料理と利他 (MSLive!Books)

  • ミシマ社
3.94
  • (27)
  • (50)
  • (28)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 756
感想 : 47
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909394453

作品紹介・あらすじ

「自然−作る人−食べる人」という関係のあいだに、利他がはたらく。

コロナの影響下で家にいる時間が長くなり、みなが向き合うことになったのは、料理という人類の根本的な営みのひとつだった。「ポストコロナ」という言葉のもと、世界の劇的な変化が語られがちな中、私たちが見つめ直し、変えられるのは、日常の中にあることから、ではないか。

ベストセラー『一汁一菜でよいという提案』等の著書や料理番組で活躍する料理研究家の土井善晴と、『中村屋のボース』等の著書がある政治学者であり、最近は「利他」を主要なテーマの一つに研究をしている中島岳志。
異色の組み合わせの二人が、家庭料理、民藝、地球環境、直観、自然に沿うこと…等々、縦横無尽に語らい、ステイホーム期間に圧倒的支持を受けたオンライン対談「一汁一菜と利他」を、ライブの興奮そのままに完全収録!

【イベント参加者の声】
・視野が一万倍くらい広がりました。
・日常を生きること料理して食べることが利他と地続きだなんて驚きです。
・コロナの自粛期間中は、食品の買い出しと食事作りと後片付け、献立や何を買っておくべきかを考えるのがとても大変で、食事周りのことに時間を奪われているみたいで嫌になっていたけれど、おかげさまで気持ちをリセットすることができました。
・本当に素晴らしい時間でした。まるで和食をいただいたような感覚になりました。一汁一菜と仏教が重なるとは思いもしませんでした。

MSLive!Booksシリーズ創刊第1弾!!

<MSLive!Booksとは?>
ミシマ社が2020年5月にスタートしたオンラインイベント、MSLive!。
「今、まさに知りたい話」を、各分野の一線の方々に、対談や講座などで語っていただく。出版社にしかできない一つの新しい出版の形として、お届けしています。
「MSLive ! Books」は、そんなオンラインイベントのライブ感をそのまま詰め込んだ書籍シリーズです。イベントに参加くださった方々から、イベントの内容を活字化したものを販売してほしいというリクエストをたくさんいただき、実現することになりました。
手に取りやすく、気軽に読み切れるシリーズとして刊行していく予定です。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 一汁一菜でよいという提案

    料理研究家の土井善晴さんと政治学者の中島岳志さんが、公開のオンライン対談の模様を本にしたものです。

    土井さんは、本当に自分に時間も気持ちも余裕がないときは、お味噌汁のような「汁(汁もの)」と、漬物などの「菜(惣菜)一品」でいいという「一汁一菜でよいという提案」は、私の心に響きました。

    作りての心の状況により料理が変わってよいと思います。楽しいく、時間に余裕があるときは、楽しい料理を・・・そうでない時はそれなりの料理をとメリハリをつけて。楽しく、余裕をもって生活したいです。必ず、一汁三菜を作らなければならないといった考えは、私はどうかと思います。

    土井さんにとって「利他」とは、作る人と食べる人のあいだに生まれるもの。たとえば、料理する人が食べる人の健康などを思って料理する。

    土井善晴さん、中島岳志さんの本を読むのは初めてです。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    料理と利他 (MSLive!Books)
    2020.12発行。字の大きさは…小。2022.07.03~05読了。★★★☆☆
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  • 【1/9(土)開催!】 土井善晴×中島岳志対談 「料理はうれしい、おいしいはごほうび。 ~一汁一菜と利他・第3弾」 『料理と利他』刊行記念・オンライン配信イベント開催のお知らせ
    ミシマ社ニュース | 株式会社ミシマ社
    https://mishimasha.com/mishinews/ryoritorita/002007.html

    株式会社ミシマ社 | 料理と利他 | 原点回帰の出版社、おもしろ、楽しく!
    https://mishimasha.com/books/ryoritorita.html

