縁食論――孤食と共食のあいだ

著者 :
  • ミシマ社
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本棚登録 : 438
感想 : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909394439

作品紹介・あらすじ

「縁食」とは、
コロナ禍が収まりを見せたあとに訪れる、
新たな社会の突破口――。

ベーシックインカムと食堂/食べ物に値段がなかったら/弁当と給食の暴力/死者との縁食/基本的に食べ物は「あまる」…

ひとりぼっちで食べる「孤食」とも、強いつながりを強制されて食べる「共食」とも異なる食のかたちとは? 家族や会社などの共同体に制度崩壊が起こる今、社会が希求する「ゆるやかな並存の場」を示す挑戦作。

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感想・レビュー・書評

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  • 縁食論 孤食と共食のあいだ 藤原辰史著:東京新聞 TOKYO Web
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/81565?rct=shohyo

    株式会社ミシマ社 | 縁食論 | 原点回帰の出版社、おもしろ、楽しく!
    https://mishimasha.com/books/ensyoku.html

  • ■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
    【書籍】
    https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001182382

  • 縁食、を知りたくて。
    縁食について、色んな方面から書かれていて、ちょっと飛ばし飛ばしで読んだ。

    考えはまとまらないけど、、
    食べる、食が、根源的なわたしたちの営みで欠かせないもの、だからこそのものがあるよなと思った。

    孤食でも、共食でもないこの概念がもっと広がってほしい。
    言葉ができることで、より理解が進んだりものの見直しができるのではと思った。

  • 「食べること」は本来「消費」じゃない
    たしかに、母親の手料理を食べているとき、これを消費しているとは思わないけど、市販の食品を食べているときには消費と感じているな、とハッとしました。

    孤食の原因を全て家庭に押し付けすぎているというのも非常に納得がいきましたが、では「縁食」でその問題がすべて解決できるかというとなかなか難しい部分もあるなととても考えさせられました。

    「孤食」「共食」「縁食」と概念だけで捉えず、どのような食のあり方がこれからの社会にとって良いものなのか、自分の手を動かし足を運んで考え続けていきたいと思わせてもらえる、良本でした。

  • 52冊目(7-8)

  • 世の中には余って捨てられる食べ物も大量にあるのに、その食べ物は満足に食べられない人たちの手には渡らない(渡さない)という矛盾。
    食べるものは資本主義と切り離すというアイデア。
    そして、孤独に食べるのでもなく、仲間で会食するのでもなく、うっすら存在を感じ合いながら食べるという場所の大切さ。
    そういうことを、幅広い知見(津村記久子の小説から、『土と内蔵』やナチスに至るまで)と、遠くまで到達する思考力によってあれこれと楽しく語ってくれる本でした。
    思考と想像はどこまでも行けるし、今は夢物語に見えても、それらが未来を作っていく。…わたしはそう思います。

  • 食は怖い。
    性と並ぶ、暴力の源泉だから。
    そういう食の凶暴な側面を飼い慣らすための一つの方策として、筆者が提案するのが「縁食」なのだと読み取った。
    誰にとってもアクセスできるものとして、食にまつわるシステムを解体・再構築する、という提案である。したがって、これは、コモン再生に関わる議論の中に組み込まれるべきものなのだろう。
    食は、果たしてコモンに戻りうるか?
    角幡さんの『狩の思考法』を読んだ後だと、戻れる世界はある、ということになる。ただし、それは安逸を貪る現代文明の外側にある世界。
    「ありがたく思いなさい」と思わずに、誰かに何かを提供し続けられる賢治先生やトシさんのような人間が、社会にあといったいどれくらいいたら実現するのだろう?
    わからないけれど、リベラル=気前の良さを実践するのであれば、いずれ踏み込んでみたい道ではある。そのためにはまず、現在の過酷な労働条件が変わらなければならない、という点も本書では指摘されている。
    ほんとにその通りだ。

  • ずっと気になってた本、図書館にあった。
    孤食のように孤独ではなく、共食のように共同体の意識が強くない、ゆるい縁食の場。
    子ども食堂、炊き出し、ローカルな食堂。
    来たい時に来て、来たくない時は来なくていい。

    なにかと小さい繋がりの中、閉じこもって暮らせていける世の中だけど、たとえば行きつけの八百屋、店員さんとたまに話す喫茶店、銭湯。そんなちょっとした繋がりがあるの楽しそうだな。

    食べ物が無料だったら?というのがおもしろかった。たしかに食べ物が商品として売られているのって不思議だよな。子ども食堂の活動、見に行ってみたいな。

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00617882

    世界人口の9人に1人が飢餓で苦しむ地球、義務教育なのに給食無料化が進まない島国。ひとりぼっちで食べる「孤食」とも、強いつながりを強制されて食べる「共食」とも異なる、「あたらしい食のかたち」を、歴史学の立場から探り、描く。

    現代社会が抱える政治的、経済的問題を「家族や個人のがんばり」に押し付けないために。
    (出版社HPより)

  • それほど深い関係でない誰かと同じ場で食事をする「縁食」という概念をめぐるエッセイ。
    タイトルのとおり、ひとりで食べる「孤食」と、家族や友人のようにある程度共同体としての意識がある相手と一緒に食べる「共食(きょうしょく)」の中間の状態を縁食と定義している。
    話題は色々だが、おおまかな方向性としては食の脱商品化を提唱している。無料食堂や炊き出しのように代価をとらない食事の提供、大量生産・フードロスへの批判、など。
    本書の主張そのものより、他の本に言及している箇所が自分には面白かった。
    第4章3で、縁食の概念から津村記久子「ポースケ」[ https://booklog.jp/item/1/4120045757 ]が論じられる。実は津村記久子の中では、自分にはピンと来なかった作品なのだが、これを機に再読しようかと思った。見過ごしていた面白さに気づくかもしれない。
    また第5章ではサードプレイスについて論じる。[ https://booklog.jp/edit/1/4909394435 ]を引いて、オルデンバーグの称揚するサードプレイスが持つ排除の構造を批判。

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著者プロフィール

1976年、北海道旭川市生まれ。島根県奥出雲町で育つ。2002年、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程中途退学。博士(人間・環境学)。京都大学人文科学研究所准教授。専門は農と食の現代史。著書に、『ナチス・ドイツの有機農業』(柏書房、2005年/新装版2012年/第1回日本ドイツ学会奨励賞)、『カブラの冬』(人文書院、2011年)、『ナチスのキッチン』(水声社、2012年/決定版:共和国、2016年/第1回河合隼雄学芸賞)、『稲の大東亜共栄圏』(吉川弘文館、2012年)、『食べること考えること』(共和国、2014年)、『トラクターの世界史』(中公新書、2017年)、『戦争と農業』(集英社インターナショナル新書、2017年)、『給食の歴史』(岩波新書、2018年/第10回辻静雄食文化賞)、『食べるとはどういうことか』(農山漁村文化協会、2019年)、『分解の哲学』(青土社、2019年/第41回サントリー学芸賞)、『縁食論』(ミシマ社、2020年)、『農の原理の史的研究』(創元社、2021年)、『植物考』(生きのびるブックス、2022年)などがある。

「2022年 『歴史の屑拾い』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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