七福神戦争

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  • 五月書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909542083

作品紹介・あらすじ

幸福を退治する鬼娘! ツンはあってもデレはない!!
誰もがうらやむスーパー高校生集団に、いろんなジャンルでなぜかハチャメチャな戦いを挑む美少女転校生。彼女には、俺にしか見えない角と牙が生えていて……。

日本ホラー小説大賞受賞作の「姉飼」で「これはわれわれへの挑戦だ!」と審査員を挑発した表現の奇才にして、同志社大学教授として英米文化・文学研究の専門家としての顔ももつ異能教授・遠藤徹の到達点は、なんとバイオレンス・コメディ(同時刊行の『極道ピンポン』)&学園ファンタジー(本書)!?

感想・レビュー・書評

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  • 「七福神戦争」
    幸福を退治する鬼娘! ツンはあってもデレはない!!


    遠藤教授執筆のエンタメ小説を読了。ヤクザピンポンの次は七福神ハイスクール物語。


    底辺高校だった札楽学園は、スーパー高校生集団・戎、赤鯛達が現れてから突然理想的な高校に変貌した。出来の悪い<俺>こと、加茂もお蔭で幸福な学校生活を送っていた。しかし、ある日転校してきた美少女・三輪小角によって一変する。<俺>にしか見えない角を頭に生やした三輪は<俺>を僕として、七福神達に格闘技や料理等で対決を挑む。


    ちょっと強引な美少女と冴えない男子の組み合わせと掛け合いをベースとする軽快な文調はライトノベルに多く多用されるもので、ストーリーも馴染み易いエンタメ路線。ホラー小説を書いているとは思えない若者目線に立った執筆ですね。


    しかし、そもそも三輪小角は何をしにきたのか?ちょっと良く分からず終わってしまった。今の札楽学園は、戎、赤鯛達ら七福神によって運気を吸い取られている状態であるらしい。三輪は、その状況を打破する任務によって学園にやってきたようだったのだが、結局は第三の敵が出現し、七福神達と協力することになる。そして、最後は「七福神が実現しているこれ見よがしの幸福は幸福ではない。本当の幸福は別にある(何が本当の幸福かは言い切れずに終わる)」という三輪の言葉で終わる。え、任務は一体何だったのかとw


    因みに、戎、赤鯛達がそもそも七福神ではない。札楽学園が変わるきっかけとなったある事件に遭遇した学生達が受けた徳なのか幸なのかを受け継いでいるようなのだ。ん、戎、赤鯛達がその学生達の血縁だったってこと?というかそういう力は受け継がれるものなの?とかなんか良く分かりませんw


    七福神の力で得る幸せは幸せではなく、もっと別の形であるべきだという三輪の言葉が、もっとテーマになっていれば良かったと思いました。でも、三輪って鬼な訳だから何で鬼が幸せを語る?って気になりもするけど。個人的には、「極道ピンポン」よりは好みでした。

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著者プロフィール

遠藤 徹(えんどう とおる)
1961年神戸市生まれ。同志社大学グローバル地域文化学部教授。研究テーマはプラスチック、モンスター等多岐にわたり、以下のような評論・研究書を著している。『溶解論 ―不定形のエロス―』『プラスチックの文化史 ―可塑性物質の神話学―』(ともに水声社)、『ポスト・ヒューマン・ボディーズ』(青弓社)、『ケミカル・メタモルフォーシス』(河出書房新社)、『スーパーマンの誕生 ―KKK・自警主義・優生学―』『バットマンの死 ―ポスト9.11 のアメリカ社会とスーパーヒーロー―』(ともに新評論)など。
また小説家としても活躍し、「姉飼」で第10回日本ホラー小説大賞を受賞、「麝香猫」で第35回川端康成文学賞候補となる。主な作品集に以下のものがある。『姉飼』『壊れた少女を拾ったので』『おがみむし』『戦争大臣』(以上、角川ホラー文庫)、『ネル』(早川書房)、『むかでろりん』(集英社)、『贄の王』(未知谷)など。最新刊は本書と同時刊行の『七福神戦争』(五月書房新社)。

「2018年 『七福神戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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