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- / ISBN・EAN: 9784909646378
作品紹介・あらすじ
世界の映画賞を独占した『パラサイト 半地下の家族』『はちどり』、そして韓国ドラマブームを再燃させた『愛の不時着』などで勢いづく韓国映画・ドラマ。その魅力を、2014年から語り合ってきたふたりの、ウェブ媒体や雑誌でのテキストに新録分を追加した対談&評論集。
社会性と娯楽性のハイブリッド、ジェンダーや階層への配慮、真摯なメッセージ性など、あらゆる要素の洗練度を極めた韓国の映画・ドラマの世界と韓国の社会を、日本との比較も含めながら、女ふたりでしゃべりつくしました! また、映画・ドラマとシンクロして昨今盛り上がりを見せる韓国文学やそこから派生したフェミニズム議論などについての話も。ふたりのおしゃべりを、存分にご堪能ください。
感想・レビュー・書評
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女性ライターの2人が約5年に渡って韓国ドラマ、映画について語り合った対談をまとめたものです。社会情勢に鋭く切り込む韓国映画に凄みを感じていたので、ハンさんのそれほどひどい社会だったからという言葉に本質を理解できていなかったなと反省しました。
日本カルチャーを落として韓国カルチャーを持ち上げるという安易な比較にならず、それぞれの良さや経年による変化を冷静に分析していてとても読み応えがあります。
韓国映画は男らしくバイオレンスで社会性が強いというイメージから抜け出してきていて今後より多様性に満ちてくる予感。日本映画のクリエイターも才能に溢れているのでもっと才能を支援する土壌ができて欲しいと歯痒い思いにもなりました。
「愛の不時着」がここまで流行る日本の特殊性という話題も面白かったです。
韓国カルチャーが好きな方は必読の1冊かと思います。 -
2014年以降の韓国ドラマ、映画について語る。最近の韓国文学からの影響もあるように女性視点での見解と同時に、韓国の社会状況の変化を踏まえた評論は作品の理解度を押し進めてくれる。常に変化し続け、魅力的な作品が生み出されていく韓国ドラマ・映画の今後も楽しみである。
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近年の韓国映画は豊作ぞろいです。第93回米アカデミー賞で作品賞を含む6部門にノミネートされた「ミナリ」では、破天荒なおばあちゃんを演じたユン・ヨジョンが助演女優賞を受賞しました。昨年は、もちろん「パラサイト 半地下の家族」一色でしたよね。
ドラマの方も、「愛の不時着」や「梨泰院クラス」など、多くのドラマが話題になっていました。韓国の物語がこれほど評価を受けている背景には、どんな変化があるのか。
『韓国映画・ドラマ――わたしたちのおしゃべりの記録2014~2020』は、韓国作品におけるフェミニズムや格差社会について、西森路代さんとハン・トンヒョンさんが“おしゃべり”している本です。
“対談”というより“おしゃべり”という言葉がぴったりではあるのですが、けっして「韓流ドラマラブな女性のウキャウキャしたパジャマトーク」ではないので、それを期待して読むとビックリするかもしれません。
4月29日に本屋B&Bで行われたイベントで、ゲストとして登場した町山広美さんは、「お互いの個人的事情に興味のない感じがおもしろかった」と語っていました。
まさに!な距離感なんです。そして、どちらかというとドライな視線で、数々の映画やドラマが解説されています。
とても共感したのは、韓国ドラマが「わかりにくさを求め始めているのでは」という指摘です。内省的な、わかりにくい世界が増えている韓国ドラマに対して、日本のドラマは「わかりやすさ」を求めすぎているのではないか、という意見も。
わたしは日本のドラマをほぼ観ていないので知らなかったのですが、そうだったのかという気持ちと、やっぱりという納得感がありました。
演技ではなくセリフですべてを語ったり、内面をわざわざセリフにしてしまったり。こういう演出は、なにも考えずにストーリーを追えるのかもしれませんが、検索によるつまみ読みみたいで……。
本には、対談以外にも、おふたりが発表された映画に関する記事も収録されています。
本を制作される方に、心からお願いしたいことがひとつ。
Qサイズの小さなピンクの文字は、めちゃくちゃ読みにくいです……。
この本をつくる際、「女性二人の対談本だからといって、かわいいほんわかした表紙はイヤだと思っていた」と、イベントでお話されていましたが、「追記」がねー。なぜピンクの文字色なんだろうと思ってしまった。
イベントで挙がっていた映画をメモしたので、興味のある方はぜひ。
○ ユン・ダンビ監督「夏時間」
http://www.pan-dora.co.jp/natsujikan/
○ ホン・サンス監督「逃げた女」
https://nigetaonna-movie.com/
○ イ・ジェヨン監督「バッカスレディ」
GYAO!で無料配信中です。
https://bit.ly/3e51UwK
○ キム・ギヨン監督「下女」「火女」
キム・ギヨン傑作選BOXには、ユン・ヨジョンが主演した「火女」は収録されていません。残念。
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○ イ・ジョンピル監督「サムジン・カンパニー1995」
https://samjincompany1995.com/
○ キム・ボラ監督「はちどり」
4月28日にDVDが発売されました。Blu-rayの方には、キム・ボラ監督のデビュー作「リコーダーのテスト」が収録されているそう。即ポチった。
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女性2人の対談なので結果的にフェミニズムが軸にはなっていると思う。西森さんて文化系トークラジオlifeで知って、著者を読むのは初めてだけど、何かに専門性があるわけでもなく、明確な武器がない中で、鋭くもなくひとまずたくさん好きなものを摂取する中で仮定を導く感じが独特だなぁと思う。それをハンさんが、安易に同調せずに突っ込んだり納得したりしてんのが本書の魅力だと思いました。
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結構同じことを繰り返したりしているが
韓国の方は日本のドラマや映画に対して
あまり何も起きないと思っているのにびっくりした
確かに韓国のドラマや映画は伏線とは違う
繋がり(御曹司が交通事故を起こしてその被害者とはすぐ示談するから、
裏で頼んでた自動車修理工場からとか一つひねってる)
なので韓国自体もコロナ禍もあり
普通の幸せに目を向ける
「82年生まれキムジヨン」や「はちどり」などが注目されるのもうなずける -
うーん、西森さんのコメントがどうもズレている感じで、何言ってるのか?という感じがある。あと追記をピンクの文字にするのは見辛いのでやめた方がいいと思う。
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文中にあったまさに「良い会議」だった。
著者プロフィール
西森路代の作品






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