  • 料理研究家・土井善晴氏と政治学者・中島岳志氏の対談集。
    ミシマ社が開催した2回のオンラインイベントで交わされたお話を1冊にまとめています。

    毎日料理をする、ということが義務感に変わり、だんだんと苦痛になってしまう。
    バランスのよい健康的な食事をしたい気持ちと、仕事で疲れて料理を作りたくない気持ちの板挟みになって、もやもやしている私のことだ…と思いながら読みました。
    土井先生の「いい加減でええんですよ」という言葉は、そんな義務感に囚われていた心をふわりと解放してくれる魔法のようでした。

    お二人の対話の中で、すてきだったところをメモ。

    ・正直にやるべきことをしっかり守って、淡々と仕事をする。すると結果的に美しいものができあがる。

    ・仏師が一木の中から仏を彫り出すように、自然の中のおいしいものを取り出して、整えていく。

    ・自然に沿うこと。自然のほうからやってくるものとどう呼応するのか。

    ・自然と人工のバランスがちょうどいいところをええ加減と言うのかも。

    料理の話をしつつも、私たちの暮らし方とか仕事の仕方とか、いろいろな場面で気付きを与えてくれそうな言葉だと思います。
    手をかけすぎず、がんばりすぎず、気楽に自然の恵みをいただく。
    そんな気持ちで台所に立つと、食材1つ1つに感じるありがたみが今まで以上に増したような気がします。

  • 土井先生の言葉はいつも落ち着く。バランスがいい。何かを否定せず、何かを決めつけず、ちょうどいい答えを示す言葉。人を安心させる保健室のような言葉。
    そして今回もまた救われた。自分は環境問題にどう向き合えばいいんだろうとずっと悩んでいたけど、台所に立つということが既にそういう行為であると。どんな食材を使おうかと考えることが既に地球と向き合っているわけだと。
    パタゴニアがプロビジョンズという環境負荷の少ない食品を販売を始めた。商品の中に入っていた小さなチラシには「食物連鎖の底辺を食べよう」という言葉が書いてあって、その視点はいいなと思ってた。何を食べるかが、もうすでにアクションなのだな。

    コロナのおかげで自炊のおいしさに気付けたし、土井先生の本を読んで料理の意味を考えられるようになったのが嬉しい。「こんなんでええんですわ」って言いながらおいしい料理つくっていけるといいな。

    • SAKI.Tさん
      パタゴニアプロビジョンズのサバ缶美味しかったな〜
      パタゴニアプロビジョンズのサバ缶美味しかったな〜
      2021/02/07
  • ちょっともったいないなあ、もう少し味わいながら読みたいなあ、と思いながら、1日で一気読みしてしまった。なにかこう、いろいろなものがつながってくる感じ。映画「ハンナ・アーレント」は観てみないといけない。アマゾン・プライムには入ってなかった。どうしよう。河井寛次郎記念館は、今度お墓参りに行ったときに忘れず寄ってみよう。もう少し暖かくなって、お彼岸時にかなあ。そしてまた、土井さんのあとがきには、田中優子さんの本のことが出てきた。もう、最近、石牟礼道子が読みたくて仕方ないのだが、文庫になっていなかったりで、読めないままでいる。ああ、ポテトサラダが作りたい。でも、玉ねぎとかきゅうりとか下ごしらえが大変なんやなあ。「ええ加減でええ」と言っても、水が出てくるのは雑菌が増えてまずくなるみたいやし。それに、カボチャとか煮たらたいがいにごってしまうし。菜っ葉の炊いたんとか、いもの煮っころがしも食べたいなあ。まあ僕は、週1回、休みの日に料理するだけやけど、それでも出来たらおいしいもんつくりたいなあ。料理することで地球ともつながるわけだし、なんかいろいろ考えてみよ。混ぜるのではなく和えるんやな。味噌汁もつくろ。それから、出雲のぼてぼて茶。知らなかった。毎年2回は島根にある妻の実家を訪れているのに。この正月は帰れないけれど、次、忘れずに飲んでみよ。ミシマ社さん、いろいろおもしろい取り組みされてるんやけど、有料なんやなあ。中島先生のオンライン講座とか、もうみんな無料で、申し訳ない感じやけど、いつも楽しみです。

