引揚小説三部作: 「夢かたり」「行き帰り」「嘘のような日常』」

著者 :
  • つかだま書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784908624049

作品紹介・あらすじ

「お母さん、いまわたしはどこにいるのでしょう? わたしが帰る場所はあるのでしょうか?」

 こんな時代だから知ってほしい――。
 敗戦後、植民地から引揚げてきた日本人たちの
 日本という国家や日本人に対する複雑な想いを。

日本の植民地だった朝鮮半島で「軍国少年」として育ち、敗戦のため生まれ故郷を追われ、その途上で祖母と父を亡くし、命がけで「38 度線」を超えて内地に引揚げてきた。しかし、敗戦から何年が経っても、心の奥底には「日本」という国家や「日本人」に対する違和感を抱え、自らを日本人でありながら「異邦人(エトランゼ)」のように感じていた――。そんな引揚者たちの「失われた故郷」での美しき想い出、ソ連侵攻による恐怖、国家に対する幻想と崩壊、そして、不条理に奪われた「アイデンティティ」を取り戻すための葛藤……。作者自身の引揚体験を描いた『夢かたり』『行き帰り』『噓のような日常』の三作品を完全版で所収!

◉作者自身の引揚体験を描いた三作品を完全版で所収
◉巻末解説:山本貴光(文筆家・ゲーム作家)

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  • 巻末解説:山本貴光

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著者プロフィール

●後藤明生(ゴトウ・メイセイ)1932年4月4日、朝鮮咸鏡南道永興郡永興邑生まれ。敗戦後、旧制福岡県立朝倉中学校に転入。早稲田大学第二文学部露文学科卒。博報堂を経て平凡出版(現マガジンハウス)に勤務。67年、「人間の病気」で芥川賞候補。翌年、専業作家に。「内向の世代」と呼ばれる作家として注目を集め、代表作に73年発表の『挾み撃ち』が高く評価される。77年に『夢かたり』で平林たい子文学賞、81年に『吉野大夫』で谷崎潤一郎賞、90年に『首塚の上のアドバルーン』で芸術選奨文部大臣賞を受賞。89年、近畿大学文芸学部の設立にあたり教授に就任。93年より同学部長。99年8月2日、逝去。

「2020年 『四十歳のオブローモフ【イラストレイテッド版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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