経営理論に学ぶ病院経営戦略~経営学の巨匠は、この時代に何を示唆してくれるのか

著者 :
  • ロギカ書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909090454

作品紹介・あらすじ

国は地域医療構想の実現に取り組んでおり、医療提供体制に関する改革を2025年に向けて進めている。人口減少が進む中、効率的で効果的な医療提供体制を構築することは政策的にも医療機関の側からしても望ましいことであり、機能分化と連携を支柱にした医療提供体制の整備に向けて皆で取り組んでいく必要がある。さらに2040年を見据え地域医療構想だけではなく、医療従事者の働き方改革の推進、医師偏在対策といった三位一体の改革が進められている。
そんな中、新型コロナウイルスにより医療機関経営はかつてない厳しさの真っただ中に突入した。特に東京都などの特定警戒都道府県にある新型コロナウイルスの入院患者を受け入れた病院の業績悪化は著しく、先が見えない不確実な時代が到来している。救急車搬送、紹介患者が激減し、病院業績は著しく悪化している。患者数減によって稼働率は下がったが、給与費は固定費であるし、材料費の減少幅もわずかであり、財務状況は火の車だ。2020年夏の賞与は支払えたが、冬のボーナスは払えない財務的窮地に陥る病院も数多くある。
緊急事態にはコストカットなど短期的に効果が発現しやすい対策への取組みも必須であるが、将来の成長を見据えた中長期の視点も欠かすことはできない。過去の常識にとらわれない思い切った打ち手が求められているわけだが、今は何をしたらよいのか、途方に暮れる経営者も多いことだろう。
しかし、幸いなことに脈々と受け継がれてきた経営学の理論・学説があり、それらが示唆してくれることを今一度整理しなおすことが有効である。経営の定石を知らずして新たな時代を切り拓くことはできない。経営学の巨匠たちが何を考え、主張してきたかを知ることにより、さらに深みのある病院経営が可能となるはずだ。
これらの理論はMBAなどの経営大学院では必須の知見であり、本書では病院経営に関係するできるだけ多くの学説を網羅することに努めた。そして、一般企業の事例ではなく、病院を中心とした文脈の中に位置づけたのが本書である。もちろん理論を知っていれば、病院を成長させられるほど経営はたやすいものではない。きれいごとだけでは済まされない生々しい現実も存在する。ましてや今日のような時代に突入すればなおさらである。
しかし、日々悪戦苦闘する病院経営者には処方箋が必要であり、先人の知恵から学ぶことの価値があると考えた。本書が病院経営を志す多くの方の参考になれば幸いである。

著者プロフィール

東京医科歯科大学医学部附属病院特任講師

「2012年 『診療報酬制度と医業収益』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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