。まさにこのボレロのようなプロジェクトの発展と広がりには、斎藤工さんが帯で紹介するように「まるで映画を見ているよう」
活動の良い面ばかりフォーカスするのではなく、
ここには確かに、
ゆめの裏側、NPOの陥りやすいことなど現実面がしっかり残されている。
ゆめには表と裏がある。
だけれども、頼りないリーダーがぶれない柱となり、このWorld Theater Projectは確かに世界を動かし続けている。
私の周りにもこの本をおすすめしたい人がたくさんいる。
あの人も。あの人も。あの人も。
教来石小織さんから目が離せない。
この人を見つけ出し、この本に納めあげた
センジュ出版 吉満明子さんにも目が離せない。
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所謂強烈な意志を持ったカリスマリーダーでは無く、ある意味何処にでもいる普通の人がどんな想いで意志を形にして行っているのかがリアルに伝わる。教来石さんは書籍において幾度となく頼りない代表である事を自他共に認めているが、ただ頼りないだけだったら代表は務まらないはず。頼りなくともプロジェクトをリードできる存在に必要な要素とは何なのか…
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本書の著者・教来石小織さんを知ったのは、1月13日の学校公開日のことでした。写真家の桜木奈央子さん、音楽家の永原元さんたちがウガンダと我が子らとの交流のミュージックビデオを届けに来られた際に、一緒に来校されたのが教来石さんでした。
どちらかというと物静かな印象の方だったのですが、本書に彼女の心に秘めた熱い情熱と夢が語られていました。読みながら、何度かほろっと来てしまいました。
http://naokis.doorblog.jp/archives/dream_deliverer.html【書評】『ゆめのはいたつにん』 : なおきのブログ
<目次>
はじめに
第1章 ライフ・イズ・ビューティフル
第2章 はじまりのうた
第3章 セレンディピティ
第4章 スタンドバイミー
第5章 ボレロ
あとがき
2018.01.13 著者が来校。
2018.01.29 読書開始
2018.02.11 読了
2018.02.21 品川読書会で紹介する。 -
読みながら、中年の私も、胸に抱いていることを形にしてみたいなあという気持ちになった。
夢を抱くこと、社会と関わりながらその夢に向かって進むこと、そうしたことが今ひとつわからずに佇んでいる若い人たちに手に取ってほしい一冊だと思った。
リーダーには、あきらめない心や地道な努力、仲間への信頼があったから、活動を続けて来れたのだろう。 -
世界には成功譚があふれている。それは当然大切で素晴らしいことだけど、強い正しさは時に暴力的な強さで、同じだけの何かを私たちに迫ってくることがある。
でもこの本にはそれがない、根底にあるのは確かで静かな情熱だけ。
生活必需品でない芸術ー映画を途上国に届けるということは、まだ知らない楽しさや自分の可能性への気づきを届けること。
食糧や薬や勉強が伝えられない感覚的な〝世界〟は、消化されて子供達の夢の種になる。
その種を届けるという人々の夢を、私はとても美しいと思った。 -
夢アワードのプレゼンの
動画を見て読みたくなった。
かっこつけない、いばらない
自然体で、強がらない
でも、夢は人一倍大きい。
そんなリーダーが映画配達人として
子供たちに映画を届ける。
紆余曲折、迷ったり、落ち込んだりしながら
夢を形にしていく。
まわりの応援がないと
実現しないんだな、ということを教えてくれる。
1人でやる必要はない、
でも覚悟は必要。
すごいな、 -
へたれ女の応援歌。