  • 丁寧に、ゆっくりと、ええ加減を探りながら、
    食べるひとのこと思いながらつくる料理。
    土井先生のやわらかな語りがやさしくわかりやすく、すとんと納得できました。
    なかじませんせいの合いの手や、いろんな考え方のことを引き合いに出しての考察もおもしろくて。

    頭でっかちな本ではなくて、
    とてもシンプルで大事なことを、思い出させてくれる本でした。
    対談形式なので読みやすいし、装丁もすてきです。

  • 全2回の配信トークが書籍化されてるんだけど、わたしには2回目のほうがおもしろかった。
    土井先生のほかの本読んでから、元々料理は好きだったけど、より好きになれたし、肩肘張らずに作れるようになったので、土井先生の料理に関する話が大好物。
    自然には抗えないから、料理はええ加減に作るのがいい。
    味もええ加減、足りなければ各自で足す!引く!文句は言うな!(一人暮らしだけど)

  • 料理研究家と政治学者の異色の対談。素材を活かす和食と同様に、土井先生の持ち味がうまく引き出されている。

    「いい加減でよい」「一汁一菜」など独特の主張の多い土井善晴先生。家庭料理の奥深い世界、また先生が料理について真に深く考えていることが良く分かる。

    民藝のような、創作者の顔が出てこない小宇宙の無限の魅力が、家庭料理にもある。

    和食と洋食の思想の違いなど大変に興味深く読むことができた。

  • 哲学的すぎて、腑に落ちるまでには、いたらなかった。きっと、もう一回読む機会があれば、星もランクアップする。妻が以前に料理に関して、「生きる(生活の)ために作る。料理は好きだけど、こだわりすぎて時間を使いすぎるのは、ちょっと違う」と言っていた。家族のために作るということも、その時言っていたのを思い出した。こういうところに、利他があるのかな?!
     土井さんの料理に対する価値観(哲学)が、この妻の言葉と通ずる部分があるように感じた。
     ほかにも、考え方、気づきを得られる部分があった。やりたいことや出来ることは、人それぞれだけど、そこは個人に委ねるとして、難しくしない取り組みやすいことをやる。それで良いんじゃないかということ。

  • 『一汁一菜でよいと言う提案』をおさらい、深掘りする一冊。
    印象に残った箇所は、唯円の『歎異抄』から紹介された「聖道の慈悲」(困った人がいれば助けたい、利他)は「苦しみのもと」であるという考え。
    自分自身が良い人間になろうと思いにとらわれているが、本当の慈悲は、もっと大きなところからやってくる力によってなされる。(浄土の慈悲)
    日本における家庭料理も同じで、料理の最善は何もしないこと。「料理とはクリエーション」と捉える西洋料理とは逆に、素材そのものの力をかりる自然中心主義。
    だからこそ、日頃の家庭料理で「ハレの料理」を毎日作ろうとしすぎずに、手を加えすぎない「ケハレの料理」で構わない。どんな食材を使おうかと考える事がすでに、社会を思うことに繋がっている。

    土井さん自らが家庭料理について考え続けているからこそ、地球環境へのアプローチから、献立を考える日々の苦しみに対する処方箋にまで理論があり、何度も読み返したくなる。

全47件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

土井善晴(どい よしはる)
料理研究家。「おいしいもの研究所」代表。
東京大学先端科学研究センター客員研究員、十文字学園女子大学招聘教授、甲子園大学客員教授、学習院女子大学講師。
1957年大阪府生まれ。芦屋大学卒業後、スイス・フランスでフランス料理、味

土井善晴の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×