ハッピーライフ

著者 :
  • 寿郎社
3.21
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本棚登録 : 96
感想 : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909281302

作品紹介・あらすじ

日記をつけることで〈幸福〉を楔で心に打ち付ける女。17年間、帽子とマスクで顔を覆い商店街の中だけで暮らす女。夫の浮気相手である図書館司書を日々監視する女。理想の家庭を夢見ながら妻に家を出て行かれた男……。静かで穏やかな街に暮らす人々の〈不安〉はやがて「ある人々の存在」に向けられてゆく。彼ら/彼女らはいったい何者なのか――。
北大路公子が描かずにはおれなかった〈もう一つの日常〉。心揺さぶる濃密な連作短編8編、待望の書籍化。

感想・レビュー・書評

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  • 『ハッピーライフ』北大路公子著 人は「入れ替わり」ながら生きる
    https://www.47news.jp/culture/entertainment/book/5514722.html

    ハッピーライフ 北大路公子(著) - 寿郎社 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784909281302

  • 私は頭が良くないせいか、しばしば洋画(時に邦画も)を見て理解できず、レビュー等読んで「そういうことだったのか!」と理解することが多々あります。
    この本は、そういうタイプの本だったのです。
    後で他の方のレビュー読んでみます。

    一番気になるのが、第二話「穏やかな人々」で肉屋の男性が、第八話「灰色の雪」の総菜屋の男性と同一人物と思われるのですが、違うのでしょうか?
    それとも何か意図があって変えたのでしょうか?

  • あらゆる出来事が等しく遠くなるように、あらゆる感情が等しく平らになるように、あらゆる景色が等しく小さくなるように、人は入れ替わる。そんな風にして自分の感情を肩代わりさせている。意味の擦り切れたやりとりを日々繰り返し、やがて言葉だけではなくお互いの存在すら無意味になってきた頃、離婚を決意。だからか、他愛のない言葉ばかりであっても、影のような住人との暮らしにぼんやり疲れていた主人公には、そんな馴染み深い親しさが心地よかった。人は自分の感情くらいは自分で引き受けるべき、替わらない人たちのように。SFなのかファンタジーなのか不分明ではあるが、小説であることだけは確か。タイトルのハッピーライフは言いえて妙。エッセイとは全く異なる魅力がひたひたと迫ってくる。

  • 小さな商店街を舞台にした連作短編集。
    北大路公子さんのエッセイはいつも楽しみに読んでおり、ときおりはさみこまれる本当の話??と一瞬信じてしまいそうな短いお話がとても好きだったので(最近のエッセイ本にはないかも)今回の小説はとても楽しみでした(その割には読了まで時間かかったけどー)。とてもリアルに日常的で、それでいて「人が変わる」という不思議な世界…期待にたがわないものでした。大好きです。

  • エッセイとは全く違うテイスト。

    とはいえ、エッセイの中にも少しこんな感じの物語も掲載されていたので、全くお初でないものの・・・
    当たり前ですが、そのギャップがまた不思議感を助長します。

    均された世界、このある意味、安定感の世界での連作短編、どこかで歪みながらも感情は続いて無くならない。

  • 立場はそのままに人が入れ替わっていく世界。
    入れ替わることによって感情は薄れていき、記憶だけが残る。
    「美しい街、平和な心」

    日常にひとつだけ特異な設定を加えるという点では村田沙耶香と似ている。
    『苦手図鑑』に収録されていた短編小説のほうが面白かったように思う。

  • 陽光あふれる表紙は罠だったのか、と思うほど中身はダーク。
    互いに感情をぶつけ合わず、距離を保って平穏に暮らすことを目指した先が、あの「均された世界」なら、ディストピアとも言い切れない。そのことが、なにより怖い。

  • 穏やかな暮らしは作られたもの。明らかにSFであるが、具体的な設定は最後まで明かされない。現実世界と妄想の狭間に入り込んだような浮遊感。ご町内の描写が妙にリアルでなところに少しホッとする。

  • いつも抱腹絶倒のエッセイを届けてくれる北大路公子さんの、初小説!これは 期待大!

    ……。まさかのホラー!? イメージと違いすぎてビックリしました。
    でも、なんでも均一化しようとする世の中に(それは現実にも)、うっすらと反発しているようでもありました。

  • 喜びも悲しみも絶望も希望もない<穏やかで均された世界>を人は望み、それを手に入れた。だから人はみな入れ替わる-。心揺さぶる濃密な連作短編。『季刊メタポゾン』掲載を改題、加筆・修正。

    普段のエッセイと違過ぎて戸惑った。
    分かるような分からないような世界。

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著者プロフィール

1960年代、北海道札幌市生まれ。文筆家。2005年、ネットの公開日記をまとめた『枕もとに靴――ああ無情の泥酔日記』で寿郎社からデビュー。著書に『最後のおでん――続・ああ無情の泥酔日記』『ぐうたら旅日記――恐山・知床をゆく』(以上、寿郎社)、『生きていてもいいかしら日記』『頭の中身が漏れ出る日々』『すべて忘れて生きていく』『私のことはほっといてください』(以上、PHP文芸文庫)、『ロスねこ日記』(小学館)、『いやよいやよも旅のうち』『石の裏にも三年』『晴れても雪でも』(以上、集英社文庫)など。

「2020年 『ハッピーライフ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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