- Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
- / ISBN・EAN: 9784909658340
作品紹介・あらすじ
私たちは、読書を自分一人で行う孤独で内面的な営みだと思いがちだが、読書は一人では決して成り立たない。
では読書とはどのようなものなのだろうか。そこにはどんな問いが隠れているのか。
本書はそんな多様な問いを調べ、考えていくための実践的なマニュアルである。
文学×教育学×歴史学、出版×流通×販売、など諸学が交差する「読書の歴史」という地点で、何をどう調べ、学べばいいのか。
学び、調べることの豊かな可能性や広がりを存分に伝える名著の改訂増補版、遂に刊行!
【読書は、それぞれの時代、場所で同じような行為、経験としてあったわけではない。また、書物と読者の間だけでなりたつ孤立した行為でもない。この当たり前のことが、読書を学び、調べることの豊かな可能性や広がりを作り出す。ある時期や地域の読者を問うたり、あるいは書物を作り、運び、紹介したり、保存したりする行為を研究したり、学んだりすることに結びついていく。本書は、こうした読書の歴史に関わる多様な問いを調べ、考えるための実践的なマニュアルのようなものだ。】……「おわりに」より
感想・レビュー・書評
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様々な領域に関係している読書。読書にいたる書物の流れや、制約がどのように生まれて変化してきたか、その調べる意義や方法を解説した本。
本書では書物が読者に届く流れを大きく二つに分けている。一つは、書物が時間、空間を移動する「たどりつくプロセス」、もう一つは、読者がたどりついた書物を読み理解する「理解するプロセス」である。読書の歴史は「理解するプロセス」が考えられがちだが、「たどりつくプロセス」もあわせて細部を検討することの必要性が示される。そのため読者の研究とは別に、図書館史、出版史、流通システム、検閲、電子メディアなど、本書では読書の歴史を問うテーマは多岐にわたる。読書の制約や不自由さを発見し、それを引き受け、作り変えていくことの可能性を見出すことができる要素が読書の歴史にはある。
個人的には、国語教科書の成立と読者の歴史でメディアリテラシーの学習できるという点に興味が出た。メディアがどう成立し、受け取られるかは、成立の経緯も知る必要がある。
著者プロフィール
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