漢字を使った文化はどう広がっていたのか: 東アジアの漢字漢文文化圏 (東アジア文化講座)
- 文学通信 (2021年3月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (450ページ)
- / ISBN・EAN: 9784909658456
作品紹介・あらすじ
前近代の東アジアの交流を学び、今に活かす!
東アジアの文化と文学の交流を学ぶシリーズ、東アジア文化講座第2巻。
中国からひろまった漢字漢文にもとづく思想や文化は、日本だけでなく、各地域でどのように展開し、継承と反発をくり返し、独自のものに再創造されたのか。
中国、朝鮮半島、日本、琉球、ベトナムなど、これらの交流圏にあった十九世紀以前の前近代の東アジアを俯瞰し、論じていく。
東アジアと日本、世界を接続して考え、問い直していくシリーズ、東アジア文化講座。
これからの東アジアを生き抜くヒントがここにある。
第2巻は東アジアの漢字漢文文化圏をテーマに、漢字文化圏の文字、漢文の読み方と翻訳、漢文を書く(変体漢文など)、近隣地域における漢文学の諸相、漢字文化圏の交流―通訳・外国語教育・書籍往来などの問題を設定し、漢字にまつわるありとあらゆる視点を提供しつくした初の書。本書で提供される視点による漢字文化観は、今後新たな発想を生み出す源泉となるであろう。
執筆は、金 文京/大西克也/李 成市/古屋昭弘/鄭 光/明木茂夫/笹原宏之/荒川慎太郎/入口敦志/遠藤織枝/宇都宮啓吾/張 景俊/吉田 豊/NGUYEN THI OANH/佐藤晴彦/杉山 豊/嶋尾 稔/西村浩子/陳 力衛/金 文京/石井公成/水越 知/永田知之/大木 康/瀬間正之/沈 慶昊/朴 成鎬/高津 孝/伊藤英人/野崎充彦/沈 慶昊/佐藤道生/大谷雅夫/合山林太郎/川口健一/栗林 均/内田慶市/竹越 孝/木津祐子/住吉朋彦/陳 正宏/張 伯偉/髙橋 智/藤本幸夫/河野貴美子の45名。
感想・レビュー・書評
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06狂詩 319頁:『寝惚先生文集初編』巻一・貧鈍行「為貧為鈍」→「貧と為れば鈍と為る」。
注7:注6に同じ(=日野龍夫編『太平楽府他―江戸狂詩の世界―』を参照した)。
○なにゆえ,わざわざ「貧とナれば鈍とナる」と訓読しなければならないのだろうか?
なぜ,撰者が読ませたいように,訓読しないのか?
『寝惚先生文集初編』巻一・貧鈍行には「貧スレハ鈍スル」と添え仮名があるのに。
原文を確認していないか?
http://codh.rois.ac.jp/iiif/iiif-curation-viewer/index.html?pages=200004475&pos=14&lang=ja
○日野龍夫編『太平楽府他』の解説300頁でも「貧すれば鈍する」と書いている。
○『寝惚先生文集初編』にこの「貧鈍行」はあるのだから,この「注6」は,「注5」(=新日本古典文学大系84 寝惚先生文集 狂歌才蔵集 四方のあか )の誤りでは,とも疑われる。
ただ,新日本古典文学大系84も14頁「貧すれば鈍する」としている。
そうすると,やはり新日本古典文学大系84は参照していないのだろうか?
あるいは,注だけ参照して,訓読はしたがわなかった,ということか?
「貧スレハ鈍スル」は,ことわざ辞典のようなものに出てくるのに,「貧と為れば鈍と為る」と訓じたのでは,作者の意図した面白みが伝わらないのではなかろうか?