- Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784909237354
作品紹介・あらすじ
「はっきり言わせてもらおう。たまらなく読みやすいこのフィッシャーの著書ほど、われわれの苦境を的確に捉えた分析はない」スラヴォイ・ジジェク
感想・レビュー・書評
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わたしたち適齢期の若者たちのこの虚無感はいったいなんだろうか⋯。労働や消費や文化という枠組みについて、敏感な人たちはだいたい諦めている。それは資本主義以外の現実が存在しないことに由来するものかもしれない。ところどころ不親切で読むのに苦労した部分(イギリスの話とか、映画の話とかわからん。現代思想の知識も多少ないと厳しい)はあるが、この問題意識には100票入れたい。個人的には虚無だからこそなんでもやればいいんじゃないという気持ちがある。失うものなんかないし⋯。
『ele-king』野田さんの書評。こちらも一読を。
http://www.ele-king.net/review/book/006142 -
オルタナティヴを失い、格差の拡大や金融恐慌など様々な問題点をさらけだしながらも生きながらえる資本主義。
ここで言及されるリアリズムはまさに今を生きる中での閉塞感を捉えている。
スターリニズムが引き起こした害悪として語られていた虚構の目標という構造が、新自由主義により露骨な形で発露しているという考察は大変興味深い。
スーパーナニー的傾向はSNSに限らず社会に潜んでいる。我々はどうこのリアルと向き合うべきなのか。
このような鋭い論陣を張るマークフィッシャーが、すでにこの世にいないというのは残念だ。 -
生きててほしかったな
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オリンピックの失態を誰も責任が取れない体制についてモヤモヤと考えていたのでいい刺激になった。近田春夫の「調子悪くて当たり前」に続く何かを考えていく必要があると感じた。
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悪や無知を幻影的な"他者"へと振り払うことで否認されるのは、私たち自身の、地球規模に渡る圧制のネットワークへの加担である。
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この本は論説ではなくエッセイです。現代社会は「新自由主義」が所与のものとしてもはや疑いのないものとなっていると指摘、そういう枠組みをどうやって変えていくのか筆者は読者一人一人に問うています。
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マークフィッシャーって鬱病でなくなったのか、残念です。めちゃくちゃおもしろかった
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現代人類の世界観、価値観、心理状況などを示した。こういった分析があるのに、今の日本での言説がどうしてこうまで視野が狭いのだろうと不思議に感じてしまう。この本を読めば、社会を考える時によく広められた話では、挙動できるといった意味合いでしかなく、テクノロジーの下部化からは何も逃れず、かえって逆効果なものが返ってくることが理解できる。”その”気分よく納得している(させられている)ものを蹴飛ばすことが、変わっていく条件の一つだ。また、「未来」という言葉よりも「将来」と考えた方が良いのではないかと思うようになった。もう満ちた面があるのに、もっとよくなるという気でいると、社会はなにも変えられないだろうと思ったからだ。過剰なものに対して、ボトムアップもトップダウンも無効だ。理想を語り合うのもいいが、排水溝の掃除みたいな意識もなければ多分、無駄なカロリーになる。