城壁

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  • 文学通信
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909658302

作品紹介・あらすじ

市内に、敵の一兵たりとも、残存するを許さず。
城内にある敵兵を、徹底的に粛清せよ。以上が命令である――。

『城壁』は、南京大虐殺事件を複数の視点から描き出したばかりではなく、それをいかに歴史として残していくかを問うた最初の小説として、記憶されなくてはならない――。
南京事件を正面からとりあげた唯一の長編小説といってもよい本書を、忘却の彼方から引きずり出す。南京事件をどういう立場から、どういう言葉で残し、記憶していくのか。1964年に河出書房新社から刊行された、直木賞作家が描いた問題作『城壁』を、いま、新たに光をあてるべく、半世紀を経て遂に復刊。解説・和田敦彦(早稲田大学教授)。

【彼は考えていた。歴史というものにたいする疑惑だ。同時に、不信でもある。この南京占領は、歴史にどう書かれるだろう?ここで日本軍隊が何をやったかということを、国民も、後世の人も知らずにすぎるだろうか?(99頁)】

著者プロフィール

1912年、静岡県掛川町生まれ。1936年、早稲田大学文学部英文科を卒業、旧満州(現中国東北部)に渡り、1937年、関東軍の大連憲兵隊に英語通訳として勤務。1939年、満州国外交部に職を得る。1945年召集され、満州で終戦を迎える。1946年、日本に引揚げ。帰国後、「渦」(『文芸』1948年12月)や「蔵王」(同、1949年3月)の作で注目される。1958年、『赤い雪』(和同出版社)で第39回直木賞を受賞。同年刊行の『乾いた湖』は映画化(篠田正浩監督、松竹、1960年)されている。自身の引揚げ、抑留体験をもとにした『極限からの脱出』(読売新聞社、1971年)、『満州国崩壊の日』(上、下、評伝社、1982年)や、『大いなる落日』(時事通信社、1974年)にはじまる歴史物の他、純文学から大衆向けの小説、エッセイまで幅広く執筆。釣りについてのエッセイやルポルタージュの草分けでもあり、『釣魚礼賛』(東京書房、1971年)は版をかえて長く読みつがれた。1993年、自伝『八十年現身の記』(新潮社)を刊行。1999年、死去、86歳。

「2020年 『城壁』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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