ここまでわかった 戦国時代の天皇と公家衆たち: 天皇制度は存亡の危機だったのか? 新装版 (日本史史料研究会ブックス)

制作 : 神田裕理 
  • 文学通信
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909658333

作品紹介・あらすじ

戦国時代、朝廷や公家は無力な存在で、単なるお飾りだったのか。
伝統の権威をふりかざしていただけの存在だったのか?
世の中の常識では、戦国時代の朝廷は、室町幕府の衰亡と日本各地の戦乱によって存亡の危機に陥っており、内裏の塀は朽ち果て、貴族たちも貧困に喘ぎ、天皇は、儀式の執行さえままならなかったというイメージが先行しているが、本書はその嘘を覆す。
天皇と貴族たちはこの時期どう生きていたのか。武士たちの陰に隠れ謎に包まれていた朝廷勢力の実像を13のテーマで解明する。
史料は可能な限り意訳し、難解な用語にはふりがなや説明を施しています。
執筆は、渡邊大門、水野智之、神田裕理、生駒哲郎、菅原正子、後藤みち子、木下昌規、遠藤珠紀、久保貴子、中脇聖、大薮海、谷口研語、赤坂恒明の全13名。
なお本書は洋泉社・歴史新書yで2015年に刊行したものを新装版として復刊するものです。

感想・レビュー・書評

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  • 戦国時代を天皇や公家衆はどう生き抜いたのか?
    設定した13のテーマを13人の研究者がわかりやすく解き明かす。
    ・はじめに ー 時代に必要とされていた天皇と公家衆たち
    【第1部】必死に天皇を守る公家衆たち
    【第2部】家門・一族の存続をはかる公家たちの知恵
    【第3部】武家とともに時代を動かした天皇・公家
    【第4部】「戦国領主」化した貴族たちの戦い
    各部に数人ずつの執筆で、それぞれに主要参考文献、適宜系図有り。
    目次に続き、天皇家略系図と足利氏(室町幕府将軍家)家系図、
    戦国~織豊期、堂上公家の家格と官職相当表、有り。
    戦国時代の天皇や公家衆の動向を解き明かす、内容。
    長年の疑問が徐々にわかって、嬉しい限りです。
    戦国時代の天皇の本は僅かでしたから~。
    加えて、公家衆の動向もわかりやすく解き明かしています。
    確かに、戦乱と財政事情により、執行を辞めたり縮小した
    儀式はあるし、消滅した公家はあります。
    が、先例の縛りが有りながらも、天皇は大事な職務を熟し、
    国の安寧を図り、仕える公家衆の家門安堵を行う。
    仕える公家衆も、時勢の変化の判断をしながらの行動。
    武家昵近公家衆の存在、将軍家との縁戚、
    時の権力に左右される門跡。
    信長・秀吉・家康との関係についても紹介されています。
    また、天皇や公家衆の収入やお役目についても解き明かしています。
    戦国期の混乱の中での荘園経営と在国について。
    在国が武家化し、大名のようになることも。
    公家の特権として公認・保護される家業での、収入。
    公家の家門と家領について。
    公家での禁裏小番衆と、伝奏の立場。
    後宮に使える女房たちの職務・・・朝廷からの使者、等。
    これから更なる解明が進行することを、期待出来る内容でした。

  •  洋泉社歴史新書yが出ていた時には、戦国時代辺りにはあまり関心がなかったので手が伸びなかったが、こうした一般書の形で、歴史研究の最新の状況を学ぶことができるのは、大変嬉しい。
     学会全体の動向によって研究テーマの流行り廃りもあるし、史料が整理されてきたこともあるのだろうが、新しい知見や解釈が納得の行く形で示されて、とても興味深い。

     少し前までは、戦国時代と言えば、戦国大名間の合戦、天下取りという大河ドラマ的印象が強かったが、平成の代替わりを契機に、天皇及びその周辺に関する研究が進展している感がする。

     本書では13のテーマが取り上げられており、歴史好きであれば、幾つかはきっと興味をそそられるものがあると思う。

     荘園からの税の納入の減少に対し、公家がどのようにして生計を立てようとしていたかなどは、時代が大きく変化する際には必ず生じる問題であるが、その方策の一端が紹介されていて、興味が尽きない。

  • 今まで漠然とした知識しかなかった分野の叙述が多く、各論考は非常に興味深いものがあった。地方に勢力を築いた公家達についても扱われていて面白い。

  • 手元にあるのは「洋泉社」です(ここ大事)
    戦国時代、金が無いキーワードは大事だが
    貧乏たらしく権威を失ったと見てはいかん

    確かにと納得いくのは「正妻」いない天皇
    皇后や中宮を最後にたてたのは後醍醐天皇
    後水尾天皇が復活させるまでなかった
    12世紀にできた女御も南北朝時代で最後
    (近衛前久の娘「前子」の時に復活)
    立后儀式のお金が無い
    中宮識(役所)を設立するお金が無い
    皇后に出す方の「家」も立后を支えるため
    必要な人材・お金が無い

    悲しいね (´・ω・`)

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