- Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
- / ISBN・EAN: 9784909658593
作品紹介・あらすじ
世界が始まり、悪狐が目覚める――。
人間離れした美貌を持ち、人を超えた才知をほこり、数千数万の軍隊を相手に戦うことができる強さを持つ、伝説上、最「恐」のヒロイン、玉藻前(たまものまえ)。しかし本邦には玉藻前を扱った作品が膨大に存在するにもかかわらず、広く読める現代語訳がありません。
本書は大の玉藻前好きであった著者が、「誰でも玉藻前に触れることができ、彼女の魅力を広めることができるならば」と、膨大な作品群を現代語訳で編んだアンソロジーです。
玉藻前の日本における活躍とその死後を描いた御伽草子『玉藻の草子』。殺生石と化した後、玉藻前の魂の救済を描いた謡曲『殺生石』。世界の始まりとともに生まれ、世界を魔界に堕とすため、中国、インド、日本の三国に渡った九尾の狐の暗躍とその脅威を描いた読本『絵本三国妖婦伝』。玉藻前が殺生石と化した後、その魂が救われるまでの空白の期間に起きた玉藻前に纏わる事件を描いた合巻『糸車九尾狐』。殺生石説話の主役である源翁和尚と殺生石に纏わる話を記した戦記物語『那須記』。
これらを現代語訳でお届けします。
付録エッセイに、「狐の窓」大屋多詠子(青山学院大学文学部教授)収録。
【玉藻前にはさまざまな魅力があります。
天地開闢(世界の始まりのこと。天と地が初めてできたこと)とともに生まれ、平安時代まで生き続け、死後、殺生石と化しても害をなし続けたしぶとさ。
この世を魔界に堕とそうとする大きな目的。
権力に取り入り、次々と国を滅ぼすほどの人間離れした美貌。
あらゆる事物に精通し、どんな問いにも明確に答えを返す、人を超えた才知。
神通力を自在に操り、生身でも数千数万の軍隊を相手に戦うことができる強大さ。
玄翁和尚の説法に己が仏心を受け入れ、善心を得て悪事をなすことを止めた最後。
そして中世から現在に至るまで、さまざまな物語の中でキャラクターのモチーフとなり、生き続けるその人気。
彼女には、私にとっての好きな要素が詰まっているのです。】
感想・レビュー・書評
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絶世の美女、妲己(だっき)や玉藻前に化けた「九尾の狐」伝説の地。栃木には恐ろしい石があった! | 和樂web 日本文化の入り口マガジン
https://intojapanwaraku.com/culture/62241/
朝里 樹編著『玉藻前アンソロジー 殺之巻』(文学通信) - 文学通信
https://bungaku-report.com/books/ISBN978-4-909658-59-3.html -
昨年真っ二つに割れた事が話題となった殺生石も関係する玉藻前(九尾の狐)にまつわるアンソロジー。
栃木を代表する妖怪であり、ゲーム「真・女神転生」の妖獣タマモ(剣反射能力を持つ悪魔で自動戦闘モードにしておくと大惨事になる事も)も思い出す印象深い存在。
そんな彼女は美しい姿や一騎当千の戦闘力だけでなく、積極的に論破していく頭脳明晰な女性でもある。この巻の半分以上のページを占める大作「絵本三国妖婦伝」ではその魅力を遺憾なく発揮している。「封神演義」でも印象的な妲己を始め、天竺(インド)、再び中国、そして京都→那須とあちこちで大暴れ。
こちらのストーリーでは、昨年の大河ドラマで話題になった上総介広常と三浦介義純(義澄、というか年齢的には彼の父・三浦義明に当たる)よって討たれるが、「玉藻の草子」では三浦介単独。「糸車九尾狐」ではその三浦氏の子孫(光村)との因縁。「那須記」では三浦一族の和田義盛も関わっている。三浦氏とこれでもかというほど因縁がある。また、「玉藻の草子」では玉藻前を成仏させる玄翁和尚が佐原氏(後の三浦道寸や蘆名氏へ繋がる三浦一族)ゆかりのお寺に住むとまで書いてある。
最後には、付録エッセイとして人に化けた妖怪などを見抜く呪文「狐の窓」も紹介されている。
著者プロフィール
朝里樹の作品






https://bungaku-report.com/blog/2021/08/tamamonomae01.html