朝、目覚めると、戦争が始まっていました

制作 : 方丈社編集部  武田 砂鉄 
  • 方丈社
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本棚登録 : 52
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784908925344

作品紹介・あらすじ

昭和16年12月8日、太平洋戦争勃発。あの日、日本人は戦争をどう感じ、何を考えたのか? 当日の知識人・著名人の日記、回想録から偽らざる戦争の実感を甦らせる。解説:武田砂鉄。特別収録:太宰治短編小説『12月8日』。

感想・レビュー・書評

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  • 何かに似ていると思ったら、twitterのまとめだ。開戦当日の著名人のつぶやきがまとめられている感じ。初めてtwitterを見たとき「うわ、こんな個人の生々しい言葉がたくさん並んでいいのかな」と思った。それと同じように、小さいけれど正直な言葉が並んで生々しさが迫ってくる。

    買ったきっかけはネット上の書評で、構成がしきりに褒められていたのは納得する。朝7時の有名な「臨時ニュースを申し上げます」の言葉から始まり、著名人のその日の記述が並んだあと、またラジオニュースの原稿が挟み込まれる。1日でこんなに次々と戦果が報じられているなんて知らなかった。当時17歳の吉本隆明を筆頭に年齢順に並んでいて、どの年代でも清々しい気持ちや閉塞打破の期待が滲んでいる。

    この日だけで考えれば、ガンガン戦果を上げているし、同様の勢いで数カ月攻め続けたら米英は折れるんじゃないかと思うだろう。結果を知っているからこの明るさに愕然とするけれど、今すでに自分たちも実は変な明るさに囚われているかもしれない。怖いなと思う。

  • 著名人が当時開戦の報にどう感じたかが続く。開戦時のラジオ放送などの報道が時々挟み込まれ、リアリティを感じる。この辺りの編集は上手いと思う。高揚感を覚える人が多いのに驚いた。(え、この人が)と最初こそ驚いていたが、その視点を持つのは後の結果を知っているからであって不遜だと思い、途中でそうした視点を排除して読み進めた。啓蒙的な文章があるわけではない。しかし手元に置いて時々何かを確かめるように読みたいと思わせる一冊。

  • 予想通り誰もが閉塞感の打破に繋がる開戦の報に感激していた。埴谷は我が身が殺される日だと感じ、「自分達の責任を感じた」清沢洌は終戦までに病死した。私はこの身をこれからどう処すのかと自問する契機にはなる一冊。

  • 幕末維新以降の急速な近代化の中、対外戦争についてはなぜか失敗体験を持っていなかった当時の国民。
    比較的広い視野を有するはずの文化人たちでさえ「行け行けドンドン!」な見識なのだから、我々のような一般ピープル庶民だったら、なんの憂いもなくバンザーイ!と叫んでしまうのだろうな。
    コテンパンに負かされ、敗戦後の辛苦を体験してきた国の国民だからこそ、平和の尊さは今や当然わかっているはずだ。

    戦争ダメ!ゼッタイ!

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