書誌学入門ノベル! 書医あづさの手控〈クロニクル〉

著者 :
  • 文学通信
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感想 : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909658418

作品紹介・あらすじ

代々続く書医(書籍のお医者さん)の家に生まれたあづさは、早世した兄・葵に代わり、家業を継ぐことを決意する。しかし書籍について知識のなかったあづさは、見ただけで紙の原料がわかるふしぎな力を持った双子の妹・さくらとともに、修行に邁進してゆく――。
青春小説であり、書誌学入門でもあるという、本邦初の「書誌学入門」ノベル!
書誌学が小説という器にのり、その学問は自由に羽ばたき、猛烈な興味をかき立てるものに変貌します! 圧倒的な書物への愛が溢れ出した、いままでになかった本です。
付録として「浅利先生の書誌学講座」(全10講)を完備。書誌学の基礎もわかります。
人に話したくなる小ネタも満載。本を愛する全ての人に、必携の書です。
イラストは『国宝のお医者さん』(KADOKAWA)の芳井アキ。
推薦=延広真治(東京大学名誉教授)、大場利康(某大規模図書館員)、纐纈くり(大屋書房)。
中学生から一般の方までお読みいただけます!

いつもペン型ルーペ2本を持ち、紙の正体を即座に見破る白戸さんは、さながら女武蔵。小説仕立で書誌学への関心を高めようと創ったのが本作で、筆致は瑞々しく記述は精確無比。最上の副読本としてお勧めしたい。●延広真治(東京大学名誉教授)

読書好き、活字好き向けの小説は数あれど、和本・漢籍・朝鮮本のモノとしての面白さを伝える書誌学小説は類を見ない。これぞ真の「書物愛」小説。主人公たちの活躍と共に、古典籍を支える素材と技の魅力もご堪能あれ。●大場利康(某大規模図書館員)

書物の形態、紙の種類など〈装訂〉からその本の魅力を知る〈書誌学〉という学問の入門書。現物を知るからこそ描ける書物愛に満ちた〈書誌学〉青春ラノベが誕生です。あなたも書物文化の世界に触れてみませんか。●纐纈くり(大屋書房)

感想・レビュー・書評

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  • 書店に並ばない本6(白戸満喜子) | 八木書店グループ
    https://company.books-yagi.co.jp/archives/4814

    白戸満喜子『書誌学入門ノベル! 書医あづさの手控〈クロニクル〉』(文学通信) - 文学通信
    https://bungaku-report.com/books/ISBN978-4-909658-41-8.html

  • 書物を扱った小説は数多いが、「書誌学入門ノベル」というのは新ジャンルではなかろうか。本書は傷んだ古書を修復する「書医」の家系に生まれ主人公が、先達たちの薫陶を受けながら書医として成長していく物語だ。ちなみに書医というのは架空の職業。ここまでが前半。後半は10の書誌学入門講義が続く。言ってみれば、小説パートは書誌学講座パートへのリードである。そして、書誌学パートを読むことで、小説パートの専門用語がわかる作りになっている。

    作者は小説家ではなく、研究畑の方のよう。そのため小説自体は素人臭さがあるけれど、試みとしては面白い。何と言っても書誌学講座は読み応えがある。楽しく学べるお得な一冊。

  • 書誌学というものがよくわかった。
    本は人間よりずっと長い時間生きている、確かに!
    書誌については詳しいが、人物はどれも記号っぽい。

  • 書誌学ノベル、というタイトルに惹かれて読みはじめました。
    書誌学とは、紙や本の構造、本に関わることからその価値を知っていく学問だそうです。

    仕事柄、書誌データに触れることが多いのですが、
    恥ずかしながら、もとのもとについては不勉強でしたので、とても勉強になりました。

    この作品の作者であり、研究者である白戸満喜子さんは、いま慶應大学の無料公開オンライン講座の講師を務められているそうで、見てみようかなと思いました。

  • 書誌学入門、サブタイトルにふさわしい古書の修理に関する様々な事柄が物語の中に組み込まれ、謎解きをするような展開で進んでいく。
    双子の姉妹の成長自立の物語。父親の虫に好かれる変わった存在感にちょっと驚いた。

  • 私はうんちくには興味がない。ただ小説が読みたいのだ。

  • 小説としては今ひとつだが、勉強にはなった。

  • 専門用語が多いので難しく感じますが、とても面白かったです。双子の姉妹を中心とした登場人物も良かったです。

  • なんとも、スカスカの人物描写と空虚な展開にビックリ.
    これ小説?付録で星1つ追加。

  • 書誌学をネタにしたライトノベル。
    書物の修復を生業にする家の娘が、色々な人や書物に出会っていく成長物語。ストーリーはさくさくと読めて、登場人物同士が語り合う書誌学知識が面白い。
    この本を読んでいるうちテンションが上がって、読後『和本入門』[ https://booklog.jp/item/1/458283292X ]と『書誌学談義』[ https://booklog.jp/item/1/4006003390 ]を引っ張り出してきて再読。本書で小ネタとして使われている話題がそちらにも出てくる。当たり前なのだが、知り合いに再会したみたいでなんとなく嬉しい。たとえば本書「大手鑑は聖武天皇直筆である宸筆『賢愚経』の断簡-聖武切を必ず最初に貼るっていう約束事があるんだ。(p124)」→『和本入門』p31で聖武切の話が出てくる。
    またこれは偶然かもしれないが、印象深かったくだり。朝鮮本について語り合う場面で、紙の研究をしていると漢字文化圏の各種言語に通じる必要があるとか、韓国のデータベースを引く際、資料自体は漢文なのでハングルが読めなくても大丈夫という話(p223-224)が出てくる。同じく『和本入門』でも、ヨーロッパの共通語であったラテン語と同様に、漢文はアジア圏の共用語としての役割を担ったという指摘があった(p51)。漢文が漢字文化圏における共通語だという事実は、これも歴史を考えれば当たり前なのだが、古い書物の研究をする人には肌感覚としてあるのだろう。
    自分が併読した2冊に比べると、本書の方がよりモノとしての面に注目している。中身や出版事情等への言及はあまりなく、本を構成する素材の話題が充実している。日本と韓国の楮の性質の違い(p66)など。
    そうしたモノとしての古書について、主人公が同級生に語る場面(p48-49)が熱い。
    「古書は生演奏。楽曲を作った人自身が演奏するのを生で聴くのはもちろん最高だと思う。でも、その曲を好きな人がその人なりのアレンジで楽しみながら演奏しているのも聴いていてワクワクするでしょ。同じように、たとえ写しであっても、人が書いた文字が伝える魅力って、音楽と同じだと思うんだ」
    「文字情報っていうけど、その本をどういう紙で作ろうとしたか、っていうのも情報なの」

    こういう熱量を、特に比較的知られていない分野についての熱を伝えるのに、ライトノベル(小説形式)というのはやはり良い媒体だ。専門家の専門知識と思い入れとを同時に仮想体験できる。もちろん研究書や論文だって目のある者が読めば熱いのだけれど、そのレベルに達するには基礎知識が必要だし、書く方もなるべく頭を冷やして書くから、愛をあまり前面に出せない。
    紙の素材が色で分かる特殊能力という設定は『もやしもん』[ https://booklog.jp/item/1/4063521060 ]を思い出す。突飛なようだけれど、専門知識を持つ人に見える世界の解像度はこうなのだろう。
    ところで主人公の名前「あづさ」と「さくら」は板木にちなんでいるのが分かるが、「葵」は何だろう。紙漉きの増粘剤のトロロアオイ?

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著者プロフィール

博士(文学)。青森県立弘前高等学校卒業。慶應義塾大学文学部国文学専攻卒業後、法政大学大学院にて日本文学(近世)を専攻。指導教授は松田修。原典・現物にこだわる研究姿勢を継承している。慶應義塾大学の無料公開オンライン講座FutureLearn「The Art of Washi Paper in Japanese Rare Books(古書から読み解く日本の文化、和本を彩る紙の世界)」で講師を勤める。著書に『紙が語る幕末出版史 『開版指針』から解き明かす』(文学通信、2018年)。

「2020年 『書誌学入門ノベル! 書医あづさの手控〈クロニクル〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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