さよなら、俺たち

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  • スタンド・ブックス
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レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909048080

作品紹介・あらすじ

1200人を超える女性の恋愛相談に耳を傾けた結果、見えてきたのは男たちの幼稚で狡猾な姿だった。恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表として恋愛と性差の問題を発信してきた著者による、初の本格的ジェンダー・エッセイ集。失恋、家事、性風俗、マンスプレイニングからコロナ離婚まで、様々なテーマに根づく男性問題を掘り下げていく。男たちは今のままでいいのか。これからの時代私たちに必要なことは、甘えや油断、無知や加害者性など、自分の見たくない部分と向き合いながら、「俺たち」にさよならすることだ。

感想・レビュー・書評

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  • 8)ジェンダー=社会的文化的に形成された性別
    常識,役割,システム,ルール,教育,メディアなど様々な中に潜んでいてそれらを空気のように吸い込む事で知らぬ間に構築されてしまう男らしさ女らしさのようなもの。
    10)ジェンダーギャップ指数/世界経済フォーラム
    '20日本121位/153国
    男性であるだけで与えられている特権は確実にあってそれは考えなくても済む何となく許されているそういう事になっているという形で我々の周りに漂っている。だから多くの場合それが特権である事に気づかない。
    13)男性である事を主張しないとないものにされてしまう経験はそうそうないし男性という属性に関する説明を他者から求められる機会もほとんどない。俺たちという集合名詞に埋没し色んな事に無自覚のままでいられるという特権に浸ってきた我々は自己の言語化に向き合ってこなかった。
    23)つきあっていない事で安心感に裏打ちされた不安によって私を大事にできる。私はあなたに依存しすぎる事を抑えられる。だから誰と何をしているかなるべく聞かないし独占欲で縛らないようにした。
    35)文章の素晴らしさは水面下に広がる裾野の広さに比例する。書く為に費やした熱量、取材対象者と築き上げた関係性、人生を賭けて養ってきた技術や想像力。それらが下支えになって紡がれた文章だからこそ人の心を揺さぶる迫力が宿る。
    60)私達は感じる事をやめる事はできない。感じた事は最初形も大きさも不明瞭な何かとして身体の内部に発生する。それらの輪郭を捉え取り扱えるものにする工程が言語化という作業。それを続けていく事でしか想像力や共感力は育っていかない。ハラスメントをしてしまう気づかない人に必要なのはそういう極めて地味で地道なプロセスを延々繰り返していく事。
    96)人から褒められて嬉しい事に男女差はないはずなのに男の子は褒められるのが好きだけが自明のものとして扱われている理由は端的に幼稚だから。男の子は褒められないと機嫌を損ねるの方が実態に近い。
    246)家事とはシステムの上で回っていくものであり道具の管理や備品の補充、日時を覚えておいたりタイミングを図ったりと目に見える作業の下地には膨大な名もなき家事が存在している。人間関係にヒビを入れかねないのは相手の時間や労力を搾取する事に繋がっているから。この問題の根底にあるのは子供の頃から自分の時間と体力=全て自分の事に使うものという感覚。

  • ホモソーシャルの世界、無自覚なことにすら無自覚な世界だ。

  • ところどころのコミカルさに笑ってしまう

  • そんなに売れるとは思えないけど、懸命にフェミニズムを勉強しながら、あちこち正直っぽいところもありおもしろい人だと思う。同時に、いろいろ話を聞いて納得できないところもあるだろうけどそれをおしつぶしている感じも気になる。でもがんばってほしい。あとでゆっくり読むかもしれない。

  • 主語を大きくして語ることは、時にそれに当てはまらない人の否定に繋がりうるだろうし、そうは言っても人それぞれだよね、というのが基本的な私の考えではある。

    けれど、この本を読み通していく中で、やっぱり男性という括りでみたときに本質とまではいかずとも傾向として持ち合わせているものはあるだろうなと感じずにはいられなかったし、また、男性ということで知らず知らずのうちに得られている特権に対して無自覚である自分にも気付かされた。

    内容自体は著者が各媒体で書いてきたエッセイを再編集したものということで、全編でワンメッセージというよりもライトな入り口(著者自身の恋愛経験をベースにしたものや、映画や漫画のサブカルを切り口にしたもの)から日本という国におけるジェンダーのあり方を問うものまで幅広い。

    個人的にはdoingとbeingの話、性欲に対する見解の話が印象に残っている。

    スキルやお金、偏差値やフォロワー数、何かを持っているか持っていないかで評価されるdoingの世界。もちろん、そういった定量的に可視化できる部分も含めて人間ではあるのだけれど、もしかしたら、そちらの世界に偏り過ぎているのかもしれない。もっとあるがままを受け入れる社会であってもいいんじゃないかという話は、しばらく考えたいテーマになった。

    そして、筆者の性的嗜好をオープンにしてまで考察をする性欲に対する考え方。一口に性欲と言っても、そこに含まれるものは多様で、決して単純な肉体的快楽だけを指すものでは無いという指摘と、個人的な性的嗜好の裏側には本人に根付く願望や環境があるのではという指摘。そうやって深掘って考えてみること自体に価値があるんだろうなと思えた。

  • 清田さんほど自分の趣味趣向を知っているだろうか?自分のことは差し置いて、何か(誰か)を評価したり嫌悪したりしていないだろうか?何かを考えるには、まず自分を知ることからだということをつくづく考えさせられた。

  • さよなら、俺たち

    幼稚さなんだと感じた

    人を認めない
    自分と違う意見は聞こえない
    自分と関係ないことには意見がない

    片付けない
    意見を言われると機嫌が悪くなる

    フェミニストの意見は結構好きだけど
    あまり大きな声では言えない
    めんどくさい奴になりたくない

    それらの本を読むと
    そうだ、そうだと思う

    物わかりのいいことが良しとされる
    母親的なものをもとめられても困る
    そもそも、母親も問題なのかもしれない

    娘たちも片付けない
    これは幼稚さ


    勘弁してほしい

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著者プロフィール

1980年東京都生まれ。文筆業、恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表。早稲田大学第一文学部卒業。これまで1200人以上の恋バナを聞き集め、「恋愛とジェンダー」をテーマにコラムやラジオなどで発信している。『cakes』『WEZZY』『QJWeb』『an・an』『精神看護』『すばる』『現代思想』『yom yom』など幅広いメディアに寄稿。朝日新聞be「悩みのるつぼ」では回答者を務める。桃山商事としての著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)『生き抜くための恋愛相談』『モテとか愛され以外の恋愛のすべて』(共にイースト・プレス)、トミヤマユキコ氏との共著に『大学1年生の歩き方』(左右社)、単著に『よかれと思ってやったのに──男たちの「失敗学」入門』(晶文社)がある。

「2020年 『さよなら、俺たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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