縁食論――孤食と共食のあいだ

著者 :
  • ミシマ社
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レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909394439

作品紹介・あらすじ

「縁食」とは、
コロナ禍が収まりを見せたあとに訪れる、
新たな社会の突破口――。

ベーシックインカムと食堂/食べ物に値段がなかったら/弁当と給食の暴力/死者との縁食/基本的に食べ物は「あまる」…

ひとりぼっちで食べる「孤食」とも、強いつながりを強制されて食べる「共食」とも異なる食のかたちとは? 家族や会社などの共同体に制度崩壊が起こる今、社会が希求する「ゆるやかな並存の場」を示す挑戦作。

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感想・レビュー・書評

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  • 縁食論 孤食と共食のあいだ 藤原辰史著:東京新聞 TOKYO Web
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/81565?rct=shohyo

    株式会社ミシマ社 | 縁食論 | 原点回帰の出版社、おもしろ、楽しく!
    https://mishimasha.com/books/ensyoku.html

  • 縁食とは著者の造語で、孤食と共食との間にあり、これからの社会における食の在り方の突破口にもなりうるものである。

  • 食の持つ縁を考える。
    食べ物って余るものだなと考えさせられたとき、
    人と人を繋ぐ役割でもあり、生きていくために必要な関係だと思った。もれこぼれあふれの関係。
    余裕ということかもしれない。
    だからこその場。場がどの立場であっても大事だ。
    また、死者を思い、死を食べる人間の姿を頭に入れておきたい。

  • なぜ働くのかというと結局のところ食べていくためなのに、食べることについてここまで真剣に考えたことがなかったなと気付かされた。
    食品に値段が付いていることを訝りもしなかったけれど、言われてみると確かに奇妙に思えてくる。

    ベーシックインカムの代わりに、全国に無料もしくは安価で食事が食べられる場所を作ったらもしかしたら見える景色が変わってくるのではと思った。

  • 食べることは生きていくために必要なことだけど、ただ栄養を取るだけじゃなくて、楽しく食べるってことも私達の体には必要だと感じた。それも含めて食事だと思う。

  • 食べることを消費することに終わらせない行為にする、それにどれほどの人の共感を呼ぶかが大事
    家族の在り方、国の在り方、サードプレイスの在り方、考えなければ

  • コロナの影響で、我が家は完全入れ替え制で食事をすることになった。孤食には侘しいイメージを持つ人が少なくないが、今では健康や安全を担保するための自己管理になりつつある。
    ここでは触れられていなかったが、禅宗の修行のような黙って静かに誰かと一緒に食べるということが、これから主流になるのだろうか。
    死者との共食と聞いて、母方の郷里である香川県小豆島の「かわらけめし」というお盆の行事を思い出した。河原で飯を炊き食べる、いわゆる施餓鬼である。民俗学の分野になると思うが、人が人である所以は、一人で食べながらも、様々な人々に想いを馳せながら食べることなんだろう。

  • ・弁当と給食の弁証法

    「弁当の暴力」
    弁当の中身で家庭の経済的貧しさや環境を露呈する。

    思い返せば高校時代、私は母親に必ず毎日弁当を作ってもらえていて、おかずも夕食の残り物など入れなかったし、とても恵まれていた。けれどもその一方で筆者は友達と食べるのが苦痛だった、と。なぜなら、弁当は海苔が白米に貼ってあり、漬物か梅干しと卵焼きが置いてあるだけだったからだそうだ。周りの華やかな弁当と比べてみすぼらしく感じたそうだ。
    当時気がつかなかったし考えたこともなかったけれど、そういう人もいること、つまり弁当とは両親の忙しさ、経済的状況などが表に出やすい。それが弁当の暴力。


    「給食の暴力」
    けれども給食も好き嫌いの多い子にとっては暴力となりうる。居残り給食のトラウマ、先に食べ終えた子たちの箒が生み出す埃と塵の中で食べる給食。食べる自由のみならず食べない自由も認めなければまだいけないのに完食、嫌いなものも食べるよう言われる。
    食べられる量も感じる味覚も人それぞれで、矯正する教育ではなく認め合う教育をすべきなのに。

    たくさん食べるのはいいこと!残さず食べてえらいね!とよく聞くが、たしかにそれはそれで食品ロスとかの観点ではえらいかもしれないが、自分に合った食べ方、食べる量などあるから。そういうのはやめてほしいよなあと私は思う。(食べることが好きでないものにとってとんでもなく苦痛だ)

  • NDC(10版) 383.8 : 衣食住の習俗

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著者プロフィール

藤原辰史(ふじはら・たつし)
1976年生まれ。京都大学人間・環境学研究科博士課程中途退学。現在、東京大学大学院農学・生命科学研究科講師。専攻は、農業思想史・農業技術史。著書に『カブラの冬―第一次世界大戦期ドイツの飢饉と民衆』(人文書院、2011)、『トラクターの世界史―人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち』(中公新書、2017)『給食の歴史』(岩波新書、2018)、『分解の哲学―腐敗と発酵をめぐる思考』(青土社、2019)など。

「2021年 『環世界の人文学 生と創造の探究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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