虚学のすすめ: 基礎学の言い分

著者 :
  • 文学通信
2.20
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本棚登録 : 41
感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909658494

作品紹介・あらすじ

学問は即効薬ではない。即効薬ではないが、それなくして即効薬はつくれない。
学問が役に立つとはどういうことか。学者のあり方とは。研究のおもしろさとは何か。元国語科教科書調査官の著者がつづったエッセイ集。「第1部 むなしい学問なのか」「第2部 文学青年から文学研究者へ」「第3部 国文学ひとりごと」でつたえる、学問のススメ。

【学問には、その成果が見えるようになるまでに長い時間を要する分野がある。そのような長い時間がたつと、成果が見えるようになっても、社会と学問との接点はどうしても見えづらい。当の研究者でさえ、往々にしてその接点を捜しあぐねている。しかし、繰り返して言うが、学問は即効薬ではない。即効薬ではないが、それなくして即効薬はつくれない。
成果結果のあらわれるまでに長い時間を要し、社会との接点が理解されにくい学問、それが「虚学」であり、文学部はその「虚学」の巣窟である。】…本書「虚学の論理」より

感想・レビュー・書評

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  • 第一部はタイトル通りの内容。
    第二部、三部は不要かな。

    まぁなんにせよ。基礎分野が大事だ大事だ大事だというのはわかるが限りあるリソースをいかに分配せざる負えない時代に対して愚痴ってるようにしか感じられない。

    教育機関の外からみたら愚痴るよりまだまだやるべきことがあるとおもけどね?

  • 基礎研究はたしかに現実の社会に直接役には立たない。だが間接的に必ず社会との接点がある。そしてそれは目に見えて顕著ではない。せっかちな人間はそれを役に立たないという。学問にはその背かが見えるようnなるまでに長い時間を要する分野がある。そのような長い時間が経つと成果が見えるゆになっても社会と学問との接点はどうしても見えづらい。当の研究者でさえ、往々にしてその接点を探しあぐね居ている。学問は即効薬ではないが、それなくして即効薬は作れない。

  •  題名に惹かれて手に取った。

     第一部は、学問の在り方論である。
     学問に即効的に役立つことを求め、「虚学」、基礎学を軽視する社会の風潮に対して異を唱える、著者の実に真っ当な見解が述べられている。ただ、自身、天の邪鬼と言っているように、正論なのだがどこか外した所がある文章は、読んでいてとても面白い。

     第二部は、著者の学生時代から研究者時代の「私の履歴書」的なエッセイ。

     第三部は、著者の研究成果を一般向けに紹介したものやその他の雑文的なもの。依田学海については漢詩人としての学海のことしか知らなかったので、幕末に佐倉藩士として活動した学海を紹介した、著作の『最後の江戸留守居役』は読みたく思った(残念ながら元本も文庫化されたものも品切れ状態)。

    〈補足〉
     太平洋戦争でキスカ島撤収作戦は有名だが、本書「勇気をもて。学者の良心を忘れたのか」で、映画「キスカ」の一場面が紹介される。五日間は霧が出ないと作戦は決行できない、しかし、時間が過ぎていく中、気象班長は周囲の将校から霧は出ると報告せよと迫られる。ためらいながらも霧は出ますと言った気象班長であったが、嘘の具申をしたことを謝罪する。それに対し、三船敏郎演じる司令官が言った言葉が、タイトルの文言である。
     これが史実なのかどうかは分からないが、最近「プレッシャー」という芝居を観て、それはノンマンディー上陸作戦を連合軍が決行するというときに、やはり気象条件によって決行の有無を決する状況でその予測を求められた気象学者を描いたものだった。
     たまたまの符合ではあるが、面白いと思った次第。
     

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著者プロフィール

1948年、愛媛県生まれ。九州大学文学部卒業、同大学院修士課程修了。北九州大学講師等を経て、文部省(現文部科学省)入省、教科書調査官(国語科)。2009年、佐賀大学教授となり、2014年退職。専攻、国語学・国文学。博士(文学)。
主要著書に、『江戸時代学芸史論考』(三弥井書店、2000年)、『説話のなかの江戸武士たち』(岩波書店、2002年)、『幕末インテリジェンス』(新潮文庫、2007年)、『かなづかい入門』(平凡社新書、2008年)、『本居宣長「うひ山ぶみ」』(講談社学術文庫、2009年)、『古語の謎』(中公新書、2010年)、『古語と現代語のあいだ』(NHK出版新書、2013年)、『注釈・考証・読解の方法』(文学通信、2019年)など。

「2021年 『虚学のすすめ 基礎学の言い分』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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