- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784909090515
作品紹介・あらすじ
新型コロナウイルスの世界的大流行が、日本経済および社会の変化を猛烈に加速させています。
とりわけ労働市場では、コロナショックをきっかけに、人に仕事を割り当てる「メンバーシップ型」よりも、仕事に人を割り当てる「ジョブ型」を求める流れ、「ゼネラリスト」よりも「スペシャリスト」を求める流れが加速しています。ビジネスパーソン側でも、組織に頼らず、どのような時代になっても生き残ることのできる、自立したキャリアを築きたいという志向が高まってきています。
コロナショック以降、より顕著になった、こうしたキャリアニーズに対応するために、ビジネスパーソンはどのような能力を身に付ける必要があるのでしょうか。時代の先行きがこれまで以上に不透明になるなかで、どうすればビジネスパーソンとして自己の職務に誇りを持ちながら、人生をサバイブしていけるのでしょうか。
本書では、時代の変化に強く、汎用性の高いスキルとして「経営×ファイナンス」という能力を提示します。
ここで、我々が「経営×ファイナンス」という能力を取り上げる理由は、事業目標の設定、計画策定、チームをモチベートしながら組織を前進させる経営力と、資金の調達、最適配分を行いながら、予実を管理しキャッシュを最大化するファイナンス能力は、組織を運営するために必須の能力であり、また、資本主義の中心的機能だと思うからです。
時代が変わっても、所属する組織が変わっても、扱うサービスや業界が変わっても、はたまた会社員、個人事業主、起業家といった働き方が変わっても、組織運営にとって不変的な機能である経営とファイナンスに関する能力は時代を超えて求められ続けます。そして、それらがあれば、そもそも組織に所属せず独立する道も開かれるでしょう。
ただし、当然のことながら、こうした能力は、座学だけで身に付けることはできません。「経営×ファイナンス」の能力は、経営に近い現場でさまざまな修羅場を乗り越えながら磨き上げていく必要があるのです。
そして、これらの能力を組織に所属しながら最も効率的に高められる業界として、M&A、事業再生、PEファンドという3つの業界を取り上げます。
本書の後半部では、これらの3業界を一括して「経営×ファイナンス業界」と呼び、同業界がWithコロナ、アフターコロナの時代にこそ伸びる背景やこれらの仕事の魅力について、現場経験者と業界専門のキャリアアドバイザーの視線を交えながらお話したいと思います。
感想・レビュー・書評
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M&A、事業再生、PEの業務について大まかに把握するのに良いし、内容もなんとなくわかるので、自分が転職する場合、どの領域が好きか分かり易い。
これらの領域の知識や経験はいろんなところでも生きるのだろうなと思う。ただ、こういうことを意識して今の仕事に取り組むだけでも得るものもあるのだろうと思うから考えながら仕事をしてみよう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【読む背景】
新たにM&A,事業再生,PEファンドの領域に足を踏み入れることになるので、業界の構造や具体的な業務内容、キャリアの道筋などを頭にいれておきたかったから。
【感想】
全体として期待していた通りの情報量が詰め込まれていた。
本全体を通して、非常に学びになる箇所と、そうでもない箇所の濃淡がはっきりしていた。
特に学びになったのは、図を用いて説明してくれている箇所である。
50pの「経営×ファイナンス業界」エコシステム概念図は各プレイヤーの動きを俯瞰するうえで貴重である。55、65、75pのM&A、事業再生、PEファンドについてのそれぞれの業務プロセスにつていの図も、単にプロセスが細分化されるのみならず、各フェーズで必要となる担当者様のスキルセットを掲載しているのが良かった。
あえていうと、その他のページ(1章やインタビューの項目)はやや内容薄だった印象。
ただ、総じて今私が知るべき情報を知ることができた。
【印象に残った箇所】
p4
時代の変化に強く、汎用性の高いスキルとして「経営×ファイナンス」という能力を提示します。
(中略)
我々が「経営×ファイナンス」という能力を取り上げる理由は、事業目標の設定、計画策定、チームをモチベートしながら組織を前進させる経営力と、資金の調達、最適配分を行いながら、予実を管理しキャッシュを最大化するファイナンス能力は、組織を運営するために必須の能力であり、また、資本主義の中心的機能だと思うからです。
p5
これらの能力を組織に所属しながら最も効率的に高められる業界として、M&A、事業再生、PEファンドという3つの業界を取り上げます。
p68
PEファンドの採用責任者と話しをしていると、「投資銀行出身者はファイナンスは強いが、事業理解が弱い傾向にある」一方、「戦略コンサル出身者は基礎能力が高いし、事業面に強みがあるので素晴らしいが、ファイナンス面が弱い人が多い」という会話になることがあります。こうした観点からすると、事業再生コンサル出身者は、事業と財務の双方の経験を積んでいるうえに、とにかくタフに、最後までやりきる力がある。
p178
この仕事はビジネス、会計、法務、人間心理、コミュニケーション能力、人格、さらには歴史や宗教などの教養力も含んだ人間としての総合力を高められる仕事です。
(M&Aアドバイザリーについて:PwCアドバイザリー合同会社 福谷パートナー) -
あーそうだね。というところと、薄っぺらっ、というところと。
著者がおっしゃるように、若い人向けの本ですね。
書いてある当たり前のことを実践するのが難しいので、それは本では習得できないですね。
そして、読了扱いにしましたが、途中で読むのをやめてしまいました。
P30
経営力は「人間力」「コミュニケーション力」「胆力」「グリッド力」「事業計画策定力」等に、ファイナンス力は「係数理解力」「エクセル力」「財務会計力」「資金調達力」等に分解することができます。 -
事業再生、M & A、PEファンド業界に飛び込んで働いてみたいと思う人向けに書かれた書籍。これからは「ジョブ型雇用」が主流になるからそのためにはどのような能力を身につけファイナンスの業界で生き残っていくかが読み取れた。正直自分には関係ないかなという内容だった。若い人には一度読んで考えてみてほしいと思う書籍。
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【この本を一文で説明すると】
経営×ファイナンスの力を身につけるために、経営×ファイナンス業界(M&A、事業再生、事業投資)に飛び込んでキャリアを開くことを勧め、その内実やキャリア戦略を提示する本
【こんな人におすすめ】
・自分の市場価値を高めたいと考える20代、30代の若手ビジネスパーソン
・明確にやりたいことがなく、とりあえず社会的評価の高い業界に入った人
・M&A業界やPEファンドに興味がある人
【概要】
第1章 コロナは社会を10年進める
第2章 いま、求められる「経営×ファイナンス」能力とは?
第3章 「経営×ファイナンス」業界とは
第4章 「経営×ファイナンス」業界が伸びる社会的背景
第5章 「経営×ファイナンス」業界に入るための戦略を伝授
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経営×ファイナンスのキャリアについて、PE・M&A・事業再生の先駆者たちに今後の業界動向や業界で働いている背景等をインタビュー形式で綴っている。また、転職するにあたり必要な業界知識やその後のキャリア形成についても綴っている。私も事業再生業界への転職を考えている際に読んだが、経営者となるべく事業と財務の両者を学べると改めて確認できた。PE業界に関する知識は全くなかったが、業務内容や転職難易度について大枠を理解することができた。数年に1回、面接も6回以上と相当な覚悟を持たなければならないとは知らなかった。