アイヌのことを考えながら北海道を歩いてみた 失われたカムイ伝説とアイヌの歴史

  • ユサブル
3.06
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本棚登録 : 106
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909249470

作品紹介・あらすじ

アイヌ人口は減少の一途をたどり、2013年の調査によれば16,786人。
一方でその生活文化に注目し、学習する人は確実に増えている。中略~そうした中でここ数年、アイヌ関連観光が推進されている。
アイヌ舞踊ほか文化芸能を紹介するイベントが頻繁に行われ、アイヌの民俗をふんだんに取り入れた漫画『ゴールデンカムイ』が大ヒット。
そして2020年には白老町のアイヌ民族博物館が大々的にリニューアルし、国立アイヌ民族博物館を主軸とする民族共生象徴空間「ウポポイ」へと生まれ変わった。だが――。~本文より。

最果ての町から絶海の孤島まで、日本の隅々を自らの足で歩いてまわる旅作家・カベルナリア吉田がアイヌとは何かを求めて北海道中を歩いてまわった旅記録。アイヌと開拓、明治以前のアイヌと和人の交流と抑圧の歴史。そんな記憶が残る場所を訪ね、ある時は有名観光地で観光化が進み過ぎている現状に違和感を感じる。そしてほとんど観光ガイドには取り上げられない地を歩き、100年前のアイヌと同じ風景を見る。
自分の足で実際に見て感じたアイヌの過去と現在。

感想・レビュー・書評

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  • じっくりと時間をかけて読んだ。

    著者のカベルナリア吉田さんは、何事も決めつけることなく常に疑問を持ちながら北海道・アイヌの地を7年もの月日をかけて巡り、形にされた。
    北海道のディープなガイドブックくらいの気持ちで読み始めたのだが、歴史的な観点や伝承、行政の話など多岐にわたり、何度も読み返す場面もあった。

    北海道には何度か訪れたことがあるが、本当に表面的な観光でしかなく、そのイメージは20年以上アップデートされることがなかった。
    和人とアイヌの歴史、納沙布岬や宗谷岬に掲げられる”愛国”的な碑石、交通網が途絶え始めている現状など、東京圏で生活していると全く意識に上らないそれらのことが、大きな比重で迫ってくる。

    中身の薄い箱物を作るのではなく、ニュージランドがマオリ文化の教育を推進しているように、教育の一端にアイヌの歴史や文化を学ぶカリキュラムを組み込むことが必要だと感じた。
    2023.2.1

  • 北海道内を巡る紀行文。
    ブログのような軽い文章だが、開拓の歴史の背後に隠れているアイヌ文化や、権力に逆らった者を囚人として働かせていた歴史にまなざしを向ける社会派の面もある。
    観光目線でない北海道旅行のレポートとして参考になる。著者が食べ物好きなので食レポがたびたび入るのはご愛嬌。

  • アイヌ、今 西浦宏己 新泉社1984年出版 ブクログで検索してみたが見当たらず

    ダムは川を死なせる
    山本多助エカシ
    日本列島に残る旧地名をアイヌ語で解読し、アイヌ文化が日本文化を基底にあることを自らの力で探ることで、戦前から始めたと言うその追跡調査は今年で50年近くにもなり、日本国内はもとより、一時は樺太、沿海州にも足を伸ばしたと言う

    53年前阿寒湖畔コタンを訪ねたことを思い出す

    文字があると言う事は、それはそれで便利なことに違いないけれど、そのために脳の働きまで退化する。ますます人間の記憶力は衰える

  • こういう旅の仕方はいいものです。
    テーマを持って、関連した場所を巡るのです。
    時間が無ければ何回かに分けてでも良い。

    この本での旅のテーマは「アイヌ」です。

    ゴールデンカムイなどの影響で北海道ではアイヌ
    を観光の目玉に据えようとしているらしいです。

    それにより東京から観光客が大勢来てくれるかど
    うかではなく、いわゆる「ハコモノ」が作れるか
    らだそうです。

    なんとなくの知識では見えてこないハコモノが、
    テーマを持って訪れた人にとって全く無駄である
    ことが見えてきます。

    まさに著者はその眼力を持って、各地のアイヌ関
    連施設を訪れています。

    実際には和人はアイヌを開拓の際に追い出してし
    まった歴史があります。

    著者の眼力は、そういった本当の北海道の姿を浮
    かび上がらせます。

    何より著者は、全て公共交通機関を使って北海道
    を移動しているのです。

    そこではアイヌだけでない別の弱者も切り捨てら
    れようとしている姿も見えてきます。

    やっぱり旅は歩きだ、と再認識させられる一冊で
    す。

  • この人の語り口とテーマが合ってるんだか合ってないんだか。ビジホの朝食だといいんだけどなあ。行ってみたいところとか、結構近そう。それだけに。。。

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000059125

  • カルベナリアさんと言えば沖縄紀行作家だと思っていたが、方角的には真逆の北海道紀行にまずは驚いた。

    読めばカルベナリアさんは北海道出身とのことで、作品化に至った思いはなんとなく理解できた。

    内容はとても詳述された北海道紀行文であり、随所に込められたアイヌへの記述で理解が深まった気がする。

    アイヌに関する本を他にも読みたいと思ったし、時間と金があれば北海道に行ってみたい。

    カルベナリアさんみたいな人生の歩み方って羨ましい。
    #カルベナリア吉田 #北海道 #アイヌ

  • 北海道各地のアイヌ遺跡を、列車とバスと歩いて回って思考を巡らせた一冊。
    未来志向でアイヌとの共生を考える、そのうさん臭さに言及している。観光需要のの起爆剤としてアイヌを取り上げようとしているが、地方経済の回復はまずもって期待できない。全国で見られている地方の没落は、北海道でより顕著に感じらっれる。鉄道遺跡も、観光再生には力不足と言える。自然の諸物に神を感じていたアイヌの姿勢に、想い馳せることが必要か。

  • <目次>
    第1章   小樽・余市・神威岬
    第2章   道南
    第3章   札幌
    第4章   胆振
    第5章   道東
    第6章   旭川・稚内
    第7章   日高
    第8章   網走

    <内容>
    北海道の原住民であった「アイヌ」を考え、江戸後期からの和人がどのように扱ってきたのかを感じながら、現在の北海道を旅した記録。「アイヌ文化振興法」ができ、「ゴールデン・カムイ」というマンガが流行り、不況下の北海道が、アイヌを「観光資源」としてのみ利用とする様子に、不快感を感じながら、「原アイヌ文化」が何も残っていない(残してこない)ことを憤っている。そうなのだろうな、と思う。

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著者プロフィール

1965年北海道生まれ、早稲田大学卒。読売新聞社ほかを経て2002年からフリー。沖縄と島を中心に全国を周り、紀行文を執筆している。近著は『ビジホの朝メシを語れるほど食べてみた』(ユサブル)、『ニッポンのムカつく旅』(彩流社)、『何度行っても 変わらない沖縄』(林檎プロモーション)、『狙われた島』(アルファベータブックス)、『突撃! 島酒場』『肉の旅』『絶海の孤島』(共にイカロス出版)。ほか『沖縄の島へ全部行ってみたサー』(朝日文庫)、『沖縄・奄美の小さな島々』(中公新書ラクレ)、『沖縄戦546日を歩く』(彩流社)など沖縄、島関連の著書多数。早稲田大学社会人講座「実踏体感!沖縄学」「ニュースの街を歩く」ほか随時開講、ラジオアプリ「勢太郎の海賊ラジオ」でも番組「カベルナリア吉田のたまには船旅で」を随時配信。趣味はレスリング、バイオリン、料理。175cm×75kg、乙女座O型。

「2022年 『新日本エロい街紀行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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