楽園をめぐる闘い: 災害資本主義者に立ち向かうプエルトリコ

  • 堀之内出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909237392

作品紹介・あらすじ

「これはプエルトリコで今まさに繰り広げられている典型的な「ショック・ドクトリン」をめぐる時宜を得た迫真の報道である。ナオミ・クラインは、プエルトリコの金融のメルトダウン、ハリケーンによる荒廃、そしてワシントンによってアメリカ合衆国の最も重要な植民地に押しつけられた、部外者で構成される管理委員会が引き起こした新自由主義的な民営化とウォール街の欲望に対する、プエルトリコの人びとの目覚しい草の根の抵抗を記録する」。──フアン・ゴンザレス、デモクラシー・ナウ!共同代表、『帝国の収穫──米国のラティーノの歴史』の著者

「この著作において「ショック」なのは、プエルトリコの人びと(プエブロ・ボリクア)〔スペイン入植以前の先住民のことを指す言葉で、プエルトリコのプライドを強調する際に用いられる〕の強靭な精神である。彼ら彼女らが象徴し、意味し、つくりだすのは、可能性なのである。このことは読者に計り知れない希望を与えるのだ」。──シュリー・モラガ、カリフォルニア大学サンタバーバラ校英文学教授、チカーノ先住民思想・芸術実践を研究するラス・マエストラス・センター所属

「ナオミ・クラインは、ハリケーン・マリアの前にも後にも、プエルトリコがショックに次ぐショックのなかで、なにに直面してきたのかということを、そして自分たちの共同体の力強さによってプエルトリコの未来を信じ、築こうとする人びとの声を、簡潔にあきらかにする」。
──アナ・イルマ・リベラ・ラッセン、フェミニスト、人権活動家、元プエルトリコ弁護士会会長

=====

ハリケーン・マリアの瓦礫のなかで、プエルトリコ人と超富裕層の「プエルトピア人」たちは、その島をどのようにつくりかえるかをめぐる激しい闘いを争っている。ベストセラー作家でアクティヴィストのナオミ・クラインは、この活力溢れる驚くべき調査によって、ショック政治と災害資本主義の諸勢力がどのようにして「公正な復興」を目指す国民の急進的で強靭なヴィジョンを掘り崩そうとしているのかを暴露する。

「わたしたちは、わたしたちの生をめぐる闘いの最中にいるのです。ハリケーン・イルマとマリアはプエルトリコでわたしたちが直面する植民地主義とそこから生じた不平等をあきらかにし、過酷な人道的危機を引き起こしています。今わたしたちは平等性と持続可能性へと通じる道を、投資家によってではなく、共同体によって導かれる道を見つけなければならないのです。そしてこの本が注意深く偏見のない報告によって説明するように、わたしたちの共同体の活動家たちによる努力だけが、最も重要な問い、すなわちわたしたちはどのようなかたちの社会を目指したいのか、プエルトリコは誰のためにあるのか、といった問いに答えることができるのです」。──カルメン・ユリン・クルーズ、サンフアン市長

「ほかの多くの同世代人と同じように、わたしは九〇年代後半からナオミ・クラインの読者であり、彼女の徹底した報道と思慮深い分析から常になにかを学んできました。投機と搾取、そして気候変動による危機に直面しながら、この本はわたしたちに、民主主義、正義、そして人間の生そのものをめぐるプエルトリコの闘いを、わたしたち自身の闘いなのだと認識することを求めるのです」。──アダ・クラウ、バルセロナ市長

感想・レビュー・書評

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  • ナオミ・クライン「楽園をめぐる闘い」読了。プエルトリコはこれまで馴染みのない国であった。しかし本書を通じその自然豊かだが貧しい国が災害に見舞われ、米国の超富裕層に食い物されている様を知り、戦争でなくても強者が弱者を侵食する恐ろしさを感じた。またそれらに抗う勢力にこれからの希望も感じた。

  • 未曾有の災害に見舞われたプエルトリコを舞台に、支援、救援の、旗印の下に跋扈する者達。
    支援を隠れ蓑にインフラを牛耳る。
    復興と言い飾り住民を立ち退かせリゾート開発を進める。
    それらは実に用意周到に進められ、災害発生と共に姿を現し速やかに実行に移される。
    世界中で起こるこれらの策略に、市井の人々は諾々と従うしかないのか。
    違う未来を手にできるのか。

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著者プロフィール

1970年、カナダ生まれのジャーナリスト、作家、活動家。デビュー作『ブランドなんか、いらない』は、企業中心のグローバリゼーションへの抵抗運動のマニフェストとして世界的ベストセラーになった。アメリカのイラク戦争後の「復興」に群がる企業の行動に注目したことがきっかけとなった大著『ショック・ドクトリン――惨事便乗型資本主義の正体を暴く』は、日本でも多くの読者に受け入れられた。『これがすべてを変える――資本主義 vs。気候変動』は、「『沈黙の春』以来、地球環境に関してこれほど重要で議論を呼ぶ本は存在しなかった」と絶賛された。2016年、シドニー平和賞受賞。2017年に調査報道を手がける米ネット・メディア「インターセプト」に上級特派員として参加、他に『ガーディアン』『ネーション』などさまざまな媒体で記事を執筆している。

「2019年 『楽園をめぐる闘い』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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