断片的回顧録

著者 :
制作 : ミネシンゴ  瀬木広哉 
  • アタシ社
3.92
  • (20)
  • (33)
  • (17)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 560
感想 : 22
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (148ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909713056

作品紹介・あらすじ

これは日記か? それとも物語か?
短い言葉で人間をまるごと表現するベストセラー作家、燃え殻。
その真骨頂というべき異色の回顧録、ついに刊行!

【帯文】歌人 穂村弘
一行一行が光って見えました。
毎日がどんなに駄目でも惨めでも、もう、これしかないというぎりぎりの本気で。

【詳細】
Netflixで映画化されたベストセラー小説「僕たちはみんな大人になれなかった」著者が綴る、一年間の日々の断片。
ある年の春から次の春まで、テレビ業界の「底辺」で働きながら、文章を書く作家の毎日。強さと弱さ、優しさとずるさ、美しさと醜さ、人間の全てを呑み込みながら、心象風景がはかなく流れ去っていく。
表紙に気鋭の写真家・草野庸子のオリジナルプリントを一冊一冊手貼りして製本。写真と文のコラボレーションで贈る、燃え殻文学の真骨頂。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 最近、ハマってます、気になってます、"燃え殻さん"です
    なぜこの人が書く文章はこんなに心地良いのだろうか…

    「優柔不断という基本的に欠点として扱われる性格が、自分を救ってきてくれるような気がしている。ベストな選択だったかはじしんがない。ただ、優柔不断だったから、出会えた仲間と出会えた仕事ある。」


    「母はとにかくよく働く人で、夕飯はマ・マーのミートソース缶の時が多かった。その頃は「えー、またー」と母の疲れも知らずに文句をいってしまっていた。でも今はその味を口にすると、あの頃の食卓を懐かしく思い出す。全国のコンビニにおふくろの味が置いてある。ちょっとお得かもしれない。」


    「生きづらいのはもはや個性だと思おう。」


    「悩みにもブームってものがあると思う。ブームって必ず過ぎ去るものだと思う。だとしたら、乗り越えなくても過ぎ去るまで待つのもひとつかもしれない。今日僕の中で一つ、ブームが去った。」


    「また岐路に立っている。どちらを選んでもきっと後悔はする。どっちの後悔のほうご許せるのか、人生の岐路とはそういうものなのかもしれない。」


    短い文章の中にはユーモアもありクスッと笑える部分も、そして惹きつけられる何かがある!

    燃え殻さん、読んでみませんか…?

    • ゆーき本さん
      ありがとうございます(*´`)
      ありがとうございます(*´`)
      2023/05/26
    • なおなおさん
      「これはただの夏」了解です。ありがとうございます。面白いタイトルだなぁ。
      1Qさんオススメの、マハさんやバールの本がこれから続々とやって来る...
      「これはただの夏」了解です。ありがとうございます。面白いタイトルだなぁ。
      1Qさんオススメの、マハさんやバールの本がこれから続々とやって来るのでいつか…いつかね^^;!!
      2023/05/26
    • 1Q84O1さん
      なおなおさん、ラッシュが押し寄せてくるですねw
      がんばれ〜ヽ(^o^)丿
      なおなおさん、ラッシュが押し寄せてくるですねw
      がんばれ〜ヽ(^o^)丿
      2023/05/26
  • 著者の日記的エッセイ。
    勤め人をやりながら、このようなユニークなエッセイが書ける著者の非凡さをあらためて感じた。

    視点が独特なだけでなく、普通だったらあまり起きないような事柄も引き寄せる、本人のある意味シャーマンな部分も著者の作品を面白くする重要なポイントだと思う。

    次作が待ち遠しい作家のひとりである。

  • 性別も年代も職業もなにひとつ重なるところがないのに、たまに猛烈に「わかるー!」となる文章が出てくるのが面白かった。性別も年代も関係なく、人間ってこういうこと考えるんだな〜という感じで。

    『「わかりました」と言ってそのままにする。みたいなことを多々やっていかないと疲れてしまう。今日二度、わかっていないのに「わかりました」と言った。』
    『悩みにもブームってものがあると思う。ブームって必ず過ぎ去るものだとも思う。だとしたら、乗り越えなくても過ぎ去るまで待つのもひとつかもしれない。』
    あたりがお気に入り。

  • 燃え殻さんの〝感覚〟に共感することが多いです。
    僕も「気になる」タイプなので。

    この世の中は「知らなければ知らないまま生きていける」ことが多いと思う。
    その方が苦しまなくて済むこと、考えなくていいこともある。
    ある意味で〝鈍感さ〟は大切だなって思った。

    それでも気になってしまう人。気づいてしまう人がいる。「理想」はタチが悪い。
    どこまでいっても追いつけないから。

  • 人生って常に悩みが尽きないけど、どう折り合いをつけるかが大事だと思った。そのちょうど良い力加減を身に付けたいと思った。

  • 「悩みにもブームってものがあると思う。(中略)今日僕の中で一つ、ブームが去った。」
    良い。近すぎない接点っていうのかなぁ、接点だと既に触れているんだけれども、…というか、我が事だから最初から触れているんだけれども、良いなぁ。
    「すべての挫折を左折くらいに思って、また次に進むしかない。」とかも。前向きかというと、まっすぐ前を向いて踏ん張って立ってる系ではない脱力感と諦観の滲む感じがたまらない。

  • タイトルが漢字のみなので、読む前はちょっと堅い内容の日記をイメージしていました。
    でも、日記ほど長くなくすぐに読み終えました。
    特に何か残っているわけではないですが、クスッと笑える言葉もあり、センスを感じました。

  • 呟きでも日記でも物語でもない一年間、という帯。読み終えて、呟きのような日記のような物語のような一年間、という思い。小説もエッセイも全部買ってる燃え殻さんの新刊情報をなぜかhontoアプリに教えてもらい、購入。何事も最初からピッタリ来ることなんかまずない、「微調整で乗り切るしかない」は掛け軸にして床の間に飾っておきたい(床の間ないけど)。"スーパーマーケットの前のガードレールに繋がれていた柴犬に二度見された。エサっぽかっただろうか。"、p.60のリャンピン、四萬、点棒が路上にころがる写真、"机に花瓶が置かれていたことがある。僕はなんか得した気分になって、少し花瓶を右にずらし、受付嬢気分で授業を受けた。"、"遠距離恋愛をしている友人が「距離を置きたい」と言われたという話に癒された。"、「わからない」と認め合ってから、人と人は始めるべきだ。"あたりに、可笑しみから、まさかそんなを通って、深いうなずきまで。一番の何言ってんだ大賞は、"え、男ならニューアルバムを引っ下げて「カウントダウンTVをご覧の皆様、こんばんは」とやるのが夢で、女なら自分の写真集を出版して「スペイン語で愛情という意味です」とか言いたいんじゃないの?(p.70)"。爆笑してしまいました。

  • 他人の日記の中に自分を見た。

  • 「あれは運命だった」
    最後にそういえば、だいたい収まるような気がしている。

全22件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1973年生まれ。小説家、エッセイスト。
2017年、小説家デビュー作『ボクたちはみんな大人になれなかった』がベストセラーとなり、2021年秋、Netflixで映画化、全世界に配信、劇場公開された。
小説の著書に『これはただの夏』、エッセイ集に『すべて忘れてしまうから』『夢に迷って、タクシーを呼んだ』『相談の森』『断片的回顧録』がある。最新作は『それでも日々はつづくから』(新潮社)。

「2022年 『ココロギミック 異人と同人3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

燃え殻の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
凪良 ゆう
ヨシタケシンスケ
朝井 リョウ
吉本 ばなな
カツセ マサヒコ
西 加奈子
宇佐見りん
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×