- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784909646354
作品紹介・あらすじ
伝説のフォーク・シンガー、高田渡。その影響力は死後15年を経た今でも衰えることはありません。その実像を探るために、なぎら健壱が家族も含めた関係者へのインタビューを敢行。高田渡のほんとうの姿に迫ります。
感想・レビュー・書評
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高田渡がお亡くなりになって15年経つんですね。時が経つのは早いものです。
とは言うものの、僕が高田渡を知ったのはせいぜいお亡くなりになる2年前くらいの事です。
中野のタコシェで中川五郎、高田渡、遠藤賢司という3人のライブDVDを買ったことが始まりでした。
エンケン目当てで買ったのですが、高田渡にくぎ付けになって何度も何度もDVDを見ました。CDも買ってしばらく高田渡漬けでした。予備知識無しの若者を惹きつけてしまう魅力は一体何だったのでしょうね。今でもはっきりと答える事は出来ません。まさしく「なんとなく」という感じでしょうか。
本作は皆さまお馴染みのなぎらけんいち氏が、友人であり尊敬するミュージシャンである高田渡を存分に語る本です。高田渡に縁の深い人々と思い出を語っているのが殆どですが、これがまたそばで思い出話に混ぜて貰っているような気持になる本でとても素晴らしいです。
特に息子の高田漣がやはり一番感慨深かったです。偉大でしかもどうしようもない人を父親に持ち、父と同じミュージシャンの道を歩んでいる彼は、僕と一歳しか違わないんですね。オリジナルアルバムも多数発表し、映画音楽も手掛け、父の曲を歌うアルバムも出す。羨ましい限りですが、色々とご苦労も多かったようです。
普通では考えられないエピソード満載ですが、破天荒というよりは適当という方がしっくりくるかなあ。
晩年は酒でぼろぼろになってしまって、ステージ上で寝たり嘔吐したりと悲しい状態であった事は有名ですが、面白がっていたのは無責任な聴衆(僕も含め)で、親しい人々は本当に忸怩たる想いだったんだなとしみじみ思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
フォーク界の特別天然記念物、絶滅危惧種と呼ばれた高田渡。
死後15年を経た今でも、記憶に新しいです。
なぎら健壱氏が、家族なども含めたインタビューを行い、そこから高田渡の姿に迫ります。
高田渡は「高田渡」を演じていたという部分には、深く納得するとともに、一抹の寂しさも。 -
<渡>
この本,渡るさんと親しかった方との対談の合間に筆者のなぎら健壱が自分と渡るさんとのエピソード話をうまく挿入して語り繋いでゆくという方法がとてもいいです。 対談の丸写し記述だけだとどうしても面白みに欠け ますもの。対談って一字一句をそのまま書くだけでは本当につまらない本にしかならないですから。だってそもそも100%本になる前提で対談しているわけではないかもしれないし,目の前に相手が居るからばこそその話をして面白かったりするのです。後でその通り活字にしたって,いったいどこが面白んだこの話?になっちゃう。そこを上手くなぎら健壱は自分の充分に練れた文章で埋めていく。いやはや上手いですとっても面白い本になってます。
気になった事。対談の中でなぎらさんと佐久間さんはお互いの事をさも当たり前の様に呼び捨てにしています。「順平」っ「なぎら」ぁ と云う具合です。まさか同い年か?と思ってちょっと見るとなぎらさんは1952年佐久間さんは1953年生まれです。なぎらさんの詳しい誕生日は全然知りませんが佐久間さんは確か9月だったはず。と云う事は二人は同学年という訳でもなさそうです。まいっか細かい事は。二人して渡るさんの事は「渡るちゃん」と呼んでいるんだしw。
そして僕にとってかなり嬉しかったトピックスはこの本の中で『林亭』が結成された当時のっけの演奏曲のジャンルや『ヒルトップ・ストリングス・バンド』が創られた顛末やらがキッチリと載っている事。にわかファンの僕はなにやら得した気分になりましたぜ。皆さんもこの本買って読んでください。
【PS】僕の大好きな佐藤Gwan博さんが207ページに西岡たかしがらみで登場するし,僕の友人中津川の西尾善光さんも匿名だがフィリピンパブ関連で214ページに登場するw。いやはやなんとも楽しい本である。
著者プロフィール
なぎら健壱の作品






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