彼岸の図書館: ぼくたちの「移住」のかたち

  • 夕書房
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本棚登録 : 108
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909179043

作品紹介・あらすじ

古代地中海研究者の夫・真兵と、大学図書館司書の妻・海青子。夫婦そろって体調を崩した4年前、都会から逃げるようにして向かったのは、人口わずか1700人の奈良県東吉野村。
大和の山々の奥深く、川の向こうの杉林の先にある小さな古民家に移り住んだ2人は、居間に自らの蔵書を開架する「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」を開設します。訪れるさまざまな人たちとの対話を重ねるうち、「ルチャ・リブロ」は単なる私設図書館を超え、山村における人文知の拠点へと発展していきます。

本書は、青木夫妻が移住を決意してから「ルチャ・リブロ」を立ち上げ、「土着人類学研究会」を開催しながら、現代社会の価値観に縛られない「異界」としての知の拠点を構築していくまでの「社会実験」の様子を、内田樹氏や光嶋裕介氏などとの12の対話とエッセイで綴る、これまでにない「闘う移住本」です。

人文知の拠点は「地面に近いところ」に構築されるべきというシンペイ君の直感にぼくからも一票――内田 樹

【対談者】内田樹(思想家・武道家)/光嶋裕介(建築家)/神吉直人(経営学者)/坂本大祐(デザイナー)/東千茅(耕さない農耕民)/太田明日香(ライター)/野村俊介(茶園経営)/小松原駿(蔵人)/鈴木塁(ウェブ制作)

感想・レビュー・書評

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  • 都会での暮らしに倦み、疲れ、〝ほうほうのてい〟で、奈良県の山あいの集落に居を据えた夫婦。
    所有する本を並べ、開放し、私設図書館を開く。
    語られるのは、これからの日本、生き方、考え方。
    伸びやかに、確かに生きていこうというそのさまに共感した。

  • 11/30朝日新聞書評

  • 自分の才能はどの程度のものか、世間に通用するものか、それを知りたい人は東京に出てきたくなる。個人の能力の査定と、格付けについては、迅速かつ正確。そういうタイトな生存競争が向いている人は東京が合っている。若くて才能が査定された人はすぐにメディアにもてはやされて、高い年収を保証される。でも何年かそういう競争的環境に身を置くと、疲れて来る。

    同じ技能を比較しないと、精密な格付けはできない。でもこれって、集団全体で見れば、何の意味もない。全員が世界中のさまざまな言語にばらけている集団の方がパフォーマンスが高い。

    東京のスピードと脅迫的な格付けにうんざりした。個人の能力や素質がわりとはやくかなり適切に査定される。だから、自分の才能がどの程度のものか、それを知りたい人は出て行きたくなる。でも若い人をゆっくり時間をかけて育てるとか、異能が成熟するのを待つというようなことはしない。

    競争的環境に身を置いてゐると疲れて来るし、フロントランナーでいることが人間にとってそんなに大事な事なのか歌側しくなる

    同じ技能を比較しないと、精密な格付けはできない。都市部ではみんなが同じような能力を求められてその格付けで低位につくと不要な存在となる

    特定の地域だけを絶対視するのではなく、。土着のものと外来のものとを習合するというのは、日本のスタイル。東吉野村で、吉野杉の研究をしていても煮詰まる。

    大学が知的活動の拠点であるという時代は終わった

    ひとりひとりが研究拠点をつくり、独自に研究活動を行い、発信していく

    これまでアカデミアが果たしてきた機能を誰かがどこかで継承しなければいけない

    必要なものを必要なだけ生産する


    じぶんのちょうどいいを求めて生きる


    個別解


    個別的ー数値化できない⇔モダニズム

  • 19/11/08。

  • 誠光社にて、本書出版記念の内田先生との鼎談を聴いてきた。3人のサインもいただいた。ついでに内田先生の「そのうち何とかなるだろう」にもサインしてもらった。内田先生の話はどこかできっと読んでいるはずだけれど、やっぱりおもしろい。書物は異界への入り口なのだ。図書館では自分がいかに無知であるかを知ることができる。ルチャ・リブロへはいつか行けるかなあ。ふうせんかずらにも結局まだ1回も言ってないしなあ。本書の感想はまた読んでから。いま、また渋滞中で、7番目くらいかな。いつになるだろ。

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著者プロフィール

1983年生まれ。埼玉県浦和市に育つ。人文系私設図書館ルチャ・リブロキュレーター。古代地中海史(フェニキア・カルタゴ)研究者。関西大学大学院博士課程後期課程修了。博士(文学)。2014年より実験的ネットラジオ「オムライスラヂオ」の配信をライフワークにしている。現在は、障害者の就労支援を行いながら、大学等で講師を務めている。奈良県東吉野村在住。
https://lucha-libro.net/

「2019年 『彼岸の図書館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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