高校に古典は本当に必要なのか: 高校生が高校生のために考えたシンポジウムのまとめ
- 文学通信 (2021年6月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
- / ISBN・EAN: 9784909658364
作品紹介・あらすじ
高校に古典は本当に必要なのか。
「高校生の声を伝えて、肯定派の目を開きたい。高校生という新たな視点で否定派の心を開きたい」
現役高校生が、当事者として高校生にアンケートを実施し、議論の場を作り、考えたことは何だったのか。2020年6月6日にオンライン開催された、高校生が高校生のために考えたシンポジウム「高校に古典は本当に必要なのか」の完全再現+終了後のアンケート+企画に至るまでの舞台裏+編者による総括です。
2019年、明星大学でシンポジウム「古典は本当に必要なのか」は、本書の編者の高校生にとっては、話がかみ合わない上に、問題点や疑問が放置されたと感じられ、とても満足できるものではありませんでした。そして開催されたのがシンポジウム「高校に古典は本当に必要なのか」です。
議論は果たしてどこまで進んだのか。現役高校生という視点は有効だったのか。これを読む私たちは、高校生たちの考えをどこまでくみ取ることが出来るのか。
古典不要論を考える際の基本図書ともなった、勝又基編『古典は本当に必要なのか、否定論者と議論して本気で考えてみた。』(文学通信)の続編ともいうべき本です。
執筆は、長谷川凜、丹野 健、内田 花、田川美桜、中村海人、神山結衣、小林未來、牧野かれん、仲島ひとみ、近藤泰弘、ツベタナ・クリステワ、福田安典、渡部泰明、猿倉信彦、前田賢一の各氏。
感想・レビュー・書評
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▼東京大学附属図書館の所蔵状況(UTokyo OPAC)https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2003662306
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否定派のセンセイがたが高校教育を受けたのは昭和53年度改訂(57年度施行)の学習指導要領よりも前の、国語の必履修科目が9単位以上(うち古典は2単位または5単位)あった時代、
っていう指摘にワロタw
そりゃ、たんまりやらされてた時代の人なら、たった一度しかない青春の季節を嫌いな苦手科目なんかに費やしてよかったのか、もっと有意義に使いたかったよ、という恨みが大人になってからの屁理屈を育てても仕方がない。
当人たちは、国語全体で4単位、うち古典は1.5単位にまで減らした現状からさらに減らせと主張してることに気づいているのだろうか。そうだとしたら、やはり個人のルサンチマン的なものが作用してるとしか思えない。 -
ディベートまとめ。
リアルタイムの動きより否定派の論調にそうだよなーとなるが、
古典全体の俯瞰で見ると選択肢を与えること自体が教育に思う。
もっと古典を勉強しておけばという気持ちに社会に出て
たまたまそのような経験をしたタイミングで基礎教育の素晴らしさを感じるので。
その上で、授業自体の面白さは変えないと
この議題のように、今の進め方なら無くてもいいんじゃないかと思われても仕方ない側面があるとみる。
それは古典に限らず全ての授業で疑問視されている構造だろう。