ど忘れ書道

  • ミシマ社
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感想 : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909394385

作品紹介・あらすじ

私の崩壊。
その過程をみなさんに目撃していただきたいと思う。
忘れの天才がしたためた、9年間の怒濤の「ど忘れ」記録。
何の役にも立ちません。by著者 

人前でなくて本当によかった。自分一人で考え事をしている最中であった。耄(もう)碌(ろく)という次元を超えていると思った。背中に冷たい汗が流れた。「思い出す」という言葉を思い出せないということに、人格的な崩壊があった。(略)ああ、思い出すだ! と思い出したとき、安堵するより逆に恐くなった。そんな単純な言葉を忘れていたという事実に直面したからだ。もっと難解な言語だったらよかった。想起するとか、アウフヘーベンするとか、失念するとか、アプリオリな何かとか、そういうあれなら。――本文より

感想・レビュー・書評

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  • いとうせいこうがど忘れした単語や人名を都度スケッチブックに筆ペンで書き(だから「書道」)、その時の状況についてを説明しているのだが、途中からど忘れした単語や人名ではなく、思い出したけど間違っている単語、人名等を「書道」する方向に変わってしまい、だが、そっちの方が元々の趣旨より面白くなった、という本の中で企画が進化してよくなった、という珍しい本でもある。

    笑った語の一例としては、「光り物」が「てかり物」、「フェイスブック」が「フェイスボール」、(鬼太郎の)「目玉おやじ」が「目玉のおじさん」、「ハリセンボンの春菜」が「千本針の春菜」等々。

    ただ、私は著者と同い年であるため、ここに記載されているようなど忘れや、間違った思い出しを同じように経験していることから、笑う一方で、「これはシャレにならん」と冷や汗を流してもいた(泣)。

  • 「俺の目が白いうちは」の説明がない。
    ど忘れ?

  • いとうせいこう氏が連載の数年前から自主的に行っていたというド忘れ書道。ド忘れした言葉をスケッチブックに書き出すというもの。
    そもそもそれがド忘れを防ぐためなのか、忘れたことへの戒めなのかはしかとはわからない。
    しかし、書き出されると人とはこんなにド忘れをするものなのか。
    また、いとうせいこう氏はそのド忘れしたシーンと、思い出そうとして思いだせないプロセス、なんかコレとよく似た言葉だと思っていたら全然違う、こんな感じの言葉だったはずという、忘れちゃってるんだからそもそも信頼度マイナス100%の自分が導き出すヒントに惑わされ、更に遠いところに行ってしまうというプロセス、そのプロセスの描写は抱腹絶倒。久しぶりに電車の中で本を読んでいて笑いました。
    しかし、これはド忘れそのものが面白いのではなく、そのプロセスを絶妙の比喩とともに描き出すいとうせいこう氏の表現力の凄さだ。

  • もの忘れの激しい著者が言葉に出なかった言葉を書道にしたためて、言葉を忘れる構造を考察(言い訳)した一冊。言葉忘れの当事者研究とも言える。なんて書くとマジメな本みたいだ。読書の意味や価値がしばしば啓蒙されているが、そういう意識の高さから遠い一冊。

    ニヤニヤしながら、時には声に出して笑いながら読んだ。しかし笑いごとではない。自分も言葉が出てこないことはよくある。そしてこの本の恐ろしいところは、言い間違えが伝染しそうになる点にある。「こうだくみ」だっけ?「こうだみく」だっけ?と読みながらわからなくなった。いらない爆弾を持たされた気がする。自分もそのうち「プリンス大統領」などと言い出しかねない。実に恐ろしい。

    途中から忘れた言葉ではなく、言い間違えた言葉を書道にしていて、そっちの方がおもしろかった。

  • 自分にもこんなことあるな、ど忘れ書道やってみようかと最初は思うのだが、だんだん著者の物忘れっぷりに引いていく。いや、心配の念が面白さを上回るのである。

    忘れんぼすぎて、書いてある言葉もだんだん初期設定を忘れていっている。

    ちなみに脳の検査は異常無しだったらしい。

    …いとうせいこうって多趣味でインテリな感じだと思っていたんですけど!


    ただ、セルフツッコミのバリエーションが豊富なのは流石。
    綾野剛をど忘れし、京本政樹みたいな人と言いたかったのにその京本政樹をど忘れしてしまう著者。

    「ど忘れの入れ子構造」

    この言葉、いつかどこかで使いたい。

  • 職場で昼休みに読んでいましたが、笑いをこらえるのが非常に苦しかったので、家で読むようにしました。「めっちゃわかる」と共感できるものから「それ忘れる?」というものまでありましたが、私も数年後には笑っていられないんだろうなと、空恐ろしくなる一冊です。

  • 最後まできっちりは読めてないけど、またちょこちょこ読もうと思っているところです。
    面白い!本です。
    ちょっと心配する本です。せいこうさん大丈夫?って

  • ど忘れした言葉を書くだけで何でこんなにおもしろいんだろう?ちなみに私のど忘れキーワードは板倉と堤下のコンビ名。

  • 読む前から、本書のコンセプトは概ね理解しており
    ハズレはないはずと分かっていたのでことなきを得ました。それでも何度吹き出してしまったことか!
    悪いことは言いません。
    外出先…特に電車の中や落ち着いた場所、静かな場所で、読んではいけません!忠告しましたからね!?

  • 自分も書道すべきだと思った。

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著者プロフィール

1961年、東京都生まれ。編集者を経て、作家、クリエイターとして活字・映像・音楽・舞台など多方面で活躍。『ボタニカル・ライフ』で第15回講談社エッセイ賞を受賞。『想像ラジオ』が三島賞、芥川賞候補となり、第35回野間文芸新人賞を受賞。ほかの著書に『ノーライフキング』『存在しない小説』『我々の恋愛』『どんぶらこ』『見仏記』(みうらじゅんとの共著)など多数。

「2021年 『ガザ、西岸地区、アンマン 「国境なき医師団」を見に行く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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