- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784908925733
作品紹介・あらすじ
アメリカ大統領選挙は混迷を極めるが、その陰には「忘れられたアメリカ人」と呼ばれる人々が多数存在した。彼らの声は表立ってメディアで取り上げられることはない。自分たちの主張を「大きな声」で行なうアメリカの圧力団体や政治的組織などにも属さない。そんなアメリカで時々の政権や社会から取り残され、忘れられたように見える人々の「自由」と「民主主義」は、日に日に巨大化を続ける民主党勢力に、ことごとく奪われている。
本書は、その過酷な現実を現地の地上からの目線で描き出したノンフィクションである。著者は30数年、米国の中西部シカゴの郊外やニューヨークなどに住み、家族をもち、生活し、ビジネスをしてきた人物である。
2020年にコロナ禍が起こり、全米規模のロックダウンが敷かれると、ワーキングクラス、とくに貧困層の人たちを直撃することになった。その中で、2020年全米で荒れ狂った人種差別反対を旗頭にして、暴動、略奪、放火が大都市を中心に頻繁に起きた。その影にはメディアではまったく取り上げられてこなかった大勢の犠牲者がいる。その姿を活写する一冊である。
感想・レビュー・書評
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著者の山中泉さん、在米30年超のシカゴ在住の企業経営者の方だそうですが、よく書きましたね… 昨年来アメリカで起きていたことの、マスコミで報道されるのとは違った見方がよく分かります。力作といって良いでしょう。
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BLMが何なのか、アメリカ大統領戦の不正が、何を引き起こしたのか、
自身のアメリカでの経験を踏まえて、日本のTVメディアでは決して報道されないアメリカの現状を分かりやすく解説してくれています。 -
アメリカに40年間住んでいる著者である山中氏によって書かれた本です。実際に目で見たこと、経験したことをベースに書かれていて、現在の本当のアメリカがわかると思います。本書に書かれいる通り、日本で聞くアメリカの姿は、ほんの一部にしか過ぎないことがよく分かりました。
それにしても昨年11月の米国大統領選挙はなんだか変だったと思います。思い起こせば日本にとっては民主党の大統領の時にはあまり良い時代ではなかったと思います。これから4年間、日本にとっても正念場だなと思いました。
以下は気になったポイントです。
・民主党は庶民の代表の党ではなくなって久しい、独占体制を確保している会社から巨額の選挙資金を受けている、共和党は、中小企業事業主、保守層ミドルクラス以外に、トランプが政権を取ってから、ワーキングクラス、黒人、ヒスパニック、アジア系のマイノリティを支援者に加えた形の党に変わってきた(p17)
・新型コロナが多くの人に与えた災厄は色々(感染による死亡、隔離、経済的ダメージなど)あるが、最大のものは「人と人との絆を断ち切った」ことにある(p32)
・全米で暴動による被害は2000億円を超えている、大企業以外の大半の名もない個人小店舗の被害者たちはその怒りをどこにもぶつけることができない。彼らは「忘れられたアメリカ人」である(p42)
・現在アメリカではBLM反対の言葉を出すと、その人は所属の大学、組織、会社から解雇されるという現実が起きている(p96)
・大都会を始め、殆ど全て民主党首長であり、BLMの要求する「警察の予算カット」に従い、大幅の警察予算のカットを進めてきたので、都会での犯罪現場に駆けつけることができない状態が起きている、モラルも低下している(p124)
・オバマケアにより何が起きたかというと、低所得者家庭・無所得者家庭の人達の保険料をミドルクラスが負担することになったので、ミドルクラスは毎月の保険支払い料が最低でも倍になった(p142)
・民主党による長年の黒人に対する誤った政策から3つの脱却を測るべきである、1)依存からの脱却、2)黒人であることが犠牲者であるとの認識からの脱却、3)長年の誤った洗脳からの脱却、さらに家庭に父親が不在であることも黒人コミュニティが抱える問題である(p149)
・日本郵便と異なり、米国郵便公社への信頼は米国では著しく低い、よく紛失する。重要な書類や商品は日本でいうところの宅配便を高額だか安心のため使用する(p165)
・トランプ弁護団による隔週の裁判所、最高裁への訴訟は、審議をする前に却下された。つまり法廷は不正選挙があったかどうかを審議することを拒否したわけで、一番重要な「不正があったか、なかったのか」に対する答えが出ていない(p166)共和党とトランプ陣営は、3000人に上る宣誓供述人の多くの人たちが不正疑惑州で行われた公聴会で自分たちが不正を見たと告発しているが、それを裁判所が審議することを拒否した(p204)
・メディアの価値を図るには、1)何を報道しているか、していないか、2)事実をどのように報道しているか、3)どのくらいの時間、誌面をさいて報道しているか(p193)
・アメリカの通信品位法230条によれば、レストラン評価氏とへの誹謗中傷に対して、レストランはレビューアーに訴訟を起こすことはできるが、サイトには訴えることができない(p262)
・バイデンの得票数は、ミルウォーキー、デトロイト、アトランタ、フィラデルフィアを除く、全国全ての主要都市圏でヒラリーより下回った。民主党系知事や首長の激戦州大都市では、投票数が登録有権者数を上回っている(p277)
・アメリカでは新型コロナと診断した段階で、13,000ドル、人工呼吸器を取り付けた段階で、39000がメディケアから支払われる。さらに2020年米国コロナ緊急対策費(320兆円)からコロナに要した費用に20%上乗せして医療機関に支払われる(p295)
2021年5月1日作成 -
あんま自慢すんなよ
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アメリカについて、いまマスコミなど日本で当たり前と報道されている事項について、全く別の視点で書かれた書籍。
著者は長年アメリカに居住。トランプ支持者である。
国際的なグローバリズム。安いコストで作れる場所で製品を作り、最も高く売れるマーケットで売る。これにより、工場の海外移転が起こり、アメリカに職を失ったアメリカ人が残った。
いわゆるトランプ政策の妥当性が、トランプ支持者の考える事がよくわかります。
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驚きばかり。
SNSもテレビも情報操作されている怖さ。
真実を何も知らずに、テレビの情報を鵜呑みにしていた過去の自分が恥ずかしい。
現地に住む人じゃないとわからない事実がある。たくさんの忘れられた(政治やメディアから無視されている)アメリカ人の状況や思いも知ることができた。
ただの政治の本じゃなかった。メディアの使い方を考えさせられた。
著者プロフィール